2019.09.27焙煎

ブラジルコーヒーのバランスの良さをどう崩すかがポイントだった|RMTC2019後記

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数あるスペシャルティコーヒーの中でも、ブラジルの豆は非常にバランスが良く、美味しいことで知られます。ナッツやチョコレートなどのフレーバーと、しっかりとしたボディ感、そして甘さもある。今回は、そんなブラジルの豆を使った焙煎のお話。RMTC2019大会後記として、ロースター黒田と共に振り返ります。

ロースター黒田

目次

本文中、黒字はライター。緑字はロースター黒田コメントにて、お送りいたします。

ローストマスターチームチャレンジ2019への挑戦

去る9月13日、東京ビッグサイトで行われたスペシャルティコーヒーのビッグイベントSCAJ2019。その中で行われたローストマスターチームチャレンジに出場した、当店のロースター黒田。大会挑戦のきっかけは「交流」であったとのこと。

ローストマスターチームチャレンジは、焙煎人の技を競うものでもありますが、『焙煎人同士の情報交換や繋がりを生むエキシビションマッチ』というものでもあります。

ロースター黒田:
今回、私がチャレンジしたのも、このテーマがあったから。焙煎デビューして1年半が経ち、より技術を高めたいなと思っていたので、チームチャレンジでの交流は、自分にとってとても意味のあるものでした。

課題豆はバランスの良いブラジル産

チームチャレンジでは、課題豆が与えられ、それをどんなコンセプトで表現していくのか、ということを突き詰めていきます。今回の課題豆は、ブラジル・セーハドボネ。生産処理は、パルプトナチュラル。

実際に課題豆を入手した時、焙煎人たちはどんな印象を持ったのでしょうか。

ロースター黒田:
ブラジルのスペシャルティコーヒーは、甘さ、酸味、フレーバー、後味、舌触りと、非常にバランスが良いことが特徴です。セーハドボネもそこから大きくずれることのないもので、実際にテスト焙煎してみた結果も、『ブラジルらしいブラジル』という感想でしたね。

かくして、黒田属する関東Bチームでは、そのバランスの良さをあえて崩し、ユニークポイントを引き出すことで大会に挑むことに。

バランスを追求することには限界があるのに対し、ユニークポイントの引き出しには無限の可能性があります。そこでどれだけオリジナルで美味しいコーヒーを作れるか。勝負に出たというわけですね。

ブラジルコーヒーの美味しさとは

焙煎の良し悪しの判断は、簡単に言えば美味しいコーヒーが焼けたかどうかという一点です。しかし、美味しいという言葉には様々な意味が込められています。

例えば、クリーンカップ。これは読んだままですが、どれだけ不純物感なくクリーンに仕上げられるか。近しいものでは、マウスフィール(舌触り)もありますが、味やフレーバーに対する評価なのか、触覚として感じるものへの評価なのか。このあたりが異なります。

それから、スウィートネス(甘さ)、アフターテイスト(後味)、フレーバー、アシディティ(酸味)も、美味しさを作る要素となります。

ロースター黒田:
ブラジル・セーハドボネは、サンプルローストの時点で既にとてもクリーンだったので、ここはこのまま維持したいなと。舌触りもスムースで、チョコレート系の甘さが長く続く印象でした。やはり捻らずとも、美味しかったんです。バランスを崩し、ユニークポイントを引き出すというコンセプトに向かっていましたが、あまりにも美味しいコーヒーだったので、一度煮詰まりました。苦笑

いかにバランスを崩し、ユニークポイントを引き出すか

というわけで、チームは一旦数多く焙煎してみることに。焙煎機、温度、時間などを変えて、20パターンほどの焙煎を試し、その中から美味しいと思ったものをいくつかチョイスして、方向性を決める作戦に出ました。

結果、残ったのは3パターン。たくさんのパターンで焙煎を試したことで、バランスが良いってどういうことなのか。それを崩すとはどんなことなのかが、なんとなく見えた気がしたとのことでした。

こうして、試行錯誤の末、出来上がった焙煎豆。大会では見事2位に選ばれることになります。

チームが導き出した答えは、スウィートネス、アフターテイスト、マウスフィールが良いという前提条件をクリアし、その上に個性的なアシディティとフレーバーを目立たせていくというものでした。

ロースター黒田:
シトラス系の酸味を残しつつも、焙煎によるメイラード反応によって、キャラメリゼ・ナッツのようなフレーバーと、チョコレート、キャラメルのような甘さを引き出すことができました。酸味はいよかんのような優しいものへと変化し、冷めても美味しく飲めるコーヒーになりました。

今後の挑戦へ

コーヒーの焙煎は非常に奥が深いものです。スペシャルティコーヒーとなれば、バリエーションがいくらでも用意できるということもあって、豊富な経験値と、より複雑で直感的な技術が必要になります。

ロースター黒田:
焙煎機と繋いだPCソフトで見ながらコントロールするのか。それとも自分の目や鼻や耳で判断しながらコントロールするのか。コーヒーの焙煎は、同じレシピで同じ豆を焼いたつもりでも、微妙に違った結果になることがあるんですよね。これからもっともっと経験を積んで、直感力とセンス、磨いていきたいなと思っています。

以上、ローストマスターチームチャレンジ後記でした。

大会当日の様子はこちらから
→ 速報!ローストマスターズ チームチャレンジ 2019 関東Bチーム準優勝!

ROAST WORKS メインロースター萩原のインタビューはこちら
→ コーヒー焙煎という仕事|ローストマスターズチームチャレンジ2018後記

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