コーヒーの味を”見える化”!豆カードの見方を徹底解説!コーヒー店での注文にも役立つ基本知識(酸、甘さ、フレーバー)

2025.12.12
SHERE

THE COFFEESHOPではコーヒー豆・ドリンク問わず、ご購入いただいたお客様に豆カードを配布しています。

豆の産地・農園・標高・品種・味わいなどを文字で表していますが、カード下側にはチャートでも味わいを表記しているんです。

このチャートの見方に関して、ご質問をいただく機会があったので解説記事を書いてみました!

みなさんの参考になると嬉しいです。

コーヒーの味をわかりやすいチャートで表示

THE COFFEESHOPの豆カードに描かれたチャートは、コーヒーの味を構成する3つの要素でできています。

・Acidity(酸)
・Sweetness(甘さ)
・Flavor(フレーバー)

この3つはコーヒーを評価するときに欠かせない要素。

どれも項目をより細分化し5種類の具体例を記載しています。

どの味が強いか控えめか。というだけでなく、どの部分を抽出できれば美味しく飲めるかの指標にもなりえる項目です。

またチャートのバランスがコーヒーの“個性”も表しています。

たとえば上記のチャートでは、フレーバーと甘さの質の両方で「チョコレート」「キャラメル」系が強く、酸の質は控えめなシトラスタイプに分類されています。

ここからわかるのは、抽出したときにどの要素を味や香りとして感じやすいかということです。

このコーヒーの場合、酸味は穏やかでスッキリとした印象を持ちつつ、香りや甘さの軸にチョコレートやキャラメルのような濃厚さがあるように見えます。

そう考えると、「香りと甘さを最大限に引き出す抽出」が美味しさのポイントかもしれません。

たとえばお湯の温度を少し下げてみることで、角の取れた柔らかい印象に仕上がる可能性があります。

このようにチャートは数値を見るだけのものではなく、コーヒーの“味の特徴”を視覚化したツールで、いわば地図のような使い道ができます。

味わいの方向性を理解したり、自分の好みに合う淹れ方を探したりするための“ナビゲーション”として活用してみてください。

酸味だけ強かったり…甘さだけが弱かったり… 時には味が偏ることもコーヒーの魅力

「チャート内の数値が低い=美味しくない」ではない

ここで一番伝えたいのは、チャートが低いからといって決して悪いコーヒーではないということ。

チャートが大きい=味が濃い、派手というわけではなく、

数値は小さくても、全体的に広がりがあり調和しているチャートはバランスがいい・落ち着いているという魅力があります。

繰り返しになりますが、チャートは「良し悪し」ではなく方向性を示すもの。

どんな形でチャート上にあったとしても、コーヒーの“個性”が詰まっていると思います。

「偏りがある=まずい」でもない

上記の解説を見て「じゃあチャートの一部分に分布が偏っていたら、味のバランスが悪いのでは?」と感じる方もいるかもしれません。

実際に浅煎りや特殊精製のコーヒーでは、チャートの形が大きく偏ることがあります。

ですが、それは“美味しくない”という意味ではありません。

むしろその“偏り”こそが、コーヒーのキャラクターを表していることがほとんどです。

スペシャルティコーヒーの魅力は、"その豆ならでは個性"にあります。

チャートに個性が出るほど、新しい味わいに出会えるチャンスだと捉えてみていただきたいです。

たとえば上記のチャートでは、フレーバーは「フルーツ」、酸の質は「シトラス」、甘さの質は「シュガー」「ハニー」に寄っています。

この「寄り方」からは、全体的に爽やかでジューシーな印象を持つコーヒーであることが読み取れるはずです。

・フレーバーでチョコレートやナッツが低ければ、よりフルーツ感がクリアに出やすい

・酸の質でグレープやベリーが低くシトラスが高ければ、柑橘のような爽やかさが感じられる

こうした偏りを手がかりにして、「湯温を少し高めて明るい酸を活かしてみよう」・「抽出を短めにしてフルーティーさを残してみよう」など、チャートをヒントに自分なりの淹れ方を試すことができます。

「いま飲みたいコーヒー」が言語化できるようになる

チャートを読み解けるようになると、きっとコーヒーの楽しみはもう一段階広がるはずです。

たとえば、

「今日は疲れてるから、甘さが中心のコーヒーにしよう」
「朝は酸が明るいタイプでリフレッシュしたい」

こんな風に、味の感覚を言葉で把握できるようになると、日常的にコーヒーを選ぶのがぐっと楽しくなります。

さらにカフェに行ったときも、チャートを通じてバリスタと会話がスムーズに運ぶはずです。

チャートに着目して、”こういった味のコーヒーが好きなんです”と伝えれば、必ずおすすめのコーヒー豆を紹介してくれると思います。

THE COFFEESHOPの豆カードチャートは、あくまで目安です。

でも、そこにある“感覚”を読み取ることでコーヒーの輪郭が見えてきます。

また、自分なりにチャートを描いてみるのもおすすめです。

THE COFFEESHOP豆カードの項目を参考にしてもらってブラインドでテイスティング、実際の豆カードと答え合わせをしてみるのも楽しいですし、感覚を養うことにもなります。

「このコーヒーの酸はどの種類でこんな強さだな」
「甘さはしっかりあるけど、チョコレートじゃなくシュガー系だな」

思ったままに描いてみて、実際の評価と合っている時はなんだかワクワクするはず。

今回の解説がみなさんの興味のきっかけになれたら嬉しいです!

WRITER

Mayuka Jimbo

THE COFFEESHOPのMAGAZINEコンテンツ、オンライン担当。

スペシャルティコーヒーの知識だけでなく、レシピの改善や、抽出技術の向上にも日々取り組んでいる。

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