スペシャルティコーヒー飲み比べ!カッピングをやってみよう!
THE COFFEESHOP PRESENTS ” スペシャルティコーヒー女子応援プロジェクト! ” 第四回目の本日は、『カッピング』に挑戦していただきました。
《スペシャルティコーヒー女子応援プロジェクトとは》
まったくのコーヒー初心者から、スペシャルティコーヒーの美味しさ、楽しさ、奥深さを知り、やがて独り立ち(大げさ)していくまでを追ったドキュメンタリー。THE COFFEESHOP のロースター萩原が指導を担当。全力でサポートさせていただきました。
*この記事は、Youtubeチャンネルにて公開した動画『#4 カッピング<スペシャルティコーヒー女子応援プロジェクト!初心者編>』の内容を文字起こし、記事用に一部脚色したものです。
▼萩原
前回、コーヒーの品質がどのように決まるのか、スペシャルティコーヒーってこういうものですよ、というお話をさせていただきました。今回は、その中で登場した『カッピング』というものを、一緒に体験してもらいたいなと思います。
作法とかやり方も踏まえてご説明しますので、ぜひ覚えてもらえたら嬉しいです。
▽西本
はい!お願いします!
3種類のコーヒー豆を用意|まずは見比べてみる
▼萩原
今回は3種類の豆を用意しました。
ブラジル・カクエンジ農園の豆と、ホンジュラス・モンテシージョのナチュラル製法の豆、あとエチオピアのコンガ農協のウォッシュトプロセスの3種類ですね。こうして豆の状態で見てもらうと、結構粒の大きさとか違うのわかりますか。
▽西本
確かに、言われてみると違うなって思います。エチオピアは、結構粒が小さいですね。豆、こんなにまじまじと見るの初めてです。
▼萩原
エチオピアの豆は小さいものが多くて、土地柄でそうなるみたいですね。
で、この後。いよいよカッピングしていくわけですが、それにはまずこの豆を挽かなければなりません。いわゆる中挽きっていう挽き目に挽いていきます。
そして、そこにお湯を注いで4分待って、という風に進んでいきます。順を追って説明していきますね。
▽西本
中挽き以外は何挽きがあるんですか?
▼萩原
もっと粗く挽く場合は粗挽き、もっと細かい時は細挽きのような言い方をしますね。淹れ方によって挽き目は変わるんですけど、カッピングの場合は大体中挽きにすることが多いですね。
挽き豆の香りをチェック|ドライ
▼萩原
挽いた粉の状態になったら、鼻を近づけて香りを嗅ぎます。ここから既にカッピングの工程に入ってますからね。
▽西本
はい!
まだ比較対象がないからよくわかんないですけど、コーヒー(液体)で嗅ぐよりも、匂いが濃い気がします。
▼萩原
そうですね。コーヒーは液体になってからよりも、豆から挽いたタイミングが、一番香りが出るんです。カッピングでは、この工程のことを『ドライを取る』と言います。
それぞれ3つ、嗅いでみてください。3つの香りが違うのはわかります?
▽西本
違うってことだけは、わかります。最後のやつが一番違う気がします。
▼萩原
最後のがエチオピアの豆ですね。華やかな感じでしょ。
▽西本
そう!華やかです!
▼萩原
ブラジルは結構落ち着いてる感じの香り。ホンジュラスは、ナチュラルプロセスっていう製法なので、これは変わった匂いかと思います。ちょっとスパイスみたいな。エチオピアは、華やかな紅茶みたいな感じですね。
お湯を注いで香りをチェック|クラスト
▼萩原
では続いて工程に移りましょう。ここにお湯を注いで4分間待ちます。その4分間待ってる間に、粉から成分が溶け出してきます。
沸騰したてのお湯をを注いだら、タイマーで4分間スタートします。
お湯を注いだら、またこの表面に鼻を近づけて、またちょっと香りを嗅いでみてください。これは、「クラスト」って言います。さっきのはドライで、今度はクラスト。さっきより甘い香りが感じられます。
▽西本
いい匂いしてきました!なんかさっきは、ガツーンて効いた気がしたけど、こっちの方がふわーっていう感じの香り方ですね。甘い香りがします。
ドライよりも、こっちで嗅ぐ方が私は好きですね。ずっと嗅いでいられる…優しい感じです。
▼萩原
4分経ったら、お次ははブレイクという工程に入ります。今、この上の方にコーヒーの粉の層ができてるのわかります?いまそれで蓋をしている状態です。この層をスプーンを使って破ってもらいます。スプーンを入れたら、底までつけて3回混ぜていきます。
表面の粉の膜が破れて、その時に香りが一番立ち上るので、鼻を近づけながら、ブレイクをやってみてください。
撹拌して立ち上がる香りをチェック|ブレイク
▽西本
初ブレイクいきます!
さっきよりもこの匂いの方がいい!香りがよりしっかり感じられますね。
飲みたいって思いました!さっきのはまだ豆って感じだったけど、こっちはコーヒーの匂い。3つの違いもよくわかります。
▼萩原
ブレイクが終わったら、上の方にまだアクが残ってるので、これを取ってもらいます。このアクを取ると、コーヒーの液体が顔を出してくるので、やっとここから本番ですね。
で、いままだ熱々なんですが、お湯を注ぎ始めてから、大体8分から10分くらい経つと、飲めるくらいの温度になってくるので、それくらいまで待ちます。
カッピングのお作法
▼萩原
カッピングのお作法なんですが、まず1つのコーヒーにスプーンを入れて飲んだら、必ず洗い用の水でスプーンを洗って、水気を切ってから別のコーヒーに入れるようにしてください。
このまま入れちゃうと味が混ざってしまって、コーヒーの味がわからなくなってしまうので。必ず水洗い用の水で洗ってから、水気を切って、別のカップへ。
あとは、飲んだ時に、感じたこと、何に似てるなとか、自分の言葉でいいので、感想を表現してみること。それが正しい正しくないは関係ないので、自分の言葉で何かしら口に出してみる。というのが、カッピング上達の近道です。
では、やってみましょう。ではまずブラジルから。大体スプーンの半分からちょっとくらい。スプーン半分ぐらいで口の中に。そして、感想を言ってみてください。
▽西本
んーと。香ばしい。香ばしくて、結構匂いが強い。コーヒーっぽい感じの匂い。結構オーソドックスで、クセが少ない気がします。
▼萩原
そうですね。ブラジルは結構そういうお豆が多いですね。
それではホンジュラスもいってみましょう。どうぞ。
▽西本
あ、酸っぱい。さっきよりも酸っぱい気がします。酸味がある。酸っぱさと甘さが強い気がします。
▼萩原
なるほど。じゃあ最後、エチオピアも飲んでみましょう。
▽西本
さっきのフルーティーな…フローラル?お花みたいな後味がする。お花と…ちょっと酸っぱい?気がします。
3つとも違うのはよくわかりますね。こことここが違うなっていうのはわかりました。
産地や生産方法で変わるコーヒーの味
▼萩原
今日並べた3つは、それぞれ結構特徴がある豆をあえて選んでみました。違いを感じてもらえてよかったです。笑
ブラジルは比較的落ち着いた味の豆が多くて、ナッツ系とか、チョコレートとか。そういった親しみやすいフレーバーがあります。あとは、ちょっとパッションフルーツみたいな。そういう南国っぽいフルーツの感じもありますね。
そしてホンジュラス。中米もコーヒー作りが非常に盛んで、その中でも代表的な国の1つですね。これは、国の特徴の1つでもあるんですけど。ナチュラルプロセスっていう、果肉がついたまま乾燥させて、脱穀して種を取り出すっていうやり方をしてるのが、この豆になります。
果肉つけたまま乾燥させてるので、よりその果肉の味が豆に移ると言われていて、すごく個性的でスパイシーな感じだったり、それこそフルーティーな感じだったり、果実の甘さが残ってたりとか、複雑で特徴的な味がしますね。
▽西本
フルーツ感であったり、スパイシーであったり、それぞれに個性があるんですね!製法で変わるというのも驚きです。
▼萩原
製法でもかなり変わりますね。ちなみにこのブラジルも同じナチュラルプロセスなんですけど、最後のこのエチオピアは、ウォッシュトプロセスっていうまた違う生成の仕方になります。水を使って発酵させて洗い流すので、ナチュラルよりよりスッキリした味わいになるのが特徴ですね。
▽西本
たしかに。エチオピアは、味がスッキリしていた気がします。スッキリしたコーヒーが好きな人は、ウォッシュトプロセスの豆を選ぶといいかもしれないですね。
▼萩原
エチオピアはスペシャルティコーヒーの中ではすごくメジャーなお豆で、フルーティーだったり、ベリーみたいな果実味が出るのが特徴ですね。
▽西本
国によって味が違うのは、気候とかですか?
▼萩原
そうですね。気温だったりとか、標高だったりもそう。あとは土壌。土の質によって味が変わったりっていうのが凄く大きいですね。
それから、さっきの生産処理のやり方も、国によって伝統的なやり方があったりとかするので、そういうので味の違いがでます。
飲む温度帯でも変わるコーヒーの味
▼萩原
カッピングは、実際には30分とか1時間とか時間をかけてやります。今まださっき入れたばかりなので、熱いと思うんですけど、熱いうちはフレーバーだったりとか、香りがわかりやすい温度帯ですなので、最初は香りを重点的に取っていきます。
そこから時間が経って温度が下がってくると、今度は甘さがわかりやすくなってきますので、そこを狙って味を味を見ていきます。
▽西本
時間、というか温度で感じ方がかわるんですね。コーヒー自体の成分が変わっているんですか?
▼萩原
変わりますね。品質の高いコーヒーは、冷めても不味くならないっていうのが非常に大切です。
コンビニとかでコーヒー買った時に、冷めたコーヒーって進まなくなる経験ありますよね?スペシャルティのコーヒーだと、冷めた時に印象が悪くならないっていうのも、非常に大事なチェックポイントです。なので、冷め切ってからでも味を見続けて評価します。
そこまで含め、いろんな項目に点数をつけていって、80点以上を取ったものがスペシャルティって言えるわけです。
まとめ
▼萩原
とまあ、これがカッピングの一連の流れになりますが、いかがでしたか?審査とか点数付けとかに縛られず、飲み比べくらいの気軽なものとして、楽しんでもらえたら良いかと思います。
自分はこういうのが好きなんだなっていうのが、わかる機会になればいいですね。ご自宅でやるのも楽しいかもしれないですが、いろんなコーヒー屋さんでカッピング会とか開いてるので、そういうところに行ってみるのも楽しいかもしれませんね。
▽西本
とても楽しかったです。いろいろ知れて、面白いですね。お作法も覚えましたし、また参加してみたいと思います。
WRITER
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THE COFFEESHOP
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