コーヒー店としての自家焙煎の意味
コーヒー店という立場から見た、自家焙煎の意味ついて考察します。
スペシャルティコーヒーの定義としての自家焙煎
スペシャルティコーヒーの定義において、豆の焙煎は非常に重要な意味を持っています。
コーヒー店は、これを自家焙煎で行なうかどうか、という選択をするわけですが、必ずしも自家焙煎という選択肢を選ぶ必要はありません。
なぜならば、スペシャルティコーヒーの定義は、『From seed to Cup』であり、カップに注がれたコーヒーが、ある一定品質のもと提供されたものであれば、スペシャルティと呼べるからです。
つまり、焙煎がどこで行なわれようとも、その腕が確かならば、良いコーヒーとなり得るのです。
自家焙煎をする最大のメリットはお店の個性表現
自家焙煎というと、美味しいコーヒーが提供されるというイメージですが、実は美味しさと自家焙煎はあまり関係がありません。
プロである以上、焙煎に関わる人間であれば豆の善し悪しは把握しているもの。ですから、焙煎される場所が自店なのか、他社なのかというのは、美味しさとは関係がないのです。というよりも、プロである以上、美味しいコーヒーを焙煎することは当たり前のことです。
(無論、どこのだれが焼いたかわからない豆は、スペシャルティコーヒーという枠から外れますが。)
では、コーヒー店として自家焙煎を選択するメリットは何でしょう。それは、お店の個性表現の幅にあります。
『当たり前に美味しいコーヒーを提供する』ということを大前提とした上で、お店の個性をいかに表現できるか。それこそが自家焙煎を選ぶ最大の理由となります。
自家焙煎だから品質が良いというわけではない
重ねて触れますが、自家焙煎とコーヒーの味の品質は関係がありません。しかしながら、それは言い換えると、自家焙煎でも品質が悪くなってしまうこともあるということも意味します。
どんなに良い生豆でも、その後の焙煎で味を引き出し、抽出提供されなければ、スペシャルティコーヒーとは呼べません。
つまるところ、自店に腕が立つロースターがいなければ、どんなに良い生豆を仕入れても、美味しいコーヒーは提供出来ず、その先にある個性表現にたどり着くことはできないのです。
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