【ひと工夫で差をつける!】プロ並みのアイスコーヒーを淹れるコツは”流速コントロール”にあり!SIBARIST Booster で進化するアイスコーヒードリップレシピ

2025.08.18
SHERE

ジリジリと暑い夏が続く中、キリッと冷えたアイスコーヒーが恋しい季節ですね。

そんな中「もっとクリアで雑味のない、香り高いコーヒーを淹れたい」と思ったことはありませんか?

今回は抽出中の〈流速〉に着目しながら、抽出の“流れ”をコントロールして味のバランスを整えるSIBARIST Boosterを使って、味がどう変わるのか確認していきます。

アイスコーヒーの仕上がりに大きく影響する酸味やジューシーな雰囲気は、流速でコントロールしやすくなるんです。

器具のポイントや仕組みの解説もまとめたので、ぜひ最後までご覧ください!

SIBARIST Booster|コーヒーがもっとおいしくなる “抽出のアシストツール”

コーヒーの抽出で「豆選び」はもちろん大切ですが、同じくらい重要なのが「抽出の方法」。

氷で冷やすことで味わいがシャープになりやすいアイスコーヒーですが、ここで注意したいのが【抽出の偏り=チャネリング】です。

「すっきりしすぎて味が薄い」「逆に渋みが出る」などの問題は、実はこの流れの偏りが原因だったりします。

すでに別マガジンと動画でもご紹介済みですが、簡単にSIBARIST Boosterについておさらいしましょう!

SIBARIST Boosteの特徴

・フィルターとドリッパー底との“接触点”を増やす

・流速を均一化し、チャネリングを防ぐ

・味の安定性と透明感が向上が狙える

スペイン発のコーヒーツールブランドSIBARISTから登場したメッシュ状のディスクです。

フィルターの下にセットして使うこのディスクが、抽出時の「流れ」を整えることで味を安定させる役割を果たします。

2021年のWorld Brewers Cupチャンピオン、Matt Winton氏も関わっており彼の「ペーパー下にメッシュを挟んで味が良くなる」という経験から生まれたアシストツールです。

流速(抽出速度)がもたらすコーヒーの味や香りへの影響

ツールであるSIBARIST Boosterのおさらいが終わったところで、流速について解説していきます!

流速を一言でいってしまうと〈お湯が落ちるスピード〉です。

流速は味の成分がどれだけ抽出されるか、つまり濃さ・苦味・酸味・甘さ・バランスを大きく左右する非常に重要な要素です。

流速が速すぎるとお湯が粉と十分に接触する時間が取れず、成分が抽出されないまま流れてしまい、味が薄く物足りないコーヒーになります。

特に浅煎りの豆では香りや酸味がうまく出ず、平坦な味わいに。

逆に流速が遅すぎると長時間の接触により過抽出となり、えぐみや渋み、苦味といったネガティブな要素が目立つコーヒーに仕上がります。

また、重要なのは「均一な流速」です。

抽出中に一部だけ早く流れてしまう現象(チャネリング)が起こると味が偏ってしまいます。

これにより部分的には過抽出、別の部分では未抽出というアンバランスが生じ、雑味や味のブレにつながります。

つまり、流速を一定に保ちやすくする=味のブレが少なくクリアなコーヒーになりやすい。

ということになり、その安定性を保つためSIBARIST Boosterのようなアシストツールが有効になります。

違いを比較|SIBARIST Booster あり・なしで味を検証

では実際にSIBARIST Boosterを使った場合、そうでない場合に分けて同じレシピでコーヒーを抽出していきます。

今回は味の違いを明確にさせるため、ブースター使用を前提としたレシピを軸に検証します。

抽出レシピ

・コーヒー豆:16g(浅煎り / 中挽き程度)

・お湯:120g(92〜93℃)

・氷:150g

・Kalita Wave Dripper

・Kalita Wave Dripper Filter

・SIBARIST Booster

①ドリッパーに各種器具をセットししっかりと湯通し

②粉を計り入れて抽出スタート

0:00〜0:15 40g

0:35〜0:50 30g

1:05〜1:20 30g

2:00までに落ち切り

SIBARIST Boosterありの場合

・酸味がジューシーかつ爽やかに出る

・雑味が少なく後味が透明

・甘みとボディが立体的に広がる

・氷で冷やしても味が負けない

浅煎りのアイスコーヒーでありがちな薄い印象や、きつい酸味などが軽減された華やかさのある仕上がりに。

口当たりも軽くグビグビ飲める爽やかさもありました。

SIBARIST Boosterなしの場合

・軽やかではあるが、フレーバーの薄さが目立つ

・やや渋み、収斂感あり

・雑味が後味に残る

SIBARIST Boosterなしの抽出は、過抽出と未抽出が混ざったような味わいになりました。

ブースターありきのレシピで抽出したこともありますが、少し抽出効率が悪く雑味のある印象が強いです。

1枚のアシストツールがあり・なしでここまで大きく変わるのかと少し驚きました。

便利なアシストツール、使用する際のコツは?

今回ご紹介したSIBARIST Boosterは、いくつかのポイントを守っていただくとより効果的に使用できます。

使用時のポイント

・抽出前の「リンス」でペーパーとBoosterをしっかり密着させる

・Boosterが斜めにならないように設置(水平をキープ)

・抽出後はできるだけすぐに中性洗剤で洗い、清潔をキープ

特に抽出前にチェックする項目として、密着と水平はかなり重要です。

平底ドリッパーであれば、水平は自動的に保ちやすくなりますが、HARIO V60などの円錐ドリッパーで使用する場合、必ず目視でブースターが水平になっているか確認しましょう!

抽出理論を知ってもっと美味しいコーヒーを淹れよう

以前はホットコーヒーの抽出を軸にご紹介したSIBARIST Boosterでしたが、今回はアイスコーヒーのレシピを軸に解説しました。

抽出の時に必ずポイントになる流速に興味を持っていただくきっかけになれば嬉しいです。

何かご質問や検証テーマのご要望がありましたら、お気軽にSNSのDMでお寄せください!

まだまだ暑い夏、涼しげなコーヒーで乗り切りましょう!

WRITER

Mayuka Jimbo

THE COFFEESHOPのMAGAZINEコンテンツ、オンライン担当。

スペシャルティコーヒーの知識だけでなく、レシピの改善や、抽出技術の向上にも日々取り組んでいる。

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