2019/2020ニュークロップ買い付け!中米ホンジュラス探訪記【vol.3 農園紹介:ククルチョ農園】

2020.10.22


2020年の始めに訪れた中米ホンジュラスへのニュークロップ買い付けトリップ。vol.3ではククルチョ農園での買い付けの様子をご紹介します。写真とともにコーヒー農園の空気を一緒に感じてみてください!

ククルチョ(CUCURUCHO)農園

次に訪れたのは、ラパス県パチェコにあるククルチョ農園。ここは、今回のトリップでコーディネイターを務めてくれたロニーが所有する農園です。

【農園主】ロニー・ガメス
【農園】ククルチョ農園
【地域】ラパス県パチェコ
【標高】1,600m
【面積】0.7Ha
【収穫時期】12月〜2月

ラパスの町から車で30分ほど山を登るとメヒアファミリーが住む集落があります。
メヒア兄弟を中心に、ファミリー8名ほどで4つの農園の運営管理を行っています。


こんな山道を登っていきます


メヒアファミリーが住む集落


この集落の主、ヘスス・メヒアさん

ここは、ククルチョを始め4つのコーヒー農園が隣接する、ホンジュラスらしい農園。彼らが住む集落から農園へは、山道(ほぼ崖)をロバに乗り30分ほど登っていきます。
普段ロバは荷物を運ぶ時に使っているのですが、僕らのようなバイヤーが来たらロバで農園まで連れて行ってくれます。


華麗にロバを乗りこなす世界のKeita Matsumoto(ワタル株式会社)


かなりの急斜面で左は崖、、、頼むぞ!ロバさん。

標高1,600メートルの山頂には、ククルチョをはじめ4つの農園が隣接し、さまざまなコーヒー豆が栽培されています。農園名の”ククルチョ”とは、直訳すると楽器のホルンのことですが、ここでは「頂上」という意味を指します。


まさに天空の農園。この眺望、圧巻です


ククルチョに隣接するロス・ガビラネス農園(鷲の巣の意)


同じくロス・ナランホス農園(オレンジの樹の意)


同じくオスマンサス農園(キンモクセイの木の意)


フェンスはコヨーテなどの野生動物からコーヒーを守るため

驚くのが、この険しい山頂に建物やウエットミルがあること。ウエットミルとは、コーヒーチェリーから果肉を取り除き、パーチメントコーヒー(生豆に殻のようなものがついている状態)に加工する生産処理施設です。

あとから聞けば、あの山道を1日何往復もして資材を運び、建築したとのこと。その発想と行動力とパワーに脅かされました。


ゲストの宿泊も可能な立派なレンガ造りの建屋


若く誠実なメヒアファミリー


ドライパーチメントを保管する倉庫


今年収穫したアナエロビックプロセスのドライパーチメント(THE COFFEESHOPで買い付けました!)


メヒアファミリーが建築したウエットミル


エル・ロブレ農園と同じく、収穫最後の未熟豆を樹から取り除き乾燥させている

エリアを拡大しながら、新種の栽培やアナエロビックなど新しい手法にも積極的にチャレンジして、
様々なトライ&エラーを繰り返すことで、たくさんのノウハウを蓄積しています。


アナエロビックプロセス用のタンク

アナエロビック・ファーメンテーション(嫌気性発酵)とは、密閉し酸素を避けた状態で保管することで、特殊な発酵を促す処理のこと。

一般的に生産処理の段階では、チェリーについた微生物の働きにより発酵が起こりますが、それらは酸素がある状態での発酵(好気性発酵)です。酸素を遮断した状態で保管することで、通常の処理とは異なる微生物の働きが活発になり、ユニークなフレーバーが生み出されます。

近年、このアナエロビック・ファーメンテーションが施されたロットがCOE優勝を果たすなど、生産処理の新しい手法として注目を集めています。


タンクの中身


これから植えるパカス種の苗

そして、印象的だった話。
以前は収穫した中で一番いいコーヒー豆は、もちろん高く売れるので売っていましたが、今は一番いいコーヒー豆は自分たちで飲むようにしているとのこと。これも未来への投資であり、品質の向上に取り組んでいることがよく伝わります。


コーヒー農園で生産者に淹れてもらうコーヒーはもちろん最高です

彼らとわいわいBBQしながら同じ時間を過ごし、僕ら売り手と地球の裏側にいる彼ら生産者の目指す所は同じであり、素晴らしいコーヒーの背景にある彼ら生産者の努力や想いを、コーヒーと共に伝える責任を強く感じました。

こうして、彼らと同じ時間を共有できたことは、すばらしい経験となりました。

今回買い付けたクロップ

今回、ククルチョ農園からは、2種類のクロップを買い付けました!なんと、今回の買い付けでククルチョ農園のコーヒーは日本初上陸となります!

・Honduras/Cucurucho Anaerobic ホンジュラス/ククルチョ・アナエロビック

【カップコメント】 フローラル、ローズヒップ、ブライト、チェリー、キャラメル、ハニー

彼らが積極的に取り組む新しい生産処理アナエロビック・ファーメンテーションのロット。ウォッシュドやナチュラルとは明らかに異なる非常にユニークなフレーバーは、まるでローズヒップのような華やかさです。

・Honduras/Cucurucho Washed ホンジュラス/ククルチョ・ウォッシュド

同じくククルチョ農園のウォッシュドプロセスも買い付け。高品質なホンジュラスらしい、クリーンでバランスの良いコーヒーです。

 

どちらのロットも2020年12月頃、コーヒー定期便【BEANS DELIVERY SERVICE】やONLINE STOREで発売予定。詳しい情報は、各種SNSでも発信中!ぜひチェックお願いします!


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