コーヒーの ”甘さ” とは何か|ノンシュガーでも甘いと感じるスペシャルティコーヒーの秘密

〈No Sugar, but sweet.〉
砂糖がなくても甘い。これは、THE COFFEESHOPが創業当時より掲げているコンセプトです。みなさんも美味しいコーヒーを飲んだときに「甘い」と感じた経験があると思いますが、そもそもコーヒーの甘さの正体とは、いったい何なのでしょうか。
特にスペシャルティコーヒーには、豆それぞれにカップコメントがつけられています。そこには必ずと言っていいほど、コーヒー本来の甘さを表すコメントがあるはずです。
今回は、お砂糖を足さずとも甘いと感じるコーヒーの条件を探ってみました!
質感や香りが鍵!スペシャルティコーヒーの甘さの正体
コーヒー豆の成分には、味覚で甘味と感じる糖類はほとんど含まれていません。
味覚に対する直接的な甘さ成分である少糖類(オリゴ糖など)は、生豆時点で全体の約7%程度、焙煎豆の場合は約2%と少なく、その他感じる味覚(苦味など)が邪魔をする場合もあるため、成分としての糖類を舌で感じることはほぼ不可能とされています。
ですが、THE COFFEESHOPではブラックコーヒーの提供を基本とし、コーヒー本来の甘さを楽しんでいただきたい。と常に発信してきました。
では、糖類の少ないコーヒーからどのように甘さを感じているのでしょうか?
スペシャルティコーヒーにはその味わいを説明・叙述するための『カップコメント』がつけられています。
カップコメントの中には必ずといっていいほど甘さの表現も含まれていますが、前述した通り糖類の直接的な甘さを感じられることはほぼありません。
そこで着目していただきたいのは、〈質感(口当たり)〉と〈フレーバー〉の印象です。
具体的に探っていきましょう。

口当たりの印象で変わる「甘い」と感じやすい質感の特徴
まずは質感から確認していきましょう。
コーヒーの質感とは、コーヒーを口に入れたときに感じる「口当たり」のことを言います。
ラウンド・クリーミーなど
このような表現がついている時は、コーヒーの液体の粘性が高いことを表しています。
コーヒーを口に含んだ時に喉の奥へすぐに落ちていくのではなく、口腔内で長く留まるような印象です。
そのため後味も必然的に長く感じやすく、味全体の輪郭をはっきり感じることができます。
シルキー・シロッピー・ジューシーなど
上記のしっかりした口当たりからは、少し軽めに感じる表現です。
口に含んでからざらつきを感じることなく、するっとしていて香りが鼻から抜ける感覚が強い印象があります。
液体自体に軽やかさを感じる仕上がりのコーヒーが多いです。

このように、口当たりの印象が異なると舌に残る味わいの印象も変化するため、感知のされ方も変化していきます。
比較的粘性を感じる液体の方が舌の上に長く止まり、より甘さを感じることが多くなる印象です。
もちろん、シルキーなど軽い粘性のコメントで甘さが感じにくいわけではありません。
上記の質感のカップコメントはいずれもポジティブな表現なので、質と強弱を混同しないように注意しましょう!
「香り」でも甘さを感じることができる|スペシャルティコーヒー特有のフレーバー
では次にフレーバーの表現です。
スペシャルティコーヒーのカップコメントにおけるフレーバーとは、『味と香りから連想されるトータルの印象』を指します。
例えば酸味の中に甘さもあり、かつ爽やかな柑橘系香りを感じた時は、オレンジやグレープフルーツなどのコメントがつき(細かくいうとクエン酸主体の酸味+甘さの場合)、酸+甘さ+発酵香を伴うものだと、ストロベリーやラズベリーといったコメントがつけられる場合が多くあります。
厳密にやっていくとかなり膨大でややこしくなると思うので、今回は【フルーツ系・お菓子系】の2つのカテゴリーに分けてざっくりまとめてみます!

フルーツ系
全体的に酸味の印象に伴ったコメントがつきますが、甘さを牽引する場合には刺激的な尖った印象ではないことが必須条件です。
酸味だけが強いのではなく、甘さを連想させるような香りが伴ったときに初めて、スペシャルティコーヒーとして評価の高いフルーツ系のコメントがつきます。
つまり、フルーツ系のコメントがついたコーヒーは、酸味とともに甘さを感じられるものが多くあるのです。
また、特にフローラル系の華やかさや発酵感を伴った場合、熟度の増したフルーツのコメントがつく傾向にあります。明るさと熟したような甘さを感じるコーヒーに仕上がっていることが多いですね。
お菓子系
キャンディー・チョコレート・キャラメルなど、より密度の高い食品に例えらることが多いです。これらのコメントは酸味よりも質感との相関関係が強くありますね。
フルーツ系のコメントとはまた違ったイメージの甘さがあり、輪郭のはっきりしたコーヒーに仕上がる傾向があると思います。
【チョコレート×クリーミー】が一番甘い?質感とフレーバーの相関性
ここまでまとめた2項を合わせると、質感(粘性)がしっかりしているコーヒー、お菓子系のフレーバーがあるコーヒーは、味全体の印象が長く続く傾向にあるため、より甘さを強く印象つけることになると思います。
ただ、フレーバーの感じ方には個人差があり、各々のそれまでの飲食経験や直前に口にしたものによっても変わるため、一概にどのコメントが一番甘く感じるか、ということは言いづらいかと思います。
このように、コーヒーの甘さは糖の甘さを知覚しているわけではなく、フレーバーと質感(口当たり)が合わさった時に感じるトータルの印象で決定されると考えています。
より甘いコーヒーを楽しみたい方、そもそもコーヒーの甘さを体験してみたい方、ブラックコーヒーに初めて挑戦する方は、ぜひ甘さの連想がされやすいコメントがついたスペシャルティコーヒーを試してみてください!
まとめ|No Sugar but sweet
ここまでコーヒーの甘さを〈質感とフレーバー〉の関係に焦点を当ててまとめてきましたが、いかがでしたか?
今回ご紹介したカップコメントは全てポジティブな表現になるので、一定の点数を獲得したスペシャルティコーヒーにはいずれかのコメントがついているはずです。
特にTHE COFFEESHOPで取り扱っているコーヒー豆は、全て甘さを感じやすい素材選びにこだわっていますので、ぜひ〈No Sugar, but sweet.〉を体験していただけると嬉しいです!
WRITER
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Mayuka Jimbo
THE COFFEESHOPバリスタ・ストアサブマネージャー。
富ヶ谷のロースタリーROAST WORKSにてドリンクを提供。フードペアリング担当。レシピの改善や、抽出技術の向上に日々取り組んでいる。
毎週日曜8:45〜はInstagramとYouTubeで15分間のライブ配信中!
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