【コーヒー×スイーツ】もっと”美味しく”もっと”楽しい”フードペアリング|オリジナルブレンドコーヒーでの事例をご紹介

2025.06.06
SHERE

コーヒーとスイーツなどを合わせるフードペアリング。

組み合わせの例は無限大なので、何がどう合うのかわからなくなることが多いと思います。

スペシャルティコーヒーも、それに合わせる食べ物も、1つずつすでに味が完成していることがほとんどなので、組み合わせが合わないとそもそものいい味を壊してしまうことも。

そこで今回はコーヒーのペアリング時に気にしていただきたい、〈味の複雑性の相性〉に焦点を当てて、実際のペアリング例を挙げていきたいと思います。

最後までご覧いただけると嬉しいです!

コーヒーとスイーツ、美味しく組み合わせるコツは「味の複雑性」を知ること

フードペアリングの時に着目していただきたいのは、コーヒーと組み合わせるフード、それぞれの味の複雑性です。

スペシャルティコーヒーの場合、その味わいをカップコメントで表現しますが、抽出方法によってどの味わいが優位に感じるのかや、後味の印象に大きな変化をつけることができます。

例えば

『甘酸っぱいラズベリーやアプリコット、オレンジ、ほのかにキウィ、くるみのような風味。

さらりとした質感で、キャラメルのような甘さがあります』

のようなコメントがあるコーヒーを、ハンドドリップで淹れると酸味と甘さの層が厚くなるように感じ、後味も長く続くコーヒーに仕上がり、フレンチプレスで淹れるとよりフレーバーが際立った軽いコーヒーに仕上がる傾向が強いです。

どちらが美味しいのかは好みになりますが、感じる味わいが違うという意味で、上記の例ではハンドドリップの方がより味の複雑性が高いと言えると思います。

「味の複雑性」は組み合わせ次第で「奥行き」となる

例えば、フレーバー優位で味全体が軽く感じるコーヒーを、複雑な風味を持ったフードと合わせると、必ずどちらかが負けてしまい、よさを失ってしまうケースが多いです。

似たような味の印象を組み合わせること、コーヒーとフードの食感も大きな乖離がない方が、相乗効果で新しいペアリングを見つけやすくなります。

また、ストロベリーチョコレートなどのようにすでにあるスイーツを、ベリー系のフレーバーを持つコーヒー✖️ミルクチョコレートの組み合わせで味を再現することもできると思います。

選択肢が多いからこそ、上記のような観点を持っておくと、ペアリングの幅を広げつつ、あまり失敗しないようになるはずです。

Dark Mix でペアリングしてみる|オリジナルブレンドコーヒーでのペアリング事例①

THE COFFEESHOPの創業以来、人気の根強い深煎りのブレンドでコーヒーらしい苦味としっかりとした甘さを感じることができます。

いわゆるTHE コーヒー!といった味わいなので、老若男女問わずご購入いただくことが多いコーヒー豆です。

今回は味の奥行きに一番差が出やすい、ハンドドリップとフレンチプレスでそれぞれに合うフードペアリングを考えてみました。

スイーツはどちらもチョコレート菓子に縛り、それぞれの味の相性を見ていきたいと思います。

①ハンドドリップで抽出

クッキーサンド

サクサクしたクッキーに、シングルオリジンのカカオ豆を使用したチョコレートが挟まっているお菓子です。

ハンドドリップで淹れたDark Mixを合わせると、スイーツ単体で食べた時の特徴だった爽やかな後味がなくなり、苦味の残る後味に。

コーヒーの持つ味わいの奥深さに、スイーツが負けてしまいました。

チョコようかん

スイーツ単体で感じた、洋酒のような香りがコーヒーと合わさり、より複雑性のある立体的な味わいになりました。

甘さのしっかりしているようかんの後味を、コーヒーの苦味が合わさるといい意味ですっきりした印象にしてくれます。

スイーツ単体だと少し単調に感じる味が、コーヒーの複雑さが加わることで、味全体が立体的に感じるペアリングです。

②フレンチプレスで抽出

クッキーサンド

このスイーツの特徴である、爽やかな柑橘系の香りが後味に引き立つ組み合わせになりました。

同じダークミックスですが、フレンチプレスで抽出することでフレーバーを感じやすくなり、チョコレートの爽やかさを邪魔しない結果になったのだと思います。

チョコようかん

合わないわけではなかったですが、ハンドドリップで抽出したコーヒーを合わせた時よりも後味が短く、少しフラットな味わいになってしまいました。

スイーツのしっかりした甘さが勝っていて、コーヒーの良さはあまり感じられないペアリングになった印象です。

味の広がり方は、ハンドドリップで抽出したコーヒーを合わせた時の方が圧倒的に感じられました。

Light Mix でペアリングしてみる|オリジナルブレンドコーヒーでのペアリング事例②

こちらも定番のブレンドで、Dark Mixよりも少し浅い中煎り程度に仕上げています。

ベースにブラジルのコーヒー豆を使用するため、非常にバランスの取れた味わいで、デイリー用のコーヒーとして人気です。

ハンドドリップとフレンチプレス、それぞれで抽出し同じフードを組み合わせて味の比較を行いました。

甘いスイーツではなく、スパイス系のスナック菓子で挑戦です!

①ハンドドリップで抽出

パスタスナック(ブラックペッパー)

ブラックペッパーとピリッとした味を、コーヒーの甘さが引き立てるようなペアリングになりました。

コーヒーが全体的にマイルドに、口当たりは少ししっかり目に抽出できる分、お菓子のカリッとした固さにも負けない印象があります。

後味のインパクトを感じたペアリングでした。

おかき(カレー風味)

お米の風味と味付けに使われているカレーパウダーのベジタブル感が、コーヒーの甘さとあまり合いませんでした。

ペアリングで感じたい味の相乗効果が感じられず、ひっちゃかめっちゃか感が否めません。

②フレンチプレスで抽出

パスタスナック(ブラックペッパー)

お菓子がブラックペッパーの風味がメインで複雑性にはかけるため、さっぱりしたフレンチプレス抽出のコーヒーを合わせると悪い意味で普通でした。

ハンドドリップよりも酸味をメインに感じるコーヒーなので、ペッパーのスパイシーさと喧嘩してしまう印象です。

口当たりは同じように軽い印象の2つでしたが、酸味とペッパーの相性があまりよくありませんでした。

おかき(カレー風味)

こちらは打って変わって先ほど違和感だったベジタブル感と、コーヒーの酸味が高相性でした。

おかきのふわっとした軽さと、コーヒーの口当たりの軽さも上手くマッチしていて、ハンドドリップで感じた相性の悪さはありません。

後味もこちらの組み合わせの方が長く感じました。

もっと”楽しむ”には|合わせたいおやつによってコーヒーの抽出方法を変える

ここまで2パターンの抽出方法で2種類のコーヒー豆をそれぞれ抽出し、同じフードを組み合わせて味の印象が違うのかみてきました。

結果、同じコーヒー豆であっても、抽出方法が異なるとかなり相性に影響が出てくることがお分かりいただけたと思います。

もちろん大前提として味の大枠で合う・合わないはありますが、一度〈これ合うと思ったのになんか違ったな〉というペアリングになった場合、コーヒーの抽出方法を変えて味の複雑性のバランスを見直してみてください!

今回ペアリングに使用したフードは全て無印良品で購入可能です。

オンラインストア・実店舗に限らず取り扱いされているようなので、ご興味ありましたらご自宅でも試していただけると嬉しいです。

下記の畠山さんのインタビュー動画でも、ペアリングについて伺っています。

スイーツが大好きだからこそのお話しもあるので、こちらもぜひご覧ください!※動画公開され次第リンクいれます!

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WRITER

Mayuka Jimbo

THE COFFEESHOPバリスタ・ストアサブマネージャー。

富ヶ谷のロースタリーROAST WORKSにてドリンクを提供。フードペアリング担当。レシピの改善や、抽出技術の向上に日々取り組んでいる。

毎週日曜8:45〜はInstagramとYouTubeで15分間のライブ配信中!

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