エアロプレス レシピ考察|豆の挽き目とコーヒーの風味

2016.10.28
SHERE

ブリュワーズカップなどでもよく使用されるコーヒーの抽出ツール『AERO PRESS – エアロプレス』。THE COFFEESHOP でも度々抽出レシピなどを紹介していますが、さらに深掘りしてみようという今回の企画。同じレシピにて抽出した場合、豆の挽き目だけを変えてみるどうなるのでしょうか。見ていきましょう。

エアロプレスに関するおさらい

エアロプレスは、エアロビー社が開発したコーヒーの抽出器具です。コーヒーの粉を湯になじませて一定時間置き、その後人力で圧をかけて抽出をしていくという方法をとります。

ブリュワーズカップなどの競技でも多く使用され、THE COFFEESHOP の店頭メニュー(セレクトコーヒー)でも人気の抽出方法です。

エアロプレスに関する記事ですが、過去にたくさん書いておりますので、合わせてお楽しみください。

THE COFFEESHOP でのコーヒー豆の挽き目について

さて、前回の検証では、

・同じ豆

・同じ挽き目

・同じ抽出レシピ

にて、フィルターだけを変えて調査しました。

今回は、

・同じ豆

・同じフィルター

・同じ抽出レシピ

にて、豆の挽き目だけを変えて、出来上がりのコーヒーの違いを見ていきます。

THE COFFEESHOP で使用しているコーヒーグラインダー

THE COFFEESHOP では、ditting 804 シリーズを使用しています。グラインダー目盛と、挽き目のイメージは以下の通りです。

上から順に、9番(粗挽き)、7番(中粗挽き)、5番(中挽き)です。

豆の通販ページで選択できるフレンチプレス用が9番、金属フィルター用が7番、ペーパーフィルター用が5番になります。

挽き目を変えると出来上がるコーヒーはどう変わるのか

では、本題に入っていきます。今回は、同じコーヒー豆、同じフィルター、同じレシピで、豆の挽き目だけ変えてみるという実験です。

使用したコーヒー豆

前回の検証と同様、ケニア – キアマバラを使用しました。

キアマバラ・ファクトリーは、ケニアの優良産地ニエリ地区の標高1,600mに位置しています。 1980年代初めに設立され、近隣生産者のコーヒーチェリーを生産処理しているファクトリーです。キアマバラ・ファクトリーでは生産者に農業指導支援などを行い、長期間に渡る目標として、生産者が適切な農業実践をすることによる生産量の増加を掲げています。

カシスやブラッドオレンジ、グレープの風味。ジューシーな質感で、明るく複雑なアシディティ(酸味)。ブラウンシュガーのような甘みがあり、後味も長く続くのが特徴です。

出来上がったコーヒーはこちら

抽出レシピは前述リンクのレシピ通り。フィルターは、able brewing のステンレス製スタンダードフィルターを使用しました。出来上がったコーヒーやいかに。

こちらはコーヒーの液体表面の写真です。写真ではわかりにくいかもしれませんが、やはり挽き目が細かいほど微粉が多く見えました。オイル量も同様に、挽き目が細かいほど多く見えました。

テイスティングの結果は以下の通り。

9番 粗挽き

酸味の主張が強い。甘さが感じにくい。

7番 中粗挽き

酸味と甘さのバランスが良い。後味にも甘さが残る。

5番 中挽き

後味に嫌な苦味が残る。雑味が多い。

前回フィルターのみ変えた検証では、フィルターによる個性はあるものの、どちらも美味しく飲むことができたため、「フィルターは好みで」という結論でしたが、今回の検証では、挽き目には適正値があるということがわかりました。

まとめ

前回の結果と合わせてまとめると、

『エアロプレスでの上記のレシピでの抽出は、中粗挽き(ditting 804 シリーズ 目盛7)が適正。フィルターは好みで変えてOK。』

ということになります。

ただし、『中粗挽きが適正』という部分に関しては、今回検証した レシピの場合のみの話になります。

また、スペシャルティコーヒーは銘柄によってそれぞれに個性があり、その個性を引き出すための抽出方法は、産地や生産処理方法、焙煎度合いによって変化します。(そのため、例えば焙煎度を変えた場合は、挽き目のみならず、抽出レシピや、フィルターなどを変える必要があるかもしれません。)

今回の検証によって確実に言えることは、レシピによって適正な挽き目があるということです。ご自宅で豆を挽く際は、ぜひその点を意識して、良いポイント探しを楽しんでみてくださいね。

WRITER

THE COFFEESHOP

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