Monthly Beans Magazine|2023年12月号 [vol.111]

2023.12.01


現在発売中のコーヒー豆の情報や、特集記事、BDS発送カレンダーなどを掲載した毎月発行のmbm(Monthly Beans Magazine)。
2023年12月号の内容をご紹介いたします!

Monthly Beans Magazine by THE COFFEESHOP

生産処理を選ぶ理由

コーヒーチェリーから生豆を取り出す工程である〈生産処理(精製)〉。
生産国で伝統的に行われてきた〈ナチュラル〉〈ウォッシュド〉に加え、近年では発酵や乾燥に工夫を加えた特殊なプロセスも増えてきていますよね。
コーヒーの味わいに大きく影響するこの生産処理、ロースターとして取り扱うコーヒーを選ぶ際には、当然判断基準のうち大切な一要素になります。
ただ、個人的にこのところ、この生産処理の違いという要素について、コーヒーの味わい以外の部分で選ぶ理由になることがあるんです。

例えば、中米で最もスペシャルティコーヒーの歴史が古いとされているグアテマラ。
伝統的には水を使って発酵や洗浄を行うウォッシュドプロセスが主流の生産国ですが、近年では特に小規模な生産者の手掛けるナチュラルプロセスのロットが増えてきています。
その背景のひとつには、大量の水が必要になり、かつ大量の汚水が生まれてしまうという、ウォッシュドプロセスの負の側面があります。
山間部で栽培されているグアテマラでは水資源が貴重な場所も多く、限られた水を大切に使うことはとても重要な問題です。

また、ウォッシュドプロセスには専用の設備(ウェットミル)が必要なため、小規模な生産者たちはチェリーの状態でウェットミルに持ち込むことになります。
つまり、チェリーの状態で中間業者に売る、ということですね。
実は、チェリーの状態での買取価格というはかなり安い値段で、せっかく育てたコーヒーチェリーがあまり収益に繋がらないのです。
対して、自分たちでチェリーを乾燥させて脱穀、パーチメントという状態まで加工して売ると、より高い価格で買い取ってもらえます。
つまり、グアテマラの小規模生産者たちにとって、自分たちでナチュラルプロセスを行うことは、コーヒーの栽培に必要不可欠な自然環境を守ると共に、収入のアップにも繋がるという、とても重要な取り組みなのです。

一般的に、同じ生産者の手掛けるコーヒーでも、ウォッシュドに比べてナチュラルの方が少し高い場合が多いですが、その分より生産者の手元に届いている、と考えると納得かもしれません。
また、ウォッシュドに比べて乾燥工程が長く、天候の影響も受けやすいナチュラルは、うまく精製が完了できないリスクも孕んでいます。
エクスポーターによってはそうしたリスクを受け入れた上で生産処理を行う生産者に対して、リスペクトを込めて高い価格を支払うこともあるようです。

みなさんがお店でコーヒーを選ぶときにも基準のひとつになるであろう生産処理。
もちろん飲み物である以上、どういう味なのかが一番大切かもしれませんが、それ以外の部分でもそれぞれの処理方法の背景を知っておくと、コーヒーを選ぶ楽しみがまたひとつ増えるかもしれませんね。

(Roaster / Daito Hagiwara)

THE COFFEESHOPのアドベントカレンダー

THE COFFEESHOPのアドベントカレンダー

THE COFFEESHOPのアドベントカレンダー

24種類のシングルオリジンコーヒーが楽しめるTHE COFFEESHOPのアドベントカレンダー。今年も大好評いただきました!たくさんのご予約本当にありがとうございました。無事焙煎が終了し、皆さまにお届けできていることと思います。

12月1日から1つずつ開封して楽しむアドベントカレンダーですが、なんと初日からプレミアムクロップでのはじまりです!飲み進めていくと全部で11カ国のコーヒーを楽しむことができます。お好きなコーヒーを見つけられるかもしれませんね。ぜひご感想をいただけると嬉しいです。

アドベントカレンダーのコーヒーの詳細は12月1日より各SNSでご紹介します。ぜひご覧になってみてください。
Instagram ≫

The Monthly Beans Line Up -今月の豆ラインナップ-


アンティグアの優良農園が手掛ける、スーパークリーンなパカマラ・ウォッシュド!
Guatemala / Antonio Medina Pacamara(グアテマラ / アントニオ・メディナ・パカマラ) ≫


弾ける赤い果実味!まるでオレンジジュースのような瑞々しいケニア・ライトローストです!
Kenya / Karani(ケニア / カラニ)≫


紫色の果実の甘み。上品さを感じる、グアテマラ・ナチュラルプロセス!
Guatemala / La Nueva Montana Natural(グアテマラ / ラ・ヌエバ・モンタナ・ナチュラル)
※12月中旬発売予定


甘さ・酸味・ボディの均整が取れた、バランスの良いブルボン種単独ロット!
Honduras / El Alcipres Bourbon(ホンジュラス / エル・アルシプレス・ブルボン)≫


落ち着いた甘さが楽しめる、滋味深いブラジル・ハニープロセス!
Brazil / Luciano Delpupo Honey(ブラジル / ルシアーノ・デルプポ・ハニー)≫


ミナス・ジェライス州最良のコーヒー、カクェンジ!
Brazil / Kaquend Natural(ブラジル/カクェンジ・ナチュラル) ≫

Mexico / Decaf(メキシコ / デカフェ)【カフェインレス】
化学薬品を一切使わずに安全に処理したカフェインレスコーヒー
Mexico / Decaf(メキシコ / デカフェ)【カフェインレス】 ≫

LIGHT MIX(ライトミックス)
中煎り。軽やかで爽やか、心地良い甘味の印象。風味や酸味などのバランスが最も取れたオリジナルミックス。
LIGHT MIX(ライトミックス) ≫

DARK MIX(ダークミックス)
深煎り。しっかりした口当たりとほのかな甘さ。丁寧な焙煎と配合により、飽きのこないビターなオリジナルミックス。
DARK MIX(ダークミックス) ≫


ゆっくりとふけていく静かな冬の夜と、華やかなクリスマスをイメージした、12月限定MIX!
【12月限定】DECEMBER MIX 2023 ≫  (〜12/28 12:00までの限定販売)

Information

THE COFFEESHOP BOX LOGO HOODIE

【NEWS】11月24日(金)〜11月26日(日)の3日間、横浜コーヒーフェスティバル2023に出店いたします!

先月開催された〈YOKOHAMA COFFEE FESTIVAL〉で初お披露目となった、ボックスロゴ入りのオリジナルパーカーが、数量限定でONLINE SHOPにて発売中!
サイズはS〜XL、カラーはブラックのみ。追加で作成予定は今のところありませんので、気になる方はぜひお早めにチェックしてみてくださいね。ゆったりとした軽めのUSAボディで、スタッフも愛用中です。

▼THE COFFEESHOP Box Logo Hoodie
¥6,500
Size / S, M, L, XL
ONLINE SHOP ≫

今月のカレンダー

次号mbm発行予定

次回2024年1月号は1月1日発行を予定しております。お楽しみに!

それではみなさま、良いコーヒーライフを!

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