撹拌ドリップに意味はあるのか|コーヒーレシピ考察

2018.07.26
SHERE

生産、焙煎、抽出と、スペシャルティコーヒーの味を決める要素は多くあり、どの工程も工夫次第で様々なキャラクターのコーヒーが出来上がります。

特に抽出の部分は、コーヒーに携わる仕事をしていなくても工夫できる領域であるため、いろいろ試してみることをおすすめします。

というわけで、今回は「撹拌ドリップ」を THE COFFEESHOP なりに考察してみました。

撹拌ドリップとは|なぜ混ぜるのか

撹拌ドリップとは、読んでそのままですが「ハンドドリップ抽出中に豆を撹拌するレシピ」のことです。

ご存知の通り、コーヒーをハンドドリップで淹れる際には、豆を撹拌するという工程はないのが普通です。

(抽出中に撹拌するといえば、サイフォンやエアロプレスを思い浮かべますよね。しかし、今回やってみるのはハンドドリップです。)

ではなぜ撹拌するのかというと、単純に “そのほうが美味しいから” です。

正確には、 “撹拌したほうが美味しく淹れられる豆があったから” といったほうが正しい表現になります。通常のレシピでは、味やフレーバーを引き出しきれない豆が存在するわけです。

撹拌レシピでコーヒーを淹れてみた

撹拌することで味が引き出せる豆ってどんな豆?という話はまた次回に取っておくとして、今回は撹拌することで引き出せるキャラクターがあるということをお伝えしていこうと思います。

検証方法:

メタルフィルターを用いたハンドドリップにて、蒸らしのタイミングにスプーンで軽く十字を描くように撹拌を加え、出来上がりのコーヒーを確かめる。

テスト抽出1、普段のレシピに撹拌をプラス

まずは通常のレシピと同じ豆量、同じ湯量、同じ挽き目、同じ時間にて、抽出を行いました。

結果ですが、

・嫌な酸味と渋味を感じる

・ボディが重すぎる

・後味に甘さが残らない

という典型的は過抽出状態になりました。

撹拌したことによって、蒸らし時間に余分に味が出てしまったと考えるべきでしょう。結果、いつものレシピ通りに続けてしまったことで、後半に雑味が出てしまったというわけです。

そもそもお店で提供するコーヒーは、豆の個性に合わせて抽出レシピを作っているため、いつもと違う淹れ方をすれば、味が変わるのは当然です。

しかしながら、思っていたよりもそれが顕著であったため驚きました。

テスト抽出2、粗挽きの豆で撹拌をプラス

撹拌することで、抽出前半に味が出るということがわかったところで、次に抽出時間を短く、、、といきたいところですが、ハンドドリップの場合は湯が落ちる速度のコントロールが難しく、現実的ではありません。

豆量を多く(湯量を多く)するという工夫もアリですが、コーヒーの濃度が薄くなるだけで、過抽出であることは変わりません。

ではどうするか?

豆の挽き目を粗くしてみました。

フレンチプレス用の挽き目にて再チャレンジ。豆量、湯量、抽出時間は通常レシピ通りです。

結果はというと、

・とろみのあるマウスフィール

・甘さを強く感じやすい

・フレーバーはやや弱い

というコーヒーが出来上がりました。

まとめ

予想ではフレーバーももっと引き出せるかなと思っていたので、レシピ改良の余地はまだまだありますね。

また、今回実際にやってみて再確認したことですが、撹拌ドリップは、定説通り浅煎りの豆を抽出する際に活きる方法と言えそうです。

なぜ浅煎り豆だと撹拌が活きるのかという話は、別の記事(攪拌ドリップで浅煎りのコーヒー豆はもっと美味しく淹れられるのか)でお伝えしたいと思います。

WRITER

THE COFFEESHOP

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