エチオピアとコロンビアのコーヒー豆をお届け!スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉vol.262
多種多様なコーヒー豆の違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、スペシャルティコーヒーのサブスク”Beans Delivery Service“(BDS)。
10月23日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!
スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉
毎月ポストへお届け。スペシャルティコーヒーのサブスク〈Beans Delivery Service〉。
どのコースでも新規お申し込みの方全員に、THE COFFEESHOPオリジナルレシピブック”BREW GUIDE”プレゼント中!
BDS MAGAZINE〈vol.262〉
こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。
今週から東京はすっかり秋の空気になりました。
肌寒いと感じる時期になると、不思議と浅煎りより少し深めのコーヒーに手が伸びるのは何故なんでしょうね?
10月限定販売のOctober Mixは、中深煎りのバランスで今の時期にぴったりな雰囲気。
ほっこりと温まりたいときにふさわしいコーヒーですので、ぜひお試しくださいね!
それでは、BDS MAGAZINE〈10月23日号〉スタートです!
COFFEE BEANS 1|
Ethiopia / Shantawene Natural(エチオピア / シャンタウェネ・ナチュラル)
2020年エチオピアCOEで優勝を果たしたニグセ氏が手掛けるShantawene WSは、周辺3km圏内の小規模生産者からチェリーを買い付けています。
シダモは極めて標高が高く、寒暖差が大きい為に病害虫のリスクが低く、時間を掛けてゆっくりとチェリーが熟します。
こういった環境や品種により、独特なフレーバーや果実味を生成していると考えられています。
ニグセ氏は両親から受け継いだ土地にて、16歳のころよりコーヒー生産に携わっています。
長い道のりをロバを使いマーケットへチェリーを運び入れていた時代もある苦労人です。
2020年のCOE優勝以来、ニグセ氏のコーヒーは世界中からオファーが殺到するようになりました。
クオリティ面同様に、環境問題への取り組みとして、周辺農家へ農薬や化学物質の使用を避けるという試みも行っています。
昨年はじめてこのロットをカップしたときもそうですが、一口啜るだけでフレーバーの個性が伝わる、素晴らしいコーヒーです。
今年は特にフローラル感じる果実味が強く、爽やかな余韻と相まって白桃のようなフレーバー。
温度が下がるにつれて、緑色系のフルーティさ、特にマスカットのように感じました。
ここまで複雑性とクリーンカップが共存できるのは、素晴らしい土地でそれに適した品種を、とても丁寧に生産しているからに他なりません。
素晴らしいエチオピアのナチュラルは、やはり他の生産地とは一線を画す特別なコーヒーだということを、改めて感じさせてくれるコーヒーです。
FLAVOR COMMENT
-
浅煎り。
白桃やアプリコット、ほのかにマスカットやグリーンハーブのような風味。
スムースな質感で、完熟フルーツやチョコレートのような甘さの余韻が長く続きます。
BEANS DATA
-
【生産者】シャンタウェネ周辺の小規模生産者
【地域】Shantawene, Bensa, Sidamo(シダモ、ベンサ、シャンタウェネ)
【標高】2,100m
【品種】74167
【生産処理】Natural(ナチュラル)
COFFEE BEANS 2|
Colombia / Las Perlitas Pink Bourbon(コロンビア / ラス・ペルリータス・ピンクブルボン)
楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。エチオピア待望の2024年ニュークロップが到着です!
今回お届けのWorkaは日本でもとても人気の高い生産エリアで、たくさんのロースターが取り扱っているので名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。
到着したコーヒー実に透明感があり、シトラスや洋梨、白ぶどうのような爽やかさを感じます。
酸味も穏やか、甘さもサトウキビ・きび砂糖のように素朴な印象で、じんわりと旨みの広がるやわらかな飲み口。
抽出も無理にフレーバーを出そうせず、自然に出てきたやさしい甘みを楽しんでいただきたいです。
特に今回お届けのロットは、各地の標高1,600m〜2,000mの農園で栽培された、ピンクブルボンだけを集めたスペシャルロット。
ピンクブルボンという品種はその名の通り、真っ赤ではなく少し薄い色づきに熟すチェリーが特徴。
『ブルボン』と名前にあるとおりブルボン系の系譜と考えられてきましたが、近年ではエチオピア原生種にルーツがあるとされています。
実際、豆の見た目は細長い形をしていて、JavaやGeishaに似たような雰囲気。
味わいもブルボン系とは少し違うニュアンスで、力強い酸味と甘さ、パッションフルーツ系のフレーバーが出ることが多い印象です。今回のロットもその特徴がはっきりと感じられて、エキゾチックな果実感はパッションフルーツやラズベリー、グレープフルーツ、グァバなど。らしさの溢れたジューシーな仕上がりになっています。
FLAVOR COMMENT
-
中煎り前半。
エキゾチックで、パッションフルーツやラズベリーなど甘酸っぱい風味。
軽やかな質感で、チョコレートやブラウンスパイスのような甘さがあります。
BEANS DATA
-
【ロット名】Las Perlitas(ラス・ペルリータス)
【地域】Pitalito / Garzon / Santa Maria(ピタリート、ガルソン、サンタマリア)
【標高】1,600〜2,000m
【品種】Pink Bourbon(ピンクブルボン)
【生産処理】Washed(ウォッシュド)
COFFEE COLUMN|
永遠のテーマ・浅煎りvs深煎り論争
コーヒーという飲み物の大きな魅力のひとつは、多種多様な味わいがあることですよね。
ただそれゆえに、コーヒーをテーマにした”論争”が巻き起こることもしばしば。
生産地・品種・精製・焙煎・抽出と、味に影響する要素があまりにも複雑に絡み合い、コーヒー好きのなかでもそれぞれ違うバックボーンがあるので、一人ひとりに異なる”理想のコーヒー像”が生まれてしまうわけです。
なかでも、古くから延々と続くコーヒー論争の大テーマといえば、『浅煎りvs深煎り』。
同じコーヒーという飲料でも大きく性格の異なるこの二つ、ときには対立構造といってもいいほどの隔たりを生んでしまうこともありますよね。
今回のコラムでは『どっちも好き派』、平和主義の萩原が、この論争について深掘りしてみたいと思います。
まず大前提としておさえておくべきは、味覚の感度と嗜好は、個々人によって異なるということです。
『浅煎りvs深煎り』という対立は、言い換えると『酸味vs苦味』とも考えられますが、この二つの味覚要素は人によって感じ方、許容できるボリュームに差があります。
特に、苦味は人によって差が大きい要素。全くない方がいい人もいれば、強ければ強いほど良い!という人もいるほどです。
個人的な見解ですが、苦味はコーヒーの味について話すときにしばしば登場する”コク”という表現に関係が深いと思っています。
味覚における”コク”という言葉は、主に『味の複雑性・奥行きがある』という意味で使われます。
この場合の味の複雑性・奥行きは、味を構成する味覚5要素(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)のうち、『甘味・うま味・苦味』によって形作られていると考えられます。(酸っぱいもの、しょっぱいものに”コク”という表現はあまりしないですよね?)
つまり、不快に感じないボリュームの苦味は、コーヒーに大切な(とされている)”コク”を生み出すのに重要な役割を果たしているわけです。
このことは調理の世界だとわりと常識で、味に奥行きを持たせるためにわざと食材を少し焦がす、ということは頻繁に行われています。
ただ、前述のとおり苦味の許容度は人によって差が大きいので、ある人にとっては”コク”として、またある人にとってはただの不快な苦味になってしまいます。
このことが、『浅煎りvs深煎り』論争を解決させづらくなっている原因のひとつになっていると思っています。
ちなみに、それと近い現象はコーヒーの『酸味』においても起きているはず。
人の舌で感じることができる最低限のボリュームの味覚を”味覚の閾値”といいますが、味を構成する5要素のうち、苦味・酸味の順番で閾値が低い(=敏感に感知できる)とされています。
特に日本人は酸味に対する許容度が低い国民性、という調査もあり、酸味が苦手な人にとっては浅煎りは考えられない!となってしまうわけです。
そんなふうに長年繰り返されてきた『浅煎りvs深煎り』論争、結論としては『それぞれの趣向による!』としか言えないのですが、少なくともお互いに尊重し合って、程よい距離感で共存できたらいいですね。
THE COFFEESHOPでは浅煎りから深煎りまで幅広いラインナップが揃っているので、どっちの派閥の方でも楽しんでいただけるお店になっていると思います。みんな仲良く、平和にコーヒーを楽しみましょうね!
それでは良いコーヒーライフを!
次回BDS発送予定
BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 11月6日(水)予定
※11月は第1水曜・第3水曜の発送となりますのでご注意ください。
毎月ポストにコーヒー豆をお届け!THE COFFEESHOPのスペシャルティコーヒーのサブスク(定期便)。世界各国の高品質の美味しいスペシャルティコーヒーをお届けします。
THE COFFEESHOPが直接買い付けた日本初上陸のコーヒー豆など、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪
新規お申し込みで〈BREW GUIDE〉プレゼント!
どのコースでも新規お申し込みの方全員に、THE COFFEESHOPオリジナルレシピブック”BREW GUIDE”プレゼント中!
WRITER
-
Daito Hagiwara
THE COFFEESHOP ストアマネージャー・ロースター。
THE COFFEESHOPにて取り扱うすべてのコーヒー豆の仕入れと焙煎・クオリティコントロールを担当。焙煎技術を競う大会であるローストマスターズチームチャレンジ2018に関東Aチームとして出場、優勝。 日々焙煎の研究とコーヒー豆の品質チェックを行う。
毎週水曜日21:00〜Instagram、YouTube、Xスペースでライブ配信中!