ブラジルとケニアのコーヒー豆をお届け!スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉vol.258
多種多様なコーヒー豆の違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、スペシャルティコーヒーのサブスク”Beans Delivery Service“(BDS)。
8月21日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!
スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉
毎月ポストへお届け。スペシャルティコーヒーのサブスク〈Beans Delivery Service〉。
どのコースでも新規お申し込みの方全員に、THE COFFEESHOPオリジナルレシピブック”BREW GUIDE”プレゼント中!
BDS MAGAZINE〈vol.258〉
こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。
8月も後半になり、真夏のピークが去ったような空気がやってきました。
みなさまお盆期間は充実したお休みを過ごされましたでしょうか?むしろ繁忙期で忙しくされていた方も多いかもしれませんね。
ROAST WORKSはお盆休みをいただき、スタッフ一同リフレッシュさせていただきました。
コーヒー豆ラインナップの変更もあり、気分も新たに営業しております!
それでは、BDS MAGAZINE〈8月21日号〉スタートです!
COFFEE BEANS 1|
Brazil / Fazenda Guariroba Cold Summer(ブラジル / ファゼンダ・グアリロバ・コールドサマー)
今回ご紹介するFazenda Guariroba (グアリロバ農園)の歴史は19世紀、João Ferreira Carneiro氏からはじまり、現在5代目のHomero Aguiar Paiva氏にそのコーヒーに対する熱意と伝統が受け継がれています。
Homero氏は、家族のGabriel Lamounier Vieira氏、Elisa Paiva Lamounier氏、MaríliaAguiar Paiva氏と共に農園の管理をおこなっており、積極的に新しい栽培技術の開発に取り組んでいます。
スペシャルティコーヒーの生産に特化し、近年では、カーボニックマセレーション、アナエロビックやアエロビックファーメンテーションなどの開発に取り組んでいます。
グアリロバ農園の品質は国内外で高く評価されており、Cup of Excellence(COE)2016 Brazil Naturalsで見事1位を受賞。
2018年には、Brazil Pulped Naturalsで8位、2019年のCOEではNational Winnerを受賞など、国内外で数々の賞を受賞しています。
今回ご紹介するのはそんな伝統ある名門農園より、『Cold Summer』と名付けられたロットです。
スペシャルティの生産、特に生産処理の技術に定評のあるグアリロバ農園では、プロセスごとに細かいロット分けがなされ、それぞれ特徴的なカッププロファイルを提供してくれています。
つい先日までTHE COFFEESHOPでは同農園の別ロット、『Sweet Caramel』を販売していたので、聞き馴染みのある方も多いかもしれませんね。
『Cold Summer』の精製プロセスは、『Double Anaerobic Black Honey』という特殊なもの。
まずチェリーの状態で48時間、コーヒー畑から選別された特定の微生物とともに密閉されたタンクの中で発酵させます。
この1度目の発酵プロセスの後、パルパーで果肉を除去し、さらにもう一度72時間の嫌気性発酵にかけます。
この2度の嫌気性発酵により、独特なフレーバーとアロマが発達し、個性的な味わいが生まれるのです。
発酵プロセスのあとはそのままアフリカンベッドで約20日間かけて天日乾燥、水分値を11.5%まで持っていきます。
これらの複雑な精製プロセスは一般的なブラジルの方法とは一線を画しており、本ロットのユニークな味わいの発達を生み出しています。
豆を挽くと最初に感じるのはレモングラス、ブラウンスパイスのような個性的なアロマ。
それだけだとかなりエッジの効いたフレーバーかと思いきや、抽出したコーヒーを口に含むとリンゴの蜜のような甘さを全面に感じます。
ドライの時に感じたスパイシーさももちろんありますが、どちらかというとアクセント的な立ち位置。
抽出方法にも寄りますが、ユニークなフレーバーよりも蜜のような甘さを楽しめるコーヒーに仕上がっていると思います。
後味にはブラジルらしいアーモンドやキャラメルのような落ち着いた甘さもあり、一口で様々な味わいを感じることができる複雑な一杯です。
鼻に抜けるレモングラスの清涼感は、残暑厳しい8〜9月にぴったりな雰囲気。
まさしくロット名にもなっている”Cold Summer”なこの季節に味わっていただきたいコーヒーです。
ぜひお楽しみください!
FLAVOR COMMENT
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中煎り。
りんごの蜜やレモングラス、アーモンド、山椒、クローブのような風味。
滑らかな質感で、後味にキャラメルのような甘さが長く続きます。
BEANS DATA
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【生産者】Homero Aguiar Paiva, Gabriel Lamounier(オメロ・アギアル・パイバ、ガブリエル・ラモウニエル)
【農園】Fazenda Guariroba(ファゼンダ・グアリロバ)
【地域】Campo das Vertentes, Minas Gerais(ミナスジェライス州 カンポ・ダス・ベルテンテス地区)
【標高】1,100m
【品種】Yellow Catucai(イエローカトゥカイ)
【生産処理】Double Anaerobic, Black Honey(ダブルアナエロビック、ブラックハニー)
COFFEE BEANS 2|
Kenya / Karindundu(ケニア / カリンドゥンドゥ)
世界で最も優れているコーヒー生産国のひとつという評価を得ているケニア。
カリンドゥンドゥ・コーヒーファクトリーは、ケニア山山麓のニエリ地区にある「バリチュ農協」のコーヒー水洗処理・乾燥場です。
この地方はケニアの中でも高品質のコーヒーの生産地として有名です。
高い標高で栽培され、人の手により一つ一つ丁寧に収穫されたコーヒーチェリーは、この工場でパルピング・水洗処理・乾燥されています。
水源は近隣を通るサガティ川から、ポンプで水を引いて十分に確保がされています。
バリチュ農協は現在520名の農家から構成され、メンバーには農業研修や施肥の支援、そして学費の援助なども積極的に行っています。
また、品質を保つためにコーヒーの栽培エリアでは間作は行っておらず、別のエリアでマカダミアやバナナ、トウモロコシなどを育てています。
今回のこのロットは、THE COFFEESHOPでは久々に中煎り程度まで焙煎を進めています。
ケニアらしいジューシーな果実味もありますが、むしろブラウンシュガーやカカオニブを思わせるような甘さと、スムースな口当たりに魅力を感じたためです。
焙煎度の違いによって引き出せる長所が変わってくるというのも、ケニアという生産地が世界最高峰と呼ばれる所以と思っています。
感じる果実味はダークチェリーやドライプラム、グレープ、温度によっては赤ワインのような印象も。
酸味は強すぎず丸めるようなイメージで仕上げていますので、どなたにもオススメできるバランスのコーヒーだと思います!
FLAVOR COMMENT
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中煎り。
ブラウンシュガーやオレンジ、ダークチェリー、ドライプラム、カカオニブのような風味。
スムースな質感、チョコレートのような甘さで、すっきりとした余韻で終わります。
BEANS DATA
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【生産者】Barichu Coop(バリチュ生産者組合)
【精製所】Karindundu Factory(カリンドゥンドゥ・ファクトリー)
【地域】Konyu, Mathira, Nyeri(ニエリ地方、マシラ地区、コンユ村)
【標高】1,750m
【品種】SL28,SL34
【生産処理】Fully Washed(フリーウォッシュド)
COFFEE COLUMN|
JACRCに出場しました
先日、THE COFFEESHOPロースター萩原が『JACRC』という焙煎のコンペティションに参加してきました!
『JACRC(Japan Aeropress Championship Roast Competition)』は、Aeropressを使った抽出の大会である『Japan Aeropress Championship』決勝大会の競技豆を焙煎するロースターを決める大会です。
数年前から毎年恒例で開催されており、萩原は昨年に引き続き2度目の挑戦でした。
この大会では、エントリーしたロースターがそれぞれ同じ課題の生豆を焙煎して提出。
参加者自身が審査員となってそれらの豆をブラインドでカッピングし、品質を評価します。
今年のエントリーは全30ロースター!日本を代表するような有名店から地方の個人店まで、多様な顔ぶれでした。
課題豆となったのはコロンビアのウォッシュドプロセスで、品種はコロンビア種。
病害への耐性があるハイブリッド系品種ですが、通常のアラビカ種と遜色ないような風味をもつ品種です。
今回最大の難点だったのは、提供された生豆の数量が5kgしかなかったこと。
通常、こうしたローストコンペはもちろん、お店で販売するコーヒー豆を焙煎するときにも、何度かのテストローストを経て焙煎プロファイルを調整、プロダクトとして仕上げていきます。
ところが、ROAST WORKSで使用している焙煎機はPROBAT 12kg。
釜のサイズが大きいために、5kgしかない生豆だと何度も試し焼きができず、1発勝負で焙煎するしかありませんでした。
幸い、コロンビア・ウォッシュドプロセスの焙煎経験はそれなりにありますが、もちろん物によって挙動が違うため、焙煎中の生豆のようすを逐一観察してリアルタイムで焙煎を調整。
なんとか納得のいく形に仕上げて提出しました。
参加者が集まってのカッピング審査会が開かれたのは8月19日。
30種類のロースター違いのコーヒーが並び、審査が行われました。
ここでは細かい点数をつけるのではなく、自分で品質が高いと評価したものを上位5位まで指名。
1位〜5位まで、それぞれ5点、4点…と点数がつき、参加者の合計で最も獲得点数が高かったカップが優勝となります。
実際にカップを取ってみると、どのカップも比較するのが難しいほど素晴らしい仕上がりのものばかり。
『美味しい』という範疇の中においても、カップごとに酸質や質感、後味の残り方に差があり、とても興味深い結果でした。
コーヒーの品質における焙煎の重要性、そしてロースターごとの焙煎の個性というものを再認識できた審査会だったと思います。
肝心の結果は残念ながら入賞ならず。
追ってどのカップを誰が焙煎したのかが公開されましたが、自分のカップにそこそこの評価を自分でつけていたので、悔いのない結果だったと思います。
最終の順位や、それぞれの審査員からのフィードバッグなどは後日送っていただけるそうで、早く振り返りしたいところです。
見事優勝されたのは石垣島でロースターをされているFUSHI COFFEE ROASTERS 松本光市さん。おめでとうございます!
競技会への参加は、自身の焙煎について改めて考えられたり、他のロースターの焙煎について知ることができたりと、普段の業務にも生かせる経験ができます。
今後も積極的に参加して、いつか皆様にも良い結果を報告できるよう精進したいと思います!
それでは良いコーヒーライフを!
次回BDS発送予定
BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 9月11日(水)予定
毎月ポストにコーヒー豆をお届け!THE COFFEESHOPのスペシャルティコーヒーのサブスク(定期便)。世界各国の高品質の美味しいスペシャルティコーヒーをお届けします。
THE COFFEESHOPが直接買い付けた日本初上陸のコーヒー豆など、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪
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WRITER
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Daito Hagiwara
THE COFFEESHOP ストアマネージャー・ロースター。
THE COFFEESHOPにて取り扱うすべてのコーヒー豆の仕入れと焙煎・クオリティコントロールを担当。焙煎技術を競う大会であるローストマスターズチームチャレンジ2018に関東Aチームとして出場、優勝。 日々焙煎の研究とコーヒー豆の品質チェックを行う。
毎週水曜日21:00〜Instagram、YouTube、Xスペースでライブ配信中!
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