2023年8月23日発送のコーヒー定期便は、コロンビアとペルーをお届け!BDS MAGAZINE vol.234

2023.08.23


多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

8月23日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

2023年8月23日発送のコーヒー定期便は、コロンビアとペルーをお届け!BDS MAGAZINE vol.234

2023年8月23日発送のコーヒー定期便は、コロンビアとペルーをお届け!BDS MAGAZINE vol.234

ごあいさつ

こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。

今年の夏はお盆が明けてもまだまだ猛烈な暑さが続きますね。
ですが、日々焙煎をしていると確実に真夏の空気から少しずつ秋っぽい動きに変わっているのを感じます。
体感はまだ夏が続きそうですが、実は秋の気配はもうすぐそこまで来ているのかもしれませんね。

それでは、BDS MAGAZINE〈8月23日号〉スタートです!

8月23日発送のコーヒー①Colombia/Astrid Medina & Rubiera Velasques(コロンビア/アストリッド・メディナ & ルビエラ・ベラスケス)

今回お届けのコロンビアは、2人の女性生産者のコーヒーをブレンドして作ったカスタムロットです。

2023年8月23日発送のコーヒー定期便は、コロンビアとペルーをお届け!BDS MAGAZINE vol.234

1人目の生産者、アストリッド・メディナは、ブエナビスタ農園のオーナーです。夫は、ラウル・アントニオ・ドゥラン。トリマ県プラナダス市、サンミゲル集落に位置する、標高1,816mに位置する農園です。
2005年に設立されたブエナビスタは、15haの広大な敷地を有しており、カトゥーラ、コロンビア、カスティージョ、ゲイシャ、ピンクブルボン、タビ、パパヨなど、さまざまな品種を栽培しています。

2023年8月23日発送のコーヒー定期便は、コロンビアとペルーをお届け!BDS MAGAZINE vol.234

アストリッドは2006年、父親が無念にも殺害された後、3.5ヘクタールの農場を相続しました。その後徐々に、兄弟が所有していた土地を買い取り、現在は15ヘクタールの農園をすべて所有しています。
ブエナビスタでは、細心の注意を払ってウォッシュドコーヒーを生産しています。
この農園では、完熟な状態で収穫されたチェリーを選別テーブルに運び、最高品質の豆だけが選別されます。
その後、豆はチェリーで24時間寝かされ、果肉除去、タンクでさらに24時間ドライ発酵させます。
その後、3回洗浄され、フローター選別を経て、高台にある乾燥棚に運ばれます。乾燥にかかる時間は15~20日。天候によって異なります。 農場には2つの収穫期、4月~6月と10月~12月があります。

アストリッドとラウルは、生活費を稼ぐことができる持続可能なビジネスモデルを誇りにしており、労働者に公正な報酬を支払っています。
彼らは、今後もエキゾチックな品種を栽培していく予定だと言います。
また、「Geisha」「Typica」「Bourbon Rosado」など、農園の一番上のエリアで栽培しているチェリーをウェットミルまで運ぶケーブルカーも作りました。
丁寧な品質管理と恵まれたテロワールにより、アストリッドは2016年のカップ・オブ・エクセレンスにおいて優勝を果たしています。

2023年8月23日発送のコーヒー定期便は、コロンビアとペルーをお届け!BDS MAGAZINE vol.234

もう一人の生産者、ルビエラ・ベラスケスは、夫のビテルモ・オルドネスと子供たちとともにコーヒー農園、ラ・エスメラルダを経営しています。
農園は、トリマ州プラナダス、サンイシドロの集落、標高1,900mに位置、面積は7haあります。
カトゥーラ、カスティージョ、ゲイシャなど、さまざまなコーヒーの木が植えられています。

ルビエラはコーヒー生産者の家系で、3代目の農家です。
馬かラバでしか行けない人里離れた場所にあるラ・エスメラルダは、1994年に設立されました。 このロットはカトゥーラ種で、加工方法は伝統的なフルウォッシュド。
収穫されたチェリーを熟成させるため、1〜2日(24〜40時間)放置した後、果肉除去します。
その後タンクで25〜40時間発酵させ、3回洗浄し乾燥棚へ運び、15-30日間乾燥させます。
この農園も収穫期は2回、4〜6月と10月〜12月に行われます。

このコーヒーを届けてくれたのは、中南米を中心に高品質なコーヒーを独自にセレクトしている、インディペンデントなインポーター・『SHU・HA・RI(シュハリ)』。
彼らは信頼できる生産者と直接関係性を築きながら、素晴らしいクオリティのコーヒーを紹介してくれています。
いただいたロット説明の資料には、以下のようなコメントが添えられていました。
「本当に中南米の女性はたくましい。それが、このコーヒーから感じ取ることができると思います。」

2023年8月23日発送のコーヒー定期便は、コロンビアとペルーをお届け!BDS MAGAZINE vol.234

到着したカップは瑞々しいフルーティさが印象的。
レモンやオレンジなど、明るい柑橘系のフレーバーとフローラルな華やかさがあり、透明感のある口当たりと相まってフルーツティのよう。
インポーターがいうように、底抜けに明るくたくましい女性生産者たちの胆力をがカップから溢れ出ているようです。
温度が下がるにつれて、トロピカルな果実感やキャラメルのような甘さが前に出てくるのは、2つの異なる農園のコーヒーをブレンドしているからのコンプレックスさでしょうか。
COE優勝経験もある有名生産者が作る、デイリーに楽しめる素晴らしいマイクロロットです。
ぜひお楽しみください!

【生産者】アストリッド・メディナ & ルビエラ・ベラスケス(Astrid Medina × RubieraVelasquez)
【農園】ブエナ・ビスタ(Buena Vista)、ラ・エスメラルダ(LaEsmeralda)
【地域】プラナダス、トリマ(Planadas, Tolima)
【標高】1,816~1,900m
【品種】カトゥーラ(Caturra)
【生産処理】フリーウォッシュド(Fully Washed)

8月23日発送のコーヒー②Peru/Gregorio Ortiz Laura(ペルー/グレゴリオ・オルティス・ラウラ)

ペルー南部のサンディア渓谷。ここは、ボリビア国境付近、アルパカの暮らす標高4,700mのアンデス山脈の峠を越えた、アマゾン川の源流域に位置する小さなコーヒー生産エリアです。
切り立った崖、険しい山と谷・森の合間に、先住民のアイマラ族が静かに暮らしています。 首都リマから遠く離れ、車はおろかバイクも通れない山道の先に点在する農家。
近代化から取り残されたようなサンディア渓谷は、実はペルーで最もポテンシャルの高いコーヒー産地として、近年注目を集めている産地です。

8月23日発送のコーヒー②Peru/Gregorio Ortiz Laura(ペルー/グレゴリオ・オルティス・ラウラ)

グレゴリオ氏はもともと同じプノ県の高原地帯に住んでおり、この地に移動して15年になります。グレゴリオ氏はケチュア語を話します。
作物はコーヒーのほか、バナナも栽培しており、コーヒーの収穫期となると、妻と息子が収穫作業を手伝います。
彼のコーヒー生産は自然環境に配慮しながら行われ、生産処理もピッキングも適切な農事指導の元に忠実に行われます。
彼らはブルボンと、カトゥーラを植えておりますが、その理由はこれらの品種のカップクオリティが高いと信じているからです。

8月23日発送のコーヒー②Peru/Gregorio Ortiz Laura(ペルー/グレゴリオ・オルティス・ラウラ)

到着したコーヒーは、まずその透明感のある口当たりが印象的でした。
さらっとした質感で、まだまだ残暑の厳しいこの季節なピッタリなイメージです。
フレーバーは、温度が高いときにはミントやセージのようなグリーンハーブのような印象。
同時感じるフルーティな甘さと酸味は、アップルのように感じました。
温度が下がるにつれて、キャラメルのような甘さも顔を出し、フルーティさはマンダリンオレンジのように変化。
また、フレッシュなアップル感だったところは、甘さがグッと増して焼きリンゴのようにも感じました。

ホットで抽出すれば複雑な風味の変化が楽しめますが、おすすめの抽出方法はペーパーフィルターで抽出したコーヒーをサーバーごと氷水に浸けて冷やす『氷冷式』のアイスコーヒー。
氷に向かって濃いめのコーヒーを落とす『急冷式』に比べて、持ち味である透明感のある口当たりを活かしたアイスコーヒーを作ることができます。

ペルーのコーヒーはここ数年THE COFFEESHOPでも注目していますが、今年は特に良いクオリティのものが多いような気がしています。
きっとこれからさらに品質も知名度も価格も上がってくるであろうペルーのマイクロロット。
ぜひお楽しみください!

【生産者】グレゴリオ・オルティス・ラウラ(Gregorio Ortiz Laura)
【農園】ヌエボ・エベネセール(Nuevo Ebenezer)
【地域】サンタロサ、バジェ・イナンバリ(Santa Rosa, Inambari)
【標高】1,550m
【品種】ブルボン、カトゥーラ(Bourbon, Caturra)
【生産処理】フリーウォッシュド(Fully Washed)

競技会に使われる焙煎機・GIESEN(ギーセン)

先日、焙煎技術を競う競技会Japan Coffee Roasting Championship(JCRC)の予選に向けた、公式練習会に参加してきました!

今年のJCRC予選が開催されるのは9月5日(火)、6日(水)。
会場は八王子にある大学セミナーハウスというところです。
予選の競技は、設置してある焙煎機を使って、当日発表になる課題豆を焙煎して提出、その出来栄えを競います。
予選会には2日間で48名の競技者がエントリー。審査員によるカッピング評価のうえ、上位6名が決勝に進出できます。

今回参加してきたのは、その予選会に使用される焙煎機・GIESEN WPG1というマシンの練習会。
あくまで自由参加ですが、参加者の公平を期すために、事前にマシンの操作方法の説明と、45分間のテスト焙煎の機会を与えられるのです。
このGIESEN WPG1という焙煎機、これがなかなかの曲者で、正直少し苦戦を強いられました。
というのも、最新の焙煎機ゆえ操作できる項目が多く、普段THE COFFEESHOPで使っているPROBATやDiscoveryとのギャップが大きかったのです。

競技会に使われる焙煎機・GIESEN(ギーセン)

WPG1で操作できる項目は主に3つ。
焙煎機の熱源であるガス火の火力(ガス圧)、ドラム内の空気圧(Pa)、ドラムの回転数(Hz)です。
ガス圧はどのくらいの熱量を生豆に与えるかに直結するところで、もちろんPROBATでも操作できる項目なのでイメージしやすいところ。
ドラム内の空気圧というのは、排気の強さ、とも言い換えることができます。
焙煎が進んでドラム内の温度が上がると、空気は膨張して内圧が高まっていきます。
GIESENではこの内圧の高まりに対して、設定した空気圧を維持するように排気量をオートで調整する機能がついているのです。
ここがPROBATとは大きく違うポイントの一つ。ROAST WORKSにあるPROBATは、基本的に焙煎最中に排気量を調整することはしないので、焙煎が進むにつれて高まっていく内圧を加味した上で火力を調整し、目指す焙煎の仕上がりに向けていくんです。
対してGIESENは排気量がオートが変わっていくので、PROBATと同じイメージで火力を調整すると、思った通りにはいかないわけなんですね。
これには最初、なかなか混乱してしまいました。

競技会に使われる焙煎機・GIESEN(ギーセン)

そして、ドラムの回転数も焙煎にかなり影響する項目。
回転数が早ければ早いほど、生豆が宙を舞うような形で焙煎が進むので、対流熱の影響を大きく受けて、水分が抜けやすくカラッとしたイメージになります。
対して回転数を落とすと、ドラムと接している時間が長くなるので、豆表面に熱が当たりやすくなっていきます。
このドラムの回転数に関してもPROBATでは調整できない項目なので、仕上がりに対する影響がどの程度あるかを掴むのが大変そうな印象です。

すこしややこしい話になってしまいましたが、同じコーヒー生豆を同じ人が焙煎しても、焙煎機が違えば仕上がりが違ってくる、ということはなんとなくおわかりいただけるかと思います。
競技会においては、どんな課題豆が出てくるかはわかりませんが、どんなコーヒーが評価されるのかは予めわかっているところ。
それを目指すためには焙煎機の特性を理解して、どんなアプローチで焼けば理想に近づけるのか、をイメージしておく必要があります。
それはやはり勘や運だけでは勝てないところだと思います。
今回の練習会で、自分はまだまだGIESENという焙煎機の理解が足りない!と思い知らされました。
予選本番まで日があまりありませんが、知り合いのGIESENユーザーにお願いしてマシンに慣れる日をいくつか作りたいと思っています。
みなさんに良い報告ができるよう、最善を尽くして参りますので、どうぞ楽しみにお待ちくださいね!

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 9月13日(水)予定

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