シングルオリジンコーヒーとはなにか|スペシャルティコーヒー入門

2016.06.21
SHERE

単一品種という意味で使われる『シングルオリジンコーヒー』という言葉ですが、その意味はもっと深いものです。スペシャルティコーヒーを語る上で欠かすことの出来ないシングルオリジンの魅力と特徴について、あらためてまとめてみました。

シングルオリジンとは『コーヒーを農場単位で考える』こと

シングルオリジンコーヒーという言葉の意味は、生産国という大きなカテゴリーではなく、農場や生産者、品種や精製方法などの単位で一銘柄としたコーヒーのことを指します。

ちょうどワインと同じように考えていただければ分かりやすいでしょうか。同じフランス産ワインでも、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュとあるように、コーヒーも産地でわけることができます。

コーヒーの場合、例えば、同じブラジルという生産国だとしても、農場ごとに土壌環境や気温が異なります。生産者はその土地に合った品種を、その土地にあった生産方法で作っているため、おのずと個性が出てくるわけです。

また、大変な重労働となるコーヒーの収穫や、リスクと隣り合わせの農場経営など、それぞれの努力も各銘柄の価値に繋がっています。

各銘柄の違いは品種だけではない

農場単位で一銘柄という言葉の意味をもう少し深堀りしてみると、各銘柄の違いは、品種だけでないことが分かります。

以前の記事でも書いていますが、コーヒー豆は収穫後の処理方法がいくつかあり、その違いも銘柄の個性として表れます。

同じ原産国、同じ地域だとしても、農場ごとに違いが出る点もワインと通ずるところがありますね。ワインでいうボルドー地区の5大シャトーの違いのようなものが、コーヒーにもあるのです。

顔のみえるコーヒー

シングルオリジンは、追跡可能性(トレーサビリティ)に優れています。

今までは大まかにまとめられていた産地情報も、シングルオリジンコーヒーでは追跡することができます。

例えば、THE COFFEESHOPで取り扱ったことのある『ホンジュラス/インテグラル・シプレス』の生産者はカタリーニョ・バスケス・エルナンデスさん。

インテグラル・シプレス農園は3代に続く家族経営の農園で、最初は0.2haと小さな農園でしたが、資金を貯めながら少しずつ大きくなり、現在はで8.5haで栽培出来るまでになっています。

それでもまだ大きな農園とは言えませんが、木の一本一本に注意を払う事が出来るため非常に丁寧な仕事をされています。

そしてカタリーニョさんの丁寧な仕事ぶりは見事にコーヒーに反映されています。

雑味がなく、後味に甘さが残るこのコーヒーは、カタリーニョさんの努力によるものです。

このような産地のストーリー、生産者の顔がみえることもシングルオリジンの魅力ではないでしょうか。

まとめ

シングルオリジンコーヒーと似た言葉に、ストレートコーヒーというものがあります。ストレートコーヒーというのは、大まかに言うと、原産国のある大まかな地域ごとにカテゴライズしたもののことを指します。

ストレートコーヒーの例

タンザニア:キリマンジャロ

ジャマイカ:ブルーマウンテン

コロンビア:エメラルドマウンテン

シングルオリジンという分類の仕方は、もともとはストレートコーヒーに対して出来た言葉と言われています。

THE COFFEESHOP では、その2つの大きな違いとして『ある一定レベルまでは追跡可能である』かどうか、というように考えています。

農場単位で銘柄としているシングルオリジンコーヒーは、カップから抽出、抽出から焙煎、焙煎から輸入、輸入から輸出、輸出から処理場、処理場から農場と、遡って追跡したときに、生産者まで限りなく近づくことが出来るのです。(すべてのスペシャルティコーヒーがその限りではありません。)

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