ホンジュラスとグアテマラのコーヒー豆をお届け!スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉vol.286

2025.10.22
SHERE

多種多様なコーヒー豆の違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、スペシャルティコーヒーのサブスク”Beans Delivery Service“(BDS)。

2025年10月22日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉

毎月ポストへお届け。スペシャルティコーヒーのサブスク〈Beans Delivery Service〉。

どのコースでも新規お申し込みの方全員に、THE COFFEESHOPオリジナルレシピブック”BREW GUIDE”プレゼント中!

BDS MAGAZINE〈vol.286〉

こんにちは!

THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。

一気に季節が進んだ感じのある今日このごろ。

気温がグッと下がり、空気も軽く乾燥した手触りになってきました。

最高気温が20度を下回るようになると本格的なホットコーヒーのシーズン。

コーヒー豆の消費量も急に増えてくる時期ですので、ご自宅のストックを切らさないようにご注意くださいね!

BDSのプラン変更もお気軽にどうぞ!

それでは、BDS MAGAZINE〈10月22日号〉スタートです!

COFFEE BEANS 1|
Honduras / Miguel Armand Pacas Washed(ホンジュラス / ミゲル・アルマンド・パカス・ウォッシュド)

ミゲル氏は、子供の頃から父のコーヒー農園を手伝い、コーヒーの植え方、肥料の与え方、収穫期のチェリーの収穫方法などを教わりました。

15歳の時、父からコーヒー栽培のための土地を譲り受けました。

化学薬品を一切使わないオーガニックの苗床を作り、人件費を払うお金もなかったのですべて自分で植えたといいます。

1980年、父はミゲル氏に2ヘクタールの土地を貸し、さらにコーヒーを栽培するようになりましたが、当時の価格が常に低かったため、ほとんど毎年利益が出ずに閉鎖していました。

2014年にポテンシャルのあるエリアに現在の農園を買い、翌年にはパカスコーヒーを植え、2019年にはスペシャルティコーヒー用の初めてマイクロロットで用意し、サン・ヴィセンテのミルに持っていくと、特別なコーヒーバイヤーに売るのを手伝ってくれました。

それ以来、スペシャルティコーヒーを販売できる幸運に恵まれたと言います。

彼の自宅から農園までが非常に遠く、一部徒歩での移動となるため、農作物やコーヒーの運搬が非常に困難です。

中期的には、農園にもっと良いウェットミルを作って、コーヒーのプロセスを改善したいと語っています。

シュハリで取り扱いを始めて3年目のミゲル氏。今年また訪問した際にいろいろ話していると、シュハリと取引を開始し始めた年に、本当はコーヒー生産をやめるつもりだったそう。ただ、そこでシュハリが自分のコーヒーを評価し買い付けてくれたことで、コーヒー生産を続けることを決意してくれたのだそうです。

精製は、丁寧に収穫したチェリーを自宅の仮設ウェットミルに運び、毎日午後に果肉除去を行い、その後パーチメントを発酵タンクに入れ、20〜22時間ドライファーメンテーションを行います。

その後、パーチメントは大量の水で4回ほど洗浄されます。

次に、アフリカンベッドで12日間ほど乾燥させます。

乾燥の間、パーチメントは手作業で選別され、不良豆が取り除かれます。

FLAVOR COMMENT

浅煎り。

アプリコットやグリーンアップル、緑茶、栗、和柑橘、旨みを感じる複雑な風味。

スムースな質感で、ブラウンシュガーのような甘さが長く続きます。

BEANS DATA

【生産者】Miguel Armando Sagastume(ミゲル・アルマンド・サガストゥメ)

【農園】Finca Los Cedros (フィンカ・ロス・セドロス)

【地域】El Sauce, Santa Barbara (サンタバルバラ、エル・ソース)

【標高】1,650m

【品種】Pacas(パカス)

【生産処理】Fully Washed(ウォッシュド)

【エクスポーター】San Vicente(サン・ヴィセンテ)

COFFEE BEANS 2|
Guatemala / Easperanza Pacamara(グアテマラ / エスペランサ・パカマラ)

グアテマラ北西部、メキシコとの国境の近くに位置するHuehuetenengo(ウエウエテナンゴ)。

その中でも、昨今スペシャルティコーヒーの産出地としてその名を上げている地域、Hoja Blanca(オハ・ブランカ)地区に位置するLa Esperanza(ラ・エスペランサ)は、常に品評会で優れた評価を受けている名門農園です。

2009年のCOEで5位になったのを皮切りに、過去7度も入賞を果たしており、2020年には3位、今年(2025年)にも25位に輝いています。

生産者のAurelio Villatoro(アウレリオ・ヴィジャトロ)氏は、その日その日に収穫されたチェリーを少量ずつ小さな精選機にかけ、丁寧に果肉を除去し、パーチメントに仕上げていきます。

当農園では洗浄後のパーチメントを、乾燥させる前にもう一度「ピラ・デ・レモホ」と呼ばれるソーキングプールに24時間浸します。

こうすることにより豆全体の水分バランスを整え、カップに非常に丸みを帯びた味を生み出すといいます。

そんな超名門から、THE COFFEESHOPが愛してやまないパカマラ種のウォッシュドが入荷しました。

中米で広く栽培されているパカマラですが、特にグアテマラ、ウエウエテナンゴで作られるパカマラ・ウォッシュドは、クリーンで明るい酸質を感じられるものが多く、毎年チェックしているエリアです。

今回のエスペランサ農園のパカマラは、シトラス・ストーンフルーツ系の明るい酸とクリーミィ・ボリューミィな質感という”パカマラらしさ”とともに、ブラウンスパイスを思わせるようなエキゾチックな趣を感じました。

クローブ、シナモン、アニスなどの総称であるブラウンスパイス感、甘さを伴ったスパイシーさで、長い後味と複雑な香りを生んでいます。

温度帯によって複雑に変化するフレーバーと甘さで、一杯で満足感のあるリッチなコーヒーに仕上がっています。

FLAVOR COMMENT

浅煎り。

フローラル、グレープフルーツ、ストーンフルーツ、アーモンド、エキゾチックで複雑な風味。

とろみのある質感で、ブラウンスパイスのような甘さが後味に長く続きます。

BEANS DATA

【生産者】Aurelio Villatoro (アウレリオ・ヴィジャトロ)

【農園】La Esperanza (ラ・エスペランサ)

【地域】Hoja Blanca, Huehuetenango (オハ・ブランカ、ウエウエテナンゴ)

【標高】1,524m

【品種】Pacamala(パカマラ)

【生産処理】Washed(ウォッシュド)

COFFEE COLUMN|
誰かに淹れてもらったコーヒーが一番美味しい話

気温が下がるにつれて、コーヒーを飲む回数も増える今日この頃。

大好きな映画のワンシーンで『一番美味しいコーヒーは、誰かに淹れてもらうコーヒーだ』というセリフがあるのですが、バリスタとして店頭に立っていることが多い時期にはあまりピンときませんでした。

”自分が一番美味しいコーヒーを淹れるんだ。”そういう気持ちで抽出していたのもあると思います。

ただ、最近バリスタを少し離れて人に淹れてもらえる機会が増えてくると、「自分で淹れるより、人に淹れてもらったコーヒーのほうが美味しい」と感じることも多くなりました。

これは抽出が上手・下手ということも大きく関わると思いますが、実は心理的な要素も大きく影響いると思います。

今回は特に”おいしさ”における心理的側面をご紹介したいと思います。

心理学には「ケア効果(care effect)」と呼ばれる概念があります。
これは、“誰かが自分のために行動してくれた” という認知が、脳の報酬系神経を活性化させ、ポジティブな感情を生む現象です。
スタンフォード大学の研究では、同じ料理でも「〇〇が自分のために作った」と説明された方が、より美味しいと評価される傾向があることが報告されています。
そんなことあるの?と不思議に思う方もいると思いますが、この感覚は単なる思い込みではなく、オキシトシンやドーパミンといった幸福ホルモンの分泌によって、実際に味覚評価が変化していくそうです。

コーヒーの味そのものだけでなく「これは自分のために淹れてくれたコーヒーなんだ」という体験が嗅覚を変化させ、より一層格別に感じさせてくれるわけです。

実は味覚はかなり主観的で、その感じ方には環境や感情が強く影響します。
仮に全く同じ豆・同じレシピでも、ストレスを感じながら飲むと苦味を強く感じ、リラックスして飲むと甘みを感じやすくなるそうです。(オックスフォード大学 チャールズ・スペンス氏の研究)

誰かに淹れてもらうとき、特に気心のしれた信頼しているバリスタならばなおさら、比較的私たちはリラックスしている状態が多いと思いますが、この「任せる」という心理状態がポイントです。

コントロールを手放せる“安心感”こそが体の緊張を解き、味覚の感度を高めていると研究結果が出ています。

これは「社会的共有の温度」と言うそうで、共に時間を分かち合うことにより心理的に感じる温度が上昇することを指します。
前述したオックスフォード大学のチャールズ・スペンス教授らの研究では、人は『温かい飲み物を手に持つと他者により温かみ感じる』という結果が出ています。
手にしたカップのぬくもりが「社会的温かさ」に関する脳の領域を活性化させ、人への信頼や共感を高めるそうです。

つまり、「誰かが自分のために淹れた温かいコーヒー」を飲む行為は、味覚だけでなく人間関係の心理的温度まで上げてくれる体験になります。
そのぬくもりを“美味しさ”として感じ取っているのではないでしょうか。

コーヒーは液体の抽出物ですが、感情や記憶の媒介となることもあると思います。
香りが記憶を刺激し、湯気や味わいで安心感や懐かしさを感じる。
誰かが自分のために淹れてくれた一杯には、目には見えない「関係の記憶」が大きく関わっているかもしれません。

自分で抽出したコーヒーはどうしても技術や理論に着目しやすくなってしまいますが、誰かに淹れてもらうコーヒーは心・感情に着目しやすくなるのではないでしょうか。

お客様とバリスタ、そういう関係性が築けるお店があると、コーヒーの楽しみ方が何倍にも広がっていくのだと思います。

そして願わくば、お客様にとってTHE COFFEESHOPがそういうお店であってくれると嬉しいですね!

それでは良いコーヒーライフを!

定期便でお届けのコーヒーの内容をライブ配信でご紹介!

InstagramとYouTubeのライブ配信・Xスペースで、定期便でお送りしているシングルオリジンのコーヒー豆についてご紹介しています。

配信はアーカイブでもご覧いただけます。ぜひチェックしてくださいね。

次回お届け予定のコーヒー|BDSシングルオリジンプラン

Costa Rica / Helsar Luma YH

Nicaragua / Las Delicias Javanica washed

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 11月12日(水)予定

毎月ポストにコーヒー豆をお届け!THE COFFEESHOPのスペシャルティコーヒーのサブスク(定期便)。世界各国の高品質の美味しいスペシャルティコーヒーをお届けします。

THE COFFEESHOPが直接買い付けた日本初上陸のコーヒー豆など、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ。

新規お申し込みで〈BREW GUIDE〉プレゼント!

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過去のBDSお届けリスト

WRITER

Daito Hagiwara

THE COFFEESHOPロースター

THE COFFEESHOPにて取り扱うすべてのコーヒー豆の仕入れと焙煎・クオリティコントロールを担当。日々焙煎の研究とコーヒー豆の品質チェックを行う。2024年Next up Roasting Championship優勝。

毎週日曜日18:30〜Instagram、YouTube、Xスペースでライブ配信中!

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