コーヒーの評価方法|カッピングってなに?

2016.08.08


コーヒーの風味を総合的に評価判断するカッピング。言葉自体は良く目にするものの、実際は何をどう評価しているかご存知でしょうか?

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目次

  • カッピングってなに?なんのために行なうの?
  • チェックする香りは3回『ドライ・クラスト・ブレイク』
  • テイスティングは飲むのではなく ”吸い込む”

カッピングってなに?なんのために行なうの?

コーヒーにおけるカッピングは、コーヒーの香りや味を評価するために行ないます。ワインで言うテイスティングにあたり、コーヒーの品質の善し悪しを、同じ条件下において判断するというものです。

原産国でバイヤーがコーヒー豆を買い付けする際にも、カッピングで評価されますが、現地バイヤーによるカッピングと、コーヒー店でのカッピングとは少し目的が異なります。

以前のエントリー<コーヒー店としての自家焙煎の意味>でも触れましたが、コーヒー店では個性表現を魅力として打ち出すことができます。コーヒー店でのカッピングの目的は、自分たちの好みの味が出ているかや、焙煎の良し悪しの判断のためにカッピングを行います。

それに対して、コーヒーのバイヤーに求められることは、生豆の品質の判断です。生豆の品質のみを客観的にかつ総合的に判断するためにカッピングを行ないます。

香りのみをチェックするタイミングは3回『ドライ・クラスト・ブレイク』

カッピングでチェックしているのは、香りと味ですが、香りに関しては3回チェックします。コーヒー豆が挽かれた粉のタイミングで1回、お湯を注いだタイミングで1回、撹拌するタイミングで1回の、合計3回です。

また、そもそもなぜカッピングという方法で評価するのかというところに戻ると、例えばハンドドリップで抽出したコーヒーでは、抽出条件(蒸らし時間など)によって、味が毎回均一になりづらいからです。

カッピングであれば、耐熱グラスに決まった量の豆とお湯を入れて一定時間抽出する方法を取るため、淹れる人による味の差がなくなり、比較評価が正確に行いやすく、1度に多くの量を評価できるのです。

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コーヒー豆を挽いたタイミング:ドライ

まずは挽いた豆の香りを評価します。これをドライといいます。
鼻にグラスを近づけて嗅ぎ、ときには揺するなどして香りを感じていきます。

お湯を注いだタイミング:クラスト

続いて、挽き豆にお湯を注ぎ、その時の香りを評価します。
お湯とコーヒー豆が触れ合っている状態のこのタイミングを、クラストといいます。
お湯を注いでから1分後が目安です。

撹拌したタイミング:ブレイク

お湯を注いでから4分後、スプーンを使い撹拌を行います。これをブレイクといいます。
クラストは粉で封をされている状態ですが、このブレイクによって封が切られ、コーヒーの香りが立ち上がります。

テイスティングは飲むのではなく ”吸い込む”

ブレイクまでの香り評価を終えたら、次はテイスティングです。テイスティングには、カッピングスプーンという、専用のスプーンを用います。

カッピングスプーンでコーヒーをすくい、ヒュッと吸い込むように口の中に運びます。すくう量は毎回同じ量で。吸い込むように口に入れるのは、液体を霧状にすることで香り成分を気化しやすくするため。鼻から香りを抜くことで、舌だけで感じた味ではなく、もっと立体的な風味として捉えるためです。

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次回は、ご自宅で出来るカッピング手順を写真で分かりやすくご紹介します。

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