2019/2020ニュークロップ買い付け!中米ホンジュラス探訪記【vol.4ドライミル紹介:チョアカパ】
2020年の始めに訪れた中米ホンジュラスへのニュークロップ買い付けトリップ。vol.4では、コーヒー生産の最終工程を行う重要施設、ドライミルの様子をご紹介します!
チョアカパ(Choacapa)ドライミル
チョアカパ・ドライミルがあるのは、初日に訪れたホンジュラスコーヒーの中心地、マルカラ。周辺には農園や他のミルも点在し、今回のトリップのコーディネーター・ロニーのオフィスもあります。
チョアカパ・ドライミルへは、マルカラの中心地から車で約15分。
マネージャーを務めるディマス・クラロス氏と、息子のアントニオ君が出迎えてくれました。このドライミルは、彼らとその他中規模生産者が運営しています。
ドライミルとは、農園からパーチメントコーヒー(生豆に薄い殻が付いたような状態)を集めて、出荷できる生豆に加工する施設のこと。一般的にコーヒー精製の過程では、このパーチメントコーヒーの状態で乾燥・水分量の調整が行われ、出荷直前のタイミングで脱穀し、生豆となって消費国へやってきます。
大きな農園では、自分たちでドライミル設備を持っている場合もありますが、小中規模の生産者はパーチメントコーヒーの状態でチョアカパのようなところに持ち込むことが多いです。チョアカパには巨大なコンベアや脱穀機、選別機などが揃っており、エクスポーターとしても機能。マルカラ近辺のみならず、ホンジュラス国内の様々なエリアからコーヒーが集まり、ホンジュラスのコーヒー産業において非常に重要な役割を果たしています。
ドライミルでは、単にパーチメントの脱穀だけではなく、異物や欠点豆を取り除く最終選別も大切な役割。スクリーン選別や比重選別、今年からは電子選別も導入されています。最終的には人の手によるハンドピックを経て、商品として出荷されます。
チェリーから果肉などを取り除いた直後の状態を「ウェットパーチメント」、それを乾燥させ、水分量をある程度整えたものを「ドライパーチメント」といいます。ここでは持ち込まれたドライパーチメントの最終選別〜脱穀〜出荷がまで一貫して行われているほか、一部ウエットパーチメントの受け入れもしています。
また、チョアカパにはウエットミル(チェリーからパーチメントコーヒーへ加工する施設)も併設。小規模な生産者達からはチェリーの状態で持ち込まれることもあり、その場合にはチェリーの乾燥から輸出までを一貫して行います。
スペシャルティコーヒーの生産について語るとき、農園について取り上げられることが多いですが、ドライミルもコーヒー生産者の一人として、大切な役割を果たしています。彼らも農園と同じように、農業技師であるロニー指導の元、品質の向上に真摯に取り組んでいます。
また、アントニオ君を始め若い世代は、カッピング技術の向上を目指し、ロニー主催のカッピング会に積極的に参加しているとのこと。次代の育成もしっかりと行われているホンジュラスコーヒーの今後、さらに楽しみです!
人懐っこいアントニオ君。今年のSCAJで東京案内する予定でしたが、あえなく中止で残念…また来年!
さて、vol.4までお届けしてきたホンジュラス探訪記。ここまでどんな風にスペシャルティコーヒーが作られているのかをお話してきましたが、vol.5ではいよいよ買い付けを決定するカッピングの様子をご紹介したいと思います!
どうぞお楽しみに!
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