コーヒー仕入時の品質チェック「カッピング」 ~ コーヒー店のお仕事紹介 ~
コーヒー好きの方なら耳にしたこともあるであろう「カッピング」という評価方法。
今回はコーヒーの仕入れ時(生豆買付け時)に行うカッピングに焦点を当てて、その目的や評価項目、時間経過とともに変わる評価基準などについてお伝えいたします。
THE COFFEESHOPの公式YouTubeでは解説動画も公開していますので、ぜひ併せてご覧ください!
カッピングとは?何のために行うのか
スペシャルティコーヒーにおいて重要な『カッピング』。
「カッピングコメント」という評価項目を用い、コーヒーの質を見極めていく方法です。
カッピングの方法などを簡単にまとめた記事と動画は下記からご確認いただけます!
コーヒーカッピングはどんな時に使うのか
コーヒーのカッピングは、その目的によって大きく3つのシーンに分かれると考えています。
①生豆買付け時
②商品焙煎のクオリティーチェック時
③競技会
①は生豆商社やロースターが買付ける生豆に対して、②はお客様へ提供する商品に対して、③は焙煎競技会などで提出された焙煎豆に対して評価を行うためにカッピングを用いています。
それぞれシーンによって意味合いが大きくことなり、重要になる評価項目もあるのですが、今回は①生豆買付け時のカッピングに関してご紹介していきます。
コーヒーカッピングのやり方|基本手順を時間経過ごとにご紹介
まずは基本的なカッピングの方法をおさらいしましょう。
簡単にまとめると下記の通りです。
カッピングの手順
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①カッピングカップに豆を計量し中挽き〜中粗挽き程度で挽く
②〈ドライ〉で粉の香りを確認する
③タイマースタートと同時に沸騰したてのお湯をカップの縁ギリギリまで注ぐ
④タイマー1分経過したら、お湯を注いだ順番でアロマを嗅ぐ〈クラスト〉
⑤4分経ったらお湯を注いだ順番で<ブレイク>
⑥上澄みを取り除き、口に含んで各評価項目の確認・評価を行う
簡単な手順にはなりますが、各手順やカップの温度帯によって評価しやすい項目や目的が分かれてきます。
お湯を注いでからの時間経過ごとに、どの項目を評価していくのか、意識を持ちながら口に含み確認していくことが重要です。
〈ドライ〉と〈クラスト〉は生豆評価時はあくまでも第一印象としてネガティブなものがないかを確認します。
ここで具体定なコメントがつけられることは少ないですが、どちらもお客様が最初に感じる香りの項目になるため、この時点でマイナスな評価がある場合は買付けを行いません。
また、温度帯によっての味の感じやすさはカッパーによりそれぞれ違います。お湯を注いでから8分経過ごろから開始する人もいれば、14分程度から開始する人も。
液体の熱さの感じ方も人それぞれなので、最初はあまり熱くない10〜12分程度からカッピングを開始することがおすすめです。
やけどに注意しながら、ご自身にあった温度帯を探してみてください。
では、お湯を注いでからの時間経過ごとに、確認しやすい評価項目などを確認していきましょう!
●タイマースタートから10分経過
まずはじめに、高い温度帯では主にフレーバーと酸の印象を確認していきます。
よく高い音を立てて「ヒュッ」と吸い込む場面があると思いますが、あれは勢いよくコーヒーを吸い込むことで、口の中で液体を飛沫状にするため。そうすることで鼻から香りが抜け、フレーバーを感じやすくなります。
温度が高いとフレーバーや酸の明るさを感じやすいため、できるだけ全カップ取り、何らかの印象をスコアシートに記載します。
●タイマースタートから13分経過
少し温度が下がったら、コーヒーの持つ甘さの印象を確認していきます。
ロースター萩原の場合は、ここで勢いよく吸い込むのではなく、飲むように口に含んで印象を確かめることが多いそうです。
また、甘さの観点はTHE COFFEESHOPで買付けを行う場合、特に重要視している評価項目になります。
『No Suger, But Sweet.』というコンセプトに沿い、お客様がご購入の際の安心材料にしていただくためにも、買い付ける豆に<甘さ>という一貫した条件を持たせることが、ロースターに取って重要であると考えているためです。
●タイマースタートから16分経過
このあたりでは主に口当たり(マウスフィール)の評価を行います。
甘さの評価時同様、静かに口に含み転がすようにして確認することが多いそうです。
●タイマースタートから19分経過
アフターテイスト・バランスの項目評価に移ります。
ここで難しいのは〈バランス〉の評価。これまでの酸・フレーバー・甘さ・口当たり・アフターテイストは『質』に着目して評価しますが、それらの項目の強弱や長短を考慮して評価をつける必要があるからです。
スペシャルティコーヒーにおいて、個性があることはもちろん大事ですが1杯のカップにした時に、最後まで美味しく飲みきれる必要があります。
何かの要素が突出しすぎている、あるいは欠陥していると、カップにした時に最後まで美味しく飲むことが困難になります。
●タイマー22分から23分経過
これまで確認した各項目の最終評価を行う段階です。
温度が下がった時に、ネガティブな味わいに変化していないかを確認していきます。
ここで指すネガティブな味わいは、温度の高い時に明確に感じられたフレーバーや酸味の印象が曇ったり、ぼやけてしまっていないか、口当たりにザラつきがでていないかを指します。
クリーンカップという評価項目になりますが、この項目が悪いといくら温度が高い時に美味しかったとしても買付けは行いません。
この時間帯まで美味しく飲める、かつTHE COFFEESHOPのコンセプトと合ったコーヒー豆を選びます。もちろん価格と品質とのバランスも考慮して、最終的に買い付ける豆を決定していきます。
クリーンカップの重要性については下記の記事もご覧ください。
粉とお湯の比率|カッピングをやってみよう
ご自宅でカッピングをやってみたい!そんな時にカッピングボウルがあれば一番簡単ですが、用意がない場合もあると思います。
コーヒー豆(粉)とお湯の比率は〈粉1:お湯 16.6〉がカッピングの基本です。
容量のあるカップを用意して、ぜひご自宅でもカッピングを楽しんでみてください。
お湯を注ぐ時にスケールに乗せる必要がありますが、お湯を注いだ後は容器が熱く持てなくなる場合もあるので、注意してくださいね。
THE COFFEESHOPではCOE審査の場でも使用される規格と同じオリジナルカッピングボウルと、オリジナルロゴ入りスプーンも販売しています。
気になる方は下記ONLINE STOREをチェックしてみてください!
まとめ
今回は生豆買付け時に行うカッピングについて解説していきました。
こちらの内容は動画で実際にカッピングしながらご紹介しているので、よろしければご覧ください!
専門的な内容ではありますが、ご自宅でも再現しやすく、よりスペシャルティコーヒーの楽しさや難しさも感じていただけるのがカッピングだと思います。
THE COFFEESHOPでも今後パブリックカッピングの機会が増やせればと試行錯誤中です。お楽しみに!
WRITER
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Mayuka Jimbo
THE COFFEESHOPバリスタ・ストアサブマネージャー。
富ヶ谷のロースタリーROAST WORKSにてドリンクを提供。フードペアリング担当。レシピの改善や、抽出技術の向上に日々取り組んでいる。
毎週日曜8:45〜はInstagramとYouTubeで15分間のライブ配信中!
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