冷蔵庫(冷凍庫)で保管したコーヒー豆は淹れる前に常温にした方が良い…を検証してみた
お店で購入したコーヒー豆の保存方法について、迷われている方も多いかと思います。THE COFFEESHOP ではその回答として、幾度となく保存方法に対する検証は繰り返してきました。
今回は追加検証となりますが、冷蔵庫や冷凍庫で保存したコーヒー豆を使用する場合について、豆を常温に戻してから淹れるべきなのか、冷えているままでも問題ないのか、ということについて見ていきたいと思います。
コーヒー豆の保管方法
コーヒーの焙煎豆は、いろいろな要素により劣化がおこるため、その保管方法には気を使わなければなりません。
コーヒー豆劣化の要素例.
酸素、紫外線、湿度、温度、他の食物の匂い、部屋の臭いなど
これらの劣化要素になるべく触れない形で保管することが、コーヒー豆の美味しさを損なわないコツとなります。
実験|冷蔵庫で保管したコーヒー豆は常温に戻してから使った方がいいのか
では、今回は追加検証。常温よりも低い温度で保管したコーヒー豆は、淹れる前に常温に戻すべきなのかということについて見ていこうと思います。
実験方法
常温、冷蔵、冷凍でそれぞれ保管したコーヒー豆を用意し、常温に戻さずにフレンチプレスで抽出。テイスティングを行いました。(使用豆:グァテマラ ラ・ベイヤ パカマラ)
実験結果
保管した温度によって、明らかな違いが確認できました。
常温保管:
チョコレートやプラム、オレンジやくるみの風味。
滑らかな質感で、心地良い余韻が残る。
冷蔵保管:
味はしっかり出ているが、フレーバーは物足りない。
質感と後味は常温と同等。
冷凍保管:
味もフレーバーも物足りない。少し間の抜けた印象。
味とフレーバーが物足りない分、質感の滑らかさは際立つ。
冷蔵冷凍の場合は『物足りない』印象を感じました。特別ネガティブなものではないのですが、そこにあるはずのものがないと言えばいいのでしょうか。拍子抜け感がありました。
結果と考察
冷凍や冷蔵でのコーヒー豆の保管は、劣化の要素の一つである『温度』から豆を守れているという点においてはGOOD。しかしながら、いざ淹れる段においては、常温に戻してから淹れた方が、豆本来の味を楽しむことができるということがわかりました。
これはおそらく蒸らしの時にお湯の温度が下がってしまうためではないか、ということで実際に測ってみたところ、やはり明らかな違いがみられました。
蒸らし温度の測定
コーヒー挽き豆18gに対し、お湯を150g注いで仮想蒸らし状態を作成。すぐに攪拌(ブレイク)してカップ中心部のコーヒーの温度を測定。
常温保管豆:
88.8℃
冷蔵保管豆:
85.8℃
冷凍保管豆:
81.9℃
結論|コーヒー豆は常温に戻してから
上記実験結果をまとめると、
・コーヒー豆の保管方法として冷凍や冷蔵は良い
・冷蔵冷凍保管した豆をそのまま使用すると蒸らし温度が低くなる
・蒸らし温度が低いと味とフレーバーが上手く抽出されない
ゆえに、冷蔵冷凍で保管したコーヒー豆は、常温に戻してから淹れることをおすすめします。
蒸らし温度が低いことで味やフレーバーが上手く抽出されない理由については、また後ほど詳しく調査が必要ですが…検証にはかなり理系寄りな実験が必要になるため、気が向いたら行いますね。笑
現段階の仮説では、コーヒー挽き豆の表面および微細孔に行き渡るスピードが、『湯の温度』または『湯の温度と豆の温度差』によって異なるためと考えられます。
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