コーヒーグラインダー(ミル)カッピング比較|価格の違う3台を比較してみた(後編)

2019.01.24
SHERE

星の数ほど販売されているコーヒー豆のミル(グラインダー)。臼式のミル3台にて実機検証・後編では、実際にカッピングして味の違いを確かめてみました。

ミル検証 前編のおさらい

同じ臼式のミルでも価格帯は様々。それぞれに明確な違いはあるのかということで始まった今回の検証。前編では、マシンを実際に動かし、使用感と豆の挽き上がりを比較しました。

結果、やはりそれぞれに特徴があり、得意不得意があることがわかりました。

カッピングで味の違いをチェック

後編では、挽いた豆を使用してカッピングを行い、味とフレーバーを比較してみました。結果を先に言ってしまうと、挽き豆を見ただけではわからない、細かな違いがあることがわかりました。

Ditting(ROAST WORKS で使用しているプロ用)の値を4とし、三機種それぞれの評価をレーダーチャートで見ていきましょう。

1、デバイスタイル deviceSTYLE GA-1X

三機種中もっともリーズナブルなデバイスタイルGA-1X。挽き目の目視チェックではわからなかった微粉の影響がやや感じられましたが、価格以上の実力を感じることが出来ました。

クリーンカップ:3

酸味:3.5

フレーバー:3.5

質感:3

甘さ:3

後味:3

2、ウィルファ wilfa SVART Nymalt

鋭い形状の刃によるものか、コーヒーは非常にクリーンな仕上がりに。甘さや後味も申し分なく満足な結果になりました。

クリーンカップ:4

酸味:3

フレーバー:3.5

質感:4

甘さ:4

後味:4

3、フジローヤル みるっこ

甘さや質感はしっかり感じられるものの、酸味とフレーバーはやや弱い印象でした。今回豆の硬さと刃の形状の相性が悪かった可能性もあるので、豆の焼き具合や硬さ違いでもいろいろ試してみたいですね。

クリーンカップ:3

酸味:3

フレーバー:3

質感:4

甘さ:4

後味:4

考察|味の違いはなぜ生じるのか

カッピングを行なったことで、挽き目を見ただけではわからなかった違いを感じることが出来ました。

微妙な差とはいえ、なぜこのように味やフレーバーに違いが出るかということですが、おそらく以下2点が要因として挙げられます。

1点めは『刃の形状』です。

前編で画像付きでお伝えした通り、刃の形状はミルのメーカーや機種によって様々です。その形状によって、微粉の量や豆のカット面が微妙に異なり、結果、表面積に違いが出ているものと予想できます。

同じ重さの豆で抽出したとしても、表面積が異なれば、湯に触れる部分に差が生じるため、出来上がるコーヒーの味も変化します。

2点めは『ミルの回転スピード』です。

こちらは豆のカット形状よりも、粉砕時に発する熱の量に違いがあることが予想されます。(焙煎豆は、熱を持たせてしまうとフレーバーや酸味が失われてしまいます。)

ミルの回転スピードが早いほど、摩擦熱が生じやすく熱を持ちやすいため、今回の検証で言うとウィルファとみるっこはその傾向があったのではないかと思われます。

特に実験ということで少量の豆で試したこともあり、本来一度にたくさん挽けることが魅力となる二機種については、その点がマイナス要因になってしまった可能性があります。

まとめ

ミルの価格帯の違いは、モーターのパワーによる処理能力の差によるものの方が大きく、1〜2杯分のコーヒー豆ではさほど大きな差がないことがわかりました。

とはいえ、刃の形状や回転スピードに依存する挽き上がりの豆の状態で、微妙な差は生じていました。上記検証結果を参考に、普段飲む量と好みの味に合わせて選ぶのが良いと思います。

一度に挽く量が1〜2人であればデバイスタイルのGA-1Xでも十分。それよりも多い場合にはウィルファ SVART Nymalt または フジローヤル みるっこ レベルのスペックがあるとよいですね。

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