コーヒーブームの歴史から、コーヒーの未来を考察(前編)

2016.02.28
SHERE

過去幾度となく訪れては去っていったコーヒーブーム。現在もブームの最中ではあるものの、ブームという以上終わりが来るもの。

定着したコーヒーファンが、今後どのようにコーヒーと関わっていくかで、一時のブームのみで終わるのか、ずっと続いていくのかが変わってきます。

というわけで、コーヒーブームの歴史から、コーヒーの未来を考える。なんてかっこいいテーマで書いていきたいと思います。

前編では、日本人にコーヒーが浸透していった時代『第一次コーヒーブーム』までをおさらいします。

日本におけるコーヒーの広がり

日本にコーヒーが伝来したのは、17〜18世紀頃。長崎出島にオランダ人によって持ち込まれたと言われています。

1860年代には西洋人対象のコーヒーハウスが開店され、また、輸入関税が決まったことで本格的な商業輸入がスタートしました。

日本人向けのいわゆる喫茶店スタイルのコーヒー店ができたのは、1888年開業の可否茶館が始めと言われていますが、その他にも何店か喫茶店の起源と言われるお店は存在します。

その後、日露戦争から第二次世界大戦までの長い戦時期に入り、一時的に日本におけるコーヒーの歴史はストップします。

終戦間際の1944年には、コーヒー輸入量はゼロになりました。

そして再び歴史が動き出したのは、終戦後の1950年代以降。コーヒーの輸入が自由化され、第一次コーヒーブームへと繋がっていく事となります。

第一次コーヒーブーム

1960年代は、インスタントコーヒーおよびコーヒー生豆の輸入が自由化され、国内発となる缶コーヒーも登場しました。

これにより、第一次コーヒーブームが到来。

ネスカフェ(ネスレ日本株式会社)のテレビコマーシャルが一世を風靡し、コーヒーを身近に楽しむ一般ユーザーの数は、日を増すごとに増加していきました。

1960年から1990年までのコーヒー史

1960年:生豆輸入の自由化

1961年:インスタントコーヒー輸入の自由化

1969年:ミルク入り缶コーヒーの登場

1980年:社団法人全日本コーヒー協会発足

1986年:ブラジルコーヒーの高騰(干ばつによる不作)

1965年から1983年は喫茶店ブーム

日本におけるコーヒーの歴史に欠かせないのが、喫茶店という存在です。

1982年の喫茶店ブーム全盛期には、全国に16万2千店以上もの喫茶店がありました。

無口なマスターが旨いコーヒーを淹れてくれる王道の喫茶店から、音楽やダンスと融合させたジャズ喫茶やロック喫茶など、同じ喫茶店でもいろいろなジャンルがあり、人々を楽しませていました。

この時代の喫茶店も、今と変わらず、人々に時間を過ごす場所を提供するというスタンスは変わらなかったようです。

喫茶店におけるコーヒーは、いわば主役ではなく、良き時間を過ごすための脇役として、とても重要な存在なのですね。

前編まとめ

下図は、1955年から1995年のコーヒー生豆の輸入量推移です。(財務省よりデータ引用)

1965年から1990年までで、コーヒー輸入量は約17倍に増加しています。

この間、多くのコーヒー輸入業者が競って、より良い商品を作りだし、さらに喫茶店というコーヒーを提供する場の存在が、それぞれのこだわりを形にしてきました。

第一次コーヒーブームは、コーヒーが日本人に広く浸透していった時代であり、まさに日本でのコーヒー文化の始まりともいえる時代でした。

後編では1995年以降の第二次コーヒーブームからお伝えしていきたいと思います。

WRITER

THE COFFEESHOP

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