バタースコッチのような甘さの続く、バランスの良いEast Timor／Liqusala Ermera Natural入荷！

2005年に設立された貿易会社Timor Globalは、東ティモールのコーヒーに可能性を見出し、コーヒー生産と生豆の輸出に乗り出したパイオニア的存在です。

政府の認可を受けて3,000haの耕作放棄地を再生させたほか、国内最大級のウェットミルも所有しています。

当初はコマーシャルコーヒーのみの生産でしたが、小規模生産者への技術指導や機械化を進めて品質と生産性を高め、今では生産量に占めるスペシャルティコーヒーの割合は50%を超えています。

Timor Globalは2002年に独立した東ティモールにおいて、最初に政府から認可された外資系企業です。

収入のほとんどを石油と天然ガスの輸出に依存していた東ティモールにとって、コーヒーの栽培は重要な経済作物だったのです。

ただ、当時の東ティモールでのコーヒー栽培の現場は、スペシャルティコーヒーの基準には遠く及ばないものでした。

木々の剪定は行われず、野生のままに育ってしまったコーヒーノキは通常の2~3倍の高さ、4~8mにまで伸びており、不要な枝に栄養が渡ってしまうことで収穫量が落ちてしまっていました。

また、多くの生産者はチェリーの熟度に関係なく、枝に実った全てのチェリーを一度摘み取っており、成熟したチェリーは全体の収穫量の半分にも満たなかったそうです。

Timor Global代表のボビー・レイ氏は、生産者に対して特に収穫と精製の重要性を伝えてきました。

生産者グループにパルパー（脱殻機）を無料で貸し出し、マイクロミルの導入を援助して生産性が上がるよう後押しもしました。

ただ、生産者が新しい考え方を受け入れるのは簡単ではありませんでした。

例えば、多くの生産者はドライパーチメントの状態で販売した方が収入が増えると思って、できるだけ多くのドライパーチメントを作ろうとします。

しかし、十分な設備がないなどの理由でチェリーが長時間放置され発酵が進んでしまうと、品質は著しく低下します。

乾燥スペースを確保して、適切な量を管理することが大切なのです。

現在でもアジアで最貧国のひとつである東ティモールは、土地の所有権の複雑さや交通インフラの脆弱さなど、コーヒービジネスには大変な課題がつきません。

ただ同時に素晴らしいコーヒーを生産できるポテンシャルを秘めている国でもあります。

世界的にオーガニック志向が高まる中、東ティモールのコーヒーには農薬や化学肥料が使われてこなかったことも大きなアピール材料となっています。

今回、様々なハードルを飛び越えて届いたこのコーヒーも、他の生産国に勝るとも劣らない品質を感じることができます。

特にリッチな甘さは素晴らしく、やや深めに焙煎することでまるでバタースコッチのように感じました。

これからの発展と進化に期待しかない東ティモール・スペシャルティ。ぜひお楽しみください！

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