【続編】コーヒー豆の賞味期限検証9か月目
以前オリジナルドリップバッグの賞味期限を検証した際、もう少し延長できるのでは?という希望をもって、実は多めにサンプルを仕込んでおりました。
今回は仕込みから9か月が経過したそちらのサンプルを開封し、味とフレーバーを確認してみます。
スペシャルティコーヒーの賞味期限について
まずは前回のおさらいから。前回の検証では、ドリップバッグに加工した状態で何か月の賞味期限が保たれるのかについてテストを行いました。
コーヒー豆は、湿気(水分)、空気(酸化)、温度(高温)、光(特に日光)によって劣化し、徐々に味が落ちていきますので、本来の味と乖離しすぎないポイントが賞味期限ということになります。
結果、ドリップバッグの状態に加工したものでも、コーヒー用のガス吸収材を使用することで、保管4か月後も美味しく飲むことができたため、賞味期限はそこから25%短くした『3か月』で設定したという経緯があります。
常温9か月保管 コーヒーの味やいかに
今回の検証では、さらに長く保管を続けた場合どうなるのか知りたい!という好奇心のもと。また、もし9か月保管したものが美味しく飲めるのであれば、賞味期限の延長も可能になるという希望のもと、開封・テイスティングしてみました。
保管条件
保管条件は前回検証時と同じく、ガス吸収材となしをそれぞれ作製。常温暗所にて保管しました。
保管9か月の結果
ドリップバッグ(ガス吸収材なし):
嫌な酸味が強く、香りは抜けている。後味の渋みが強く、もはやコーヒーと呼べるものではない。
ドリップバッグ(ガス吸収材あり):
嫌な酸味があり、後味は良くない。フレーバーも抜けており、賞味期限内とは言えないレベル。
さすがにガス吸収材ありの場合でも9か月の保管には耐えられませんでした。
豆のままではどうか
賞味期限はもともとギフト商品向けに検証しているわけですが、ギフトにはドリップバッグ以外に豆の詰め合わせもラインナップされています。
同じ保管条件9か月にて、実はこっそり豆状態でも仕込んでおりましたので、そちらも開封。挽いたとき、淹れたとき、飲んだ時、冷めた時でそれぞれの味と香りをチェックしました。
豆のまま(ガス吸収材なし):
挽いたとき
→ 全体的な香りはやや弱くなっており、ネガティブな意味でのスパイシーな香りがある。
淹れたとき
→ やはり香りが弱く、若干のスパイシーさを感じる。
飲んだ時
→ 甘さ、酸味など、すべての味が抜けており、ボディ感も乏しい。
冷めた時
→ ネガティブ要素は少ないものの、味が薄く、木の皮のような香りが目立つ。
当然ですが、賞味期限と呼べるレベルではありませんでした。
豆のまま(ガス吸収材あり):
挽いたとき
→ 香りのボリュームは十分。嫌な香りもない。
淹れたとき
→ 同上。
飲んだ時
→ フレーバーOK。甘さも酸味もOK。果実感もしっかり残っている。
冷めた時
→ 熱いときには感じにくかった雑味が出てくる。後味に渋みが残る。
いけるか!と期待しましたが、THE COFFEESHOP が提供するスペシャルティコーヒーとしては、堂々と賞味期限と言えるレベルのものではありませんでした。
熱いときは焙煎5日後くらいの安定した丸みのある良い味と感じたのですが、冷めていくに連れて、後味に渋みが残るのが気になりました。
まとめ
というわけで、ドリップバッグの賞味期限としては、これまで通り3か月にて継続いたします。
コーヒー豆のままで保管する場合も同様に、ガス吸収材ありの場合でも常温3か月が適正と判断しますが、通常通販の豆および店頭売りの豆にはガス吸収材が入っておりませんので、2週間を目安にお召し上がりください。
ギフト用など、保管期間を要するものにつきましては別途ご相談いただければ、ガス吸収材入りにてお作りいたします。
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