SCAJ2016 東京ビッグサイト|展示ブースレポート

2016.09.30
SHERE

本日まで東京ビッグサイトにて行なわれていた、アジア最大のスペシャルティコーヒーイベント『SCAJ2016』。展示ブースより、各国のコーヒーについてレポートいたします。

産地ブースより、各国のコーヒーについてレポート

前回の速報では、産地ブースの風景のみお伝えしましたが、本日は試飲や実演などをレポートしていきます。

コーヒーは産地特性による違いももちろん感じられましたが、生産プロセスの違いもハッキリと感じることが出来ました。また、産地のコーヒー産業や環境にまつわることなども、話を聞くことができました。

生産処理(プロセス)とは

コーヒーの生産処理については、過去エントリーに詳しく記載していますので、そちらをご覧ください。

軽く抜粋しますと、以下の通りです。

『ナチュラル』は、コーヒーの実を収穫し、実の状態のままで広げて乾燥させる方法。

『ウォッシュト』は、コーヒーの実の皮と果肉を取り除き、半日~1日程度水に漬け、自然発酵させることで取り除いたあとで、乾燥させる。

『パルプトナチュラル』は、コーヒーの実の皮と果肉を取り除き、乾燥させる。

丁度今回のイベントで乾燥させた状態のものが展示されていました。

左から『ウォッシュト』『パルプトナチュラル(ハニー)』『ナチュラル』の乾燥工程におけるパーチメントの様子。これを剥くと生豆が出てきます。

NINETY PLUS (ナインティプラス社)

ナインティプラス社は抽出の実演を行なっていました。ナインティプラス社は、主にエチオピア、パナマを拠点とする生産者(というよりもプロデューサー)です。THE COFFEESHOP でも『エチオピア – チェンベ』などを扱っていました。

今回の実演で使っていたのがこちら。『SEMEON ABAY – GESHA YELLOW』です。Semeon Abay とは人名で(パッケージの顔の人)、エチオピアの生産プロセス管理者だそうです。

エチオピアで、彼が独自に開発した生産プロセスが 通称 SEMEON PROCESS と呼ばれているそうで、その方法をパナマに持ち込んだことにより出来上がったのが、こちらのコーヒーなのだとか。

YELLOW とはまさに豆の色のことを指します。YELLOW の他には RED があり、産地も生産処理も同じなのですが、なぜか処理後の豆の色が黄色っぽいのと赤っぽいのがあるということで別けてみたところ、味も香りも異なるものだったそうです。

そして、ドライの香りでぶっ飛びました。こんなに香りの強いコーヒーあるんですね。フルーツの中に顔を突っ込んだような感覚です。

抽出はCHEMEXとペーパーフィルターを使用していました。変わったペーパーの折り方にも注目です。

提供されたコーヒーの味は別格でしたね。

ルワンダ RWANDA

COKO(チョコ)という農園のものをいただきました。フルーツ系のフレーバーで、クリアな印象のコーヒーでした。

ルワンダは経済的な不利もあり、スペシャルティコーヒーの産地としては他の国よりも少し遅れをとっています。しかし、近年は生産プロセスもしっかりと管理されるようになり、品質の良いコーヒーの流通を行なえるようになってきているそうです。

ホンジュラス HONDURAS

6つのスペシャルティコーヒーの地域を有するホンジュラス。以前倉庫レポートでお世話になったワタルの松元さんの通訳で、農園の方のプレゼンテーションがありました。

人口は800万人ほどですが、コーヒー生産者になるための学校があったり、コーヒークオリティコントロールセンターがあったりと、いかにコーヒー生産に力を注いでいるかがわかります。

コーヒー学校では2年間かけてコーヒー生産のイロハを学び、一人前の生産者を目指します。卒業生は現在100名ほどだそうです。

その他、世界的に食の安全への取り組みが盛んになっていることから、ウォッシュトプロセスに使用する水や水槽の衛生管理も、これまで以上にしっかり行なっているとのことでした。主な輸出国がヨーロッパなだけに、食の安全への配慮は、品質の一部として見られるのでしょうね。

まとめ

生産者が集うイベントに参加すると、美味しいコーヒーがどれだけの人に支えられて私たちの手元に届いているかが実感できます。

SCAJは、コーヒー好きなら絶対に楽しめるイベントなので、今年行けなかった方は、来年ぜひ行ってみてください。

同日に開催された、ジャパンブリュワーズカップ2016のレポートは、次回の記事にて。

WRITER

THE COFFEESHOP

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