生豆はほぼ無味無臭?コーヒーの味と風味は焙煎で作られる
焙煎する前のコーヒー豆は、味も香りもほとんどないということ、ご存知ですか?
コーヒー豆は、焙煎することではじめて抽出できるようになり、ドリンクとして味わう事ができるのです。
あらためて、焙煎ってなに?
コーヒーは、豆の産地や農場によって味や風味が異なります。
しかし、その違いを感じるには、生豆の状態では困難です。
前述したとおり、コーヒーの生豆は、青臭い香りがあるぐらいで、口に入れて噛んでみても、石ころのように硬く、味もほとんどありません。
そもそも、コーヒー豆は、コーヒーノキの果実の種ですから、硬いのは当然のこと。
では、この硬く味のない生豆、どうすれば『コーヒー』になるかというと、『焙煎』という工程が必要になります。
焙煎とは、簡単にいうとコーヒー豆を焼く事なのですが、もっと科学的に表現するならば、加熱による焙焦反応を起こすことで香味が形成され、多孔質(スポンジのように小さな穴がたくさん空いた状態)にすることで、お湯による抽出を可能にする工程のことをいいます。
この焙煎という工程で、コーヒーの味と香りの大枠が出来上がるのです。
焙煎士の仕事は、コーヒーの特徴を最大限引き出すこと
コーヒーの生豆は、焙煎されることで、酸味、苦味、香りなど、コーヒーとしての味を引き出されます。
焙煎士は、生豆の産地や状態から、その特徴が最大限引き出されるであろうポイントを見極め、焙煎を行っています。
さらにその上で、各お店としての個性を加えるため、焙煎という同じ工程でも、お店によってその技術ややり方は千差万別です。
焙煎の基本工程はこちらの記事をごらんください。
もちろん、スペシャルティコーヒーの概念である『From seed to cup』の考え方においては、焙煎以前の生豆の状態でのポテンシャルも同じように重要です。
ですから、生豆として素晴らしいものであることを大前提とした上で、この焙煎工程こそが、コーヒー豆の味を決める最も重要なファクターなのです。
焙煎士になるには
焙煎士は特に資格などはありません。
しかし、コーヒーの味を決める重要なポジションであるため、ある程度の経験が必要となります。
1、自家焙煎のお店で働かせてもらう
2、自分で焙煎機を入手して独学する
3、セミナーを受講する
主にこの3つが経験を積むための選択肢になります。
日々同じ豆を大量に焙煎している大手チェーンと、日々異なる産地の豆を相手に試行錯誤しながら焙煎している専門店とでは、学べる事が異なります。
焙煎士は職人ですから、修業期間は決して短いものではありません。
しかし、技術さえあれば雇ってもらうことが可能ですし、自営で商売をすることも可能です。
焙煎士を目指す方は、自身のキャリア形成をよく考えた上で、どこでどう学ぶかを決めたいものですね。
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