Monthly Beans Magazine|2022年5月号 [vol.92]
現在発売中のコーヒー豆の情報や、特集記事、BDS発送カレンダーなどを掲載した毎月発行のmbm(Monthly Beans Magazine)。
2022年4月号の内容をご紹介いたします!
Short Story|コーヒー豆 価格高騰の背景
みなさんは、大手カフェチェーンや家庭用コーヒーなど、各社で値上げのニュースが続いていることはご存知でしょうか。主にコモディティコーヒー市場で値上げの波が高くなっている現状ですが、コモディティとは異なる価格の決まり方をするスペシャルティコーヒーにも、少なくない影響が出始めています。
そもそも、なぜ昨年から今年にかけて、コーヒー値上げの動きが出ているのでしょうか。
まずはもっとも風上と言える生産地の状況です。以前のmbmでもお伝えしましたが、昨年はじめごろからブラジルに記録的な寒波が到来。霜害によって減産が見込まれ、先物価格の上昇が起きました。それに加え、原油価格の高騰によって肥料や資材の価格が上昇。コーヒー生産に関わるあらゆるコストが上がってしまっているのです。
そして、特に中米で深刻なのがピッカーの不足。ピッカーとはコーヒーチェリーの摘み取りをする作業員のことで、収穫がピークを迎える時期にだけ農園にやってきて仕事をする期間労働者です。いつもであればピッカーに従事する労働者たちですが、このところは稼ぎの良いアメリカに渡ってしまっているのだとか。その背景には、バイデン政権に変わって以降、中米からアメリカへの労働者が入国しやすくなった、という事情もあるそうです。ピッカーが不足すると、農園主はより高い報酬を提示して労働者を確保する必要が出てきますし、最悪の場合収穫がうまく進まず、品質の低下や収穫量の減少という事態に陥る場合もあるとか。いずれにせよ、生産コストの上昇は避けられなくなるわけですね。
また、巨大な貨物船に載せて地球の裏側からやってくるコーヒー生豆ですから、輸送コストも製品価格に大きく影響してきます。原油価格の上昇による燃料費の影響はもちろん、昨年以降は新型コロナの影響でコンテナの数が不足しているという話も。コンテナが足りなければ物流が滞り、物の数が少なくなるために価格が上がる、という悪循環になるわけですね。
そして、ほぼ100%を輸入に頼るコーヒー豆にとって、価格高騰の流れにトドメを刺す形となったのが、今年に入ってからの円安です。円安になると円の価値が相対的に下がるため、輸入には不利に働きます。コモディティコーヒーとは別軸で価格の決まるスペシャルティコーヒーでも、この円安の影響は避けられないため、これまで以上により多くのコーヒー関係企業がダメージを受ける形となります。
私たちTHE COFFEESHOPの足元でも、生豆をはじめ様々なものの価格が変わり始めています。いまのところすぐに値上げ、という段階までは至っていませんが、状況が好転しなければ検討しなければいけないかもしれません。いずれにせよ、ただ値上げします!というのではなく、コーヒー業界ではこんなことが起きている、ということはしっかりご説明して参りたいと思いますので、またお読みいただければ幸いです。
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The Monthly Beans Line Up -今月の豆ラインナップ-
Information
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昨年大好評でしたので、今年はデカフェバージョンも数量限定でご用意いたしました。店頭とオンラインショップで発売中です!
今月のカレンダー
次号mbm発行予定
次回2022年6月号は6月1日発行を予定しております。お楽しみに!
それではみなさま、良いコーヒーライフを!
mbmは店頭やオンラインストアで商品をご購入の際に無料でお入れしております。ぜひゲットしてください!
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