デカフェとは?カフェインレスコーヒー入門

2016.02.09


デカフェとは、本来カフェインを含むドリンクやフードから、なんらかの方法でカフェインを取り除いた(decaffeinated)ものを指します。コーヒーの場合、カフェインの摂取が制限される方や、健康志向の方を中心に、だんだんと根付いてきています。

デカフェとは

今回の記事は、コーヒーにおけるデカフェ、つまりカフェインレスコーヒーについて、基本的なところをお伝えいたします。

目次

▼デカフェについてもっと知りたい
→ デカフェのススメ|妊娠中でも安心?カフェインレスとの違いは?まずいって本当?
→ デカフェという選択|カフェインレスコーヒー3つの魅力
→ 【デカフェ】おすすめの豆と淹れ方 安心でおいしいカフェインレスコーヒーを楽しもう

コーヒーにおけるデカフェ市場

カフェインレスコーヒーの市場ですが、ちょっと古い2004年調べで、世界のコーヒー消費量の約10%ほどと言われています。(参考:http://www.nature.com/)

”ヨーロッパではデカフェには一定の規格が設けられており、カフェイン含量がコーヒー豆中の0.2%以下(インスタント・コーヒーでは0.3%以下)であるもの以外はデカフェという名称を使うことはできない。日本国内にも欧米由来のものが輸入されているがその需要は少なく、またカフェイン含量の規定も存在しない。”(引用:Wikipedia)

試しに楽天さんで検索してみましたが、コーヒーカテゴリー全商品(豆、インスタント、ドリップパック、濃縮液すべて含む)に対するカフェインレスコーヒーの割合は、約2.5%でした。

日本ではまだまだ小さい市場ですが、最近ではスターバックスさんなどでもカフェインレスコーヒーのオーダーが出来るようになったりと、健康意識が高い方達を中心に、今後市場は拡大していくと予想できます。

カフェインってどうやって取り除くの?

さて、素朴な疑問。
コーヒーからカフェインを取り除くってどうやるんでしょう?
コーヒーにおけるデカフェ技術の歴史は、以下の通りです。

1819年 ドイツのフリードリヒ・ルンゲがコーヒーからカフェインを単離
1906年 ドイツで脱カフェイン技術が考案される
1941年 ベリーとウォルターズが水抽出法を開発
1974年 超臨界二酸化炭素によるカフェイン抽出法の開発
1978年 西ドイツHAG社にて超臨界二酸化炭素抽出の工業化
2000年 芦原らがチャのカフェイン合成酵素の遺伝子を同定
2001年 佐野らがコーヒーノキのカフェイン合成酵素の遺伝子を同定
2003年 佐野らが遺伝子組換え技術を用いたカフェインレスコーヒーノキの作製に成功
2004年 ブラジルでカフェイン含量の少ないアラビカ種のコーヒーノキの育種に成功
(引用:Wikipedia)

難しい言葉が並んでいますが、現在実用化されているものをまとめると、以下3方法が実際に使われている方法となります。

有機溶剤による脱カフェイン法

コーヒーの生豆を有機溶剤に浸して、カフェインを取り除く方法です。
ジクロロメタンという有機溶剤が使われる事が多く、ローコストでの脱カフェインが可能です。
しかしながら、有機溶剤残留の心配と、コーヒーの旨味や香りとなる成分も取り除いてしまうというデメリットがあります。

超臨界二酸化炭素による脱カフェイン法

二酸化炭素を利用した脱カフェイン方法です。
超臨界という特殊な状態にした二酸化炭素を使用するため、非常にコストが高くなります。

水による脱カフェイン法

現在もっとも安全で効率的に脱カフェインが行える方法です。
具体的な工程として、スイスウォーター社が特許を取得しており、『 Swiss water method 』と呼ばれる事もあります。
こちらは非常に手の込んだ脱カフェイン法なので、ムービーをご覧ください。

以上、3つが現在実用化されている脱カフェイン法になります。

コーヒー本来の味を落とさず、なおかつコストがかかりすぎないということで、スペシャルティコーヒーのデカフェには、『 Swiss water method 』が用いられることが多いです。

まとめ

これからますます注目されていくであろう『デカフェ』という選択肢。
健康に気を使うからこそ、より安全なもの、より美味しいものを選びたいものです。

THE COFFEE SHOP では、スペシャルティコーヒーの名にふさわしく、Descamex社のマウンテンウォータープロセスによって99.9%ディカフェ処理されたコーヒー豆を取り扱っております。
→ メキシコ デカフェ 商品ページへ

はじめからカフェインを含まないコーヒーが実る『カフェインレスコーヒーノキ』の実験も進んできてはいますが、いまのところ実用化までは至っていません。こちらも今後楽しみですね。


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