微粉を取り除くとコーヒーの味はどう変わるのか|フルイにかけて検証

2017.08.01
SHERE

グラインダーでコーヒー豆を引いた際、どんなに優秀なグラインダーを用いても微粉の混入は避けられません。今回はこのコーヒー豆微粉が、抽出の際にどんな影響をもたらしているのかを検証していきます。

実験方法

・コーヒー豆をグラインダーで挽く

・挽いた粉をフルイのかけ、微粉を取り除く

・ペーパードリップで抽出し、味の違いを確認する

今回使用したフルイは、東京スクリーンさんのJIS規格ステンレスフルイです。メッシュサイズ355ミクロンと500ミクロンの2種類で実験してみました。

コーヒー粉をフルイにかける

では早速、フルイを用いて微粉を取り除いていきます。使用豆は ブラジル パッセイオ です。

微粉がどのくらい取れるかも確認するため、ふるう前に重さを測ります。

  • いざ。

  • シャカシャカ。

こちらがフルイ上に残ったコーヒー粉。

そしてこちらがフルイ下に落ちたコーヒー微粉です。

重さを測ってみると、

355ミクロンフルイ:

全量の約10%が微粉として除去

500ミクロンフルイ:

全量の約15%が微粉として除去

されていました。

左が355ミクロンのフルイ上。右が500ミクロンのフルイ上。

肉眼での違いはわかりません。

微粉を除去したコーヒーを淹れてみる

フルイ上に残ったコーヒー粉で抽出して違いを見ていきましょう。

抽出時の微粉の影響を検証したいので、カップに微粉が残りにくいペーパードリップにて抽出していきます。

抽出時の違いは

比較のためフルイにかけていないものも合わせ、3つを並べて抽出しましたが、このときの違いとして、湯が落ちきる時間が異なりました。

湯の注ぎ終わり時間を固定し、ドリッパー内の湯が落ちきるまでの時間は以下の通りです。

フルイなし:2分57秒

355ミクロンフルイ:2分53秒

500ミクロンフルイ:2分38秒

500ミクロンフルイは除去された微粉が多く、フルイ上に残るコーヒー粉のサイズがより統一された状態になっているため、湯通りがよく感じられました。

味や風味の違いは

続いて、味や風味の違いを見ていきましょう。結果は以下の通りです。

フルイなし:

バランスがよく、甘いフレーバー。

しっかりとしたボディで、滑らかな質感。

355ミクロンフルイ:

フレーバーがより明るく感じられるようになる。

雑味のないクリアな質感。

500ミクロンフルイ:

フレーバーは明るく、非常にクリーンな味わい。

後味もスッキリ終わる印象。

まとめ

総評として、微粉を除去することで、ボディ感が軽くなり、よりクリーンで明るい印象に変化しました。

念のため、どちらが良質かということではありませんので悪しからず。どちらが良いかはそれぞれの好みです。

ただし、500ミクロンフルイの場合、通常のレシピでは軽さが際立ってしまうため、レシピ自体を変更する必要があると感じました。

また、今回は抽出のみの影響を判断するため、ペーパードリップにて検証しましたが、メタルフィルターやフレンチプレスの場合も気になるところなので、また次の機会に試してみたいと思います。

500ミクロンフルイの場合は、フレンチプレスの方がいいかもしれませんね。コーヒー粉のサイズがより統一されていることで抽出にムラが起きにくく、また微粉がないことで舌触りもより良くなるはずです。

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