グアテマラとエルサルバドルのコーヒー豆をお届け!スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉vol.268

多種多様なコーヒー豆の違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、スペシャルティコーヒーのサブスク”Beans Delivery Service“(BDS)。
1月29日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!
スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉
毎月ポストへお届け。スペシャルティコーヒーのサブスク〈Beans Delivery Service〉。
どのコースでも新規お申し込みの方全員に、THE COFFEESHOPオリジナルレシピブック”BREW GUIDE”プレゼント中!

BDS MAGAZINE〈vol.268〉
こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。
別途ご案内もお送りさせていただいているのですが、THE COFFEESHOP ONLINE SHOPの決済システムが変更になった関係で、BDS会員のみなさまに決済用クレジットカードの再登録をお願いしております。
ONLINE SHOP内、マイページ→定期申込履歴→定期申込履歴詳細を見る→お支払い方法、と進んでいただくと変更手続きができます。
大変お手数をおかけいたしますが、2月5日までにお手続きくださいますよう宜しくお願い致します。
ただ、今回の決済システム変更により、ONLINE SHOPのお買い物の際、PayPay支払いが利用できるなど便利な機能も増えております!
より快適なサービスを目指して参りますので、今後ともTHE COFFEESHOPをよろしくお願い致します!
それでは、BDS MAGAZINE〈1月29日号〉スタートです!
COFFEE BEANS 1|
Guatemala / Finca La Soledad H1(グアテマラ / フィンカ・ラ・ソレダ・H1)
フィンカ・ラ・ソレダが設立されたのは1895年のこと。
それ以来、地震がラ・ソレダの農家の壁を揺らし、革命軍と反革命軍の内戦がグアテマラのコーヒー畑で起こり、アカテナンゴ火山とフエゴ火山の数え切れないほどの噴火がグアテマラの野原を灰で覆ってきました。
しかし、1世紀以上経った今でも、ペレス家はこのアカテナンゴ渓谷の静かな場所でコーヒーを栽培し続けています。
125年以上前に設立されて以来、ラ・ソレダには変わらないものがあります。
農園にはまだ電気がなく、5代目の生産者であるラウル・ペレスは、今でもコーヒー畑の静けさの中で太陽と一緒に目覚めています。
21世紀を迎えたラ・ソレダで栽培されている品種の中には、19世紀末に植えられていたものと同じものもります。
しかし、彼らは徹底的に進歩的でモダンなオペレーションを行っており、緻密な農法、品種の多様化、ポストハーベストの厳格な管理、徹底した品質管理、絶え間ないイノベーションの精神によって、ラ・ソレダはワールドクラスのコーヒー農園となっているのです。
その成果は、グァテマラ・カップ・オブ・エクセレンスで7回という驚異的な受賞歴にも表れています。
今回お届けのH1ロットは、標高1,650mで栽培されています。
シェードツリーの役割を果たすグレヴィレアの木陰は、冷涼でコーヒー栽培に最適な環境を産み出します。
H1は中米で開発されたハイブリッド品種で、サチモールとスーダンルメを掛け合わせた研究品種です。
エチオピアの在来品種であるスーダンルメとの交配により、さび病などの病気への耐性を備えています。
収穫時には5~6回の選別を行い、最高の熟度を確保。カップの中でより良いフレーバーが出るようにしています。
約36~45時間かけてドライファーメンテーションをした後、パティオで平均14~17日間乾燥させます。
その後、輸出されるまで、鮮度と湿度を保つためにグレインプロで寝かします。

FLAVOR COMMENT
-
中煎り前半。
桃色の花、ピーチやアプリコット、バニラのような風味。
ふくよかな質感で、キャラメルやチョコのような甘さが続きます。
BEANS DATA
-
【生産者】Henio Pérez and family(エニオ・ペレス&ファミリー)
【農園】Finca La Soledad(フィンカ・ラ・ソレダー)
【地域】Acatenango, Chimaltenango(チマルテナンゴ、アカテナンゴ)
【標高】1,650m
【品種】H1
【生産処理】フリーウォッシュド(Fully Washed)
COFFEE BEANS 2|
El Salvador / La Hondurita & Machuca Pacamara Natural(エルサルバドル / ラ・ホンジュリータ & マチュカ・パカマラ・ナチュラル)
今回ご紹介のこのコーヒーは、2023年3月にロースター萩原が訪れたエルサルバドルにて、現地でセレクトしてきたロットのひとつです。
ラ・ホンジュリータとマチュカという二つの農園で収穫された、パカマラ種・ナチュラルプロセスのカスタムロットですが、特にラ・ホンジュリータとは3年目のお付き合いになります。
農園のオーナーであるホセ氏は、初めて産地を訪れた私たちに積極的に話をしてくれ、他の農園オーナーたちをリードするようにコミュニケーションをとってくれました。
彼らは、「長く付き合っていくパートナーとなるロースターと繋がりたい。結婚相手を探すように、そういう相手との出会いを求めている」と話していました。
毎年届く彼らのコーヒーは、多少の差こそあれ非常に安定した品質で、安心感のある買い付けを行うことができます。
僕自身同じように継続して買いたいと思わせてくれる、素晴らしいクオリティのパカマラ・ナチュラルプロセス。
これから先もTHE COFFEESHOPの定番商品として、みなさまにもお届けし続けられたらと思っています。
今回のコーヒーを届けてくれたエクスポーター・Cafe Norは、1800年代・4世代前から続く、伝統ある会社です。
エルサルバドル北部に位置するサンタアナ・チャラテナンゴの小規模生産者たちのチェリーを集め、サンタアナ近郊にあるドライミルで精製を行っています。
代表のアレハンドロ氏は地域のリーダー的存在で、小さな農園を運営する100以上の生産者たちとともに、高品質なコーヒー生産に取り組んでいます。
エルサルバドルでの滞在は、すべてアレハンドロがアテンドしてくれたのですが、数日でも一緒に過ごせば誰しも彼のことを好きになるような、理知的でお茶目な紳士でした。
Cafe Norの取り組みについてたくさんの話を聞かせてくれたのですが、その全てに一貫して感じたのは、彼らのコーヒービジネスをいかに持続的に続けていくか、という観点でした。
それは、コーヒーの高い品質を維持するということは当然として、環境の保護や、生産者の収入の安定など、多角的な視点から考えられていました。
エルサルバドルという国は決して裕福ではなく、情勢も安定しているとは言い難い状況にあります。
その中でも、コーヒーという仕事に誇りと責任をもって、未来のこどもたちの代まで続けていこうとするアレハンドロたち生産者の姿は、いち消費国のロースターとして感動を覚えるものでした。
FLAVOR COMMENT
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中煎り前半。
ラズベリーやレッドグレープ、紫の花、ブラウンスパイス、カカオのような風味。
溶かしバターのような質感で、キャラメルや黒糖のようなふくよかで複雑な甘さがあります。
BEANS DATA
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【生産者】ホセ・アルヌルフォ・モンティエル、サントス・アルヌルフォ・ディアス(Jose Arnulfo Montiel, Santos Arnulfo Dias)
【農園】ラ・ホンジュリータ、マチュカ(La Hondurita, Machuca)
【地域】チャラテナンゴ(Charatenango)
【標高】1,550m
【品種】パカマラ(Pacamara)
【生産処理】ナチュラル(Natural)
COFFEE COLUMN|
コーヒー豆は挽きたてが絶対正義?
コーヒー屋さんで美味しいコーヒーの淹れ方を聞くと、いろいろなコツを教えてくれると思いますが、ほぼ全てのショップで言われているポイントのひとつが「コーヒー豆は淹れる直前に挽く」ということだと思います。
僕自身、そのように考えてきましたし、お客様にもそう説明してきたのですが、必ずしも100%正解ではないかもしれない、と思わされる出来事があったので、共有させていただきます。
先日、都内のとある卸先に伺ったところ、抽出に使用するコーヒー粉は前日に挽いておいたものを使用していました。
なぜそうしているのかと尋ねると、その方が味がまろやかになって甘さが出るからということ。
なるほど、言われてみれば前日に挽いた粉と挽きたての粉、味の出方の違いは比較したことがありませんでした。
さっそくお店に帰って豆を挽き、翌日まで冷蔵庫で保管してから淹れてみたところ、たしかに味わいがよりマイルドに、コーヒーの甘さが出ているように感じました。
これはどういう理屈なのでしょうか?
コーヒー豆の中にはさまざまな香味成分が含まれていて、いわば風味の詰まったカプセルと言うことができます。
粉にすることでそのカプセルが弾け、コーヒーの液体の中に溶け出しやすくなるわけですが、同時に香味成分の揮発が一気に進みます。
コーヒー豆を挽いたときに良い香りがするのは、風味が飛んでいってしまっているということでもある、ということです。
また、豆から粉にすることで空気に触れる表面積が何十倍にもなり、風味の劣化の原因になる酸化の進行が急激に早くなります。
このため、コーヒーを保管するときには豆のままが推奨され、粉で置いておくと美味しくなくなる、という一般論が浸透しているんですね。
しかし、実際には粉にしてから一晩寝かせた粉の方が、甘さを感じやすい場合がありました。
これは、豆を粉にすることで香味成分が揮発して飛んでいってしまうと同時に、コーヒーの風味を知覚を阻害する成分もなくなっているから、と考えられます。
この"コーヒーの風味を知覚を阻害する成分"にはいろいろな種類があります。代表的なものが特に焙煎から日が浅い豆に感じられる『焙煎香』だと思います。
コーヒー生豆に熱エネルギーを与えていく作業である焙煎。この工程を経ると、多かれ少なかれ焙煎後のコーヒー豆には『焙煎香』がほぼ確実に加わります。
その度合いは焙煎度合いや焼き方によって異なりますが、焼きたての豆ほどその香りは強く、むしろ飲む人にとっては『香ばしさ』として捉えられるので、好ましい風味とされる場合もあると思います。
ただ、特にフルーティさや風味のユニークさを特徴とする、浅煎り〜中煎り程度のスペシャルティコーヒーにとっては、その長所を感じにくくする邪魔な要素のひとつ。
よく「焙煎から2週間くらい経ってからが飲み頃」という話には、この焙煎香が抜けるまで待った方がいい、という意味が含まれています。
この期間のことを『エイジング』と言ったりしますね。
そう、つまり粉の状態で一晩寝かせるという行為は、『強制的な短時間エイジング』と言えるかもしれません。
成分の揮発の進行が早くなる粉の状態で保存することで風味知覚の阻害要因である焙煎香を無理やり抜き去り、かつ密封して冷蔵庫で保管することで酸化は防ぐ、という仕組み。
コーヒーの甘さを感じやすくなった、という理由の説明がこれでつくような気がします。
ただ、もちろん弱点もあって、鼻に抜ける華やかな香りの出方は、挽きたての方が強く感じました。
「味がまろやかになる」ということは同時に「華やかさを失う」ということでもあると思います。
キラキラしたフレーバーの鮮やかさ・複雑さを楽しみたいコーヒーの場合は、やはり挽きたての方が良いかもしれません。
また、粉に挽いた翌日はよい感じでしたが、さらにもう翌日になるとやや抜け感を感じ、もう一晩置くと明らかに風味が弱くなってしまいました。
やはり粉の状態での保管は1~2日くらいで飲み切りたいところ。毎日淹れる回数が決まっている方は良いかもしれませんが、そうでない場合は挽いておく量の予想が必要になりますね。
今回のように、当たり前だと思っていたことが実はそうじゃないかもしれない、という気づきはとても面白いですね。
いろいろな変数で味が変わるコーヒーの世界だけに、日々知見をアップデートしていきたいものです。
また新しい発見がありましたら、皆さんにも共有していきたいと思います!
それでは良いコーヒーライフを!
定期便でお届けのコーヒーの内容をライブ配信でご紹介!
Beans Delivery Service 発送日の夜21時〜は、InstagramとYouTubeのライブ配信・Xスペースで、定期便でお送りしているシングルオリジンのコーヒー豆についてご紹介しています。配信後はアーカイブでもご覧いただけます。ぜひチェックしてくださいね。

次回BDS発送予定
BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 2月12日(水)予定
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WRITER
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Daito Hagiwara
THE COFFEESHOP ストアマネージャー・ロースター。
THE COFFEESHOPにて取り扱うすべてのコーヒー豆の仕入れと焙煎・クオリティコントロールを担当。焙煎技術を競う大会であるローストマスターズチームチャレンジ2018に関東Aチームとして出場、優勝。 日々焙煎の研究とコーヒー豆の品質チェックを行う。
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STANDART MAGAZINE #3
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