エルサルバドル2種をお届け!スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉vol.254
多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、スペシャルティコーヒーのサブスク”Beans Delivery Service“(BDS)。
6月26日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!
スペシャルティコーヒーサブスク〈Beans Delivery Service〉
毎月ポストへお届け。スペシャルティコーヒーのサブスク〈Beans Delivery Service〉。
どのコースでも新規お申し込みの方全員に、THE COFFEESHOPオリジナルレシピブック”BREW GUIDE”プレゼント中!
BDS MAGAZINE〈vol.252〉
こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。
梅雨入りが発表された東京、普段自転車移動の多いTHE COFFEESHOPメンバーにとっては嫌な季節に入ってきました。
雨の多い梅雨はコーヒーの焙煎にとっても厄介な時期。
日々カッピングを繰り返しながら、いつもと変わらぬ美味しさをお届けできるよう調整し続けています。
今回お届けのコーヒーも、ちゃんとアジャストできているはず!
フレッシュなコーヒーを淹れて気分を上げていきましょう!
それでは、BDS MAGAZINE〈6月26日号〉スタートです!
COFFEE BEANS 1|
El Salvador / La Hondurita & El Trompillo Pacamara(エルサルバドル / ラ・ホンジュリータ & エル・トロンピーヨ・パカマラ)
今回ご紹介のこのコーヒーは、2023年3月にロースター萩原が訪れたエルサルバドルにて、現地でセレクトしてきたロットのひとつです。
今回のコーヒーを届けてくれたエクスポーター・Cafe Norは、1800年代・4世代前から続く、伝統ある会社です。
エルサルバドル北部に位置するサンタアナ・チャラテナンゴの小規模生産者たちのチェリーを集め、サンタアナ近郊にあるドライミルで精製を行っています。
代表のアレハンドロ氏は地域のリーダー的存在で、小さな農園を運営する100以上の生産者たちとともに、高品質なコーヒー生産に取り組んでいます。
エルサルバドルでの滞在は、すべてアレハンドロがアテンドしてくれたのですが、数日でも一緒に過ごせば誰しも彼のことを好きになるような、理知的でお茶目な紳士でした。
Cafe Norの取り組みについてたくさんの話を聞かせてくれたのですが、その全てに一貫して感じたのは、彼らのコーヒービジネスをいかに持続的に続けていくか、という観点でした。
それは、コーヒーの高い品質を維持するということは当然として、環境の保護や、生産者の収入の安定など、多角的な視点から考えられていました。
エルサルバドルという国は決して裕福ではなく、情勢も安定しているとは言い難い状況にあります。
その中でも、コーヒーという仕事に誇りと責任をもって、未来のこどもたちの代まで続けていこうとするアレハンドロたち生産者の姿は、いち消費国のロースターとして感動を覚えるものでした。
今回ご紹介のロットは、ラ・ホンジュリータとエル・トロンピーヨという二つの農園で収穫された、パカマラ種・ウォッシュトプロセスのカスタムロットです。
ラ・ホンジュリータは昨年にもパカマラのナチュラルプロセスを取り扱っていたので、覚えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
味わいの軸になるのは、パカマラ種の特徴のひとつでもあるリッチな質感。とろみを感じるような滑らかさとボディで、リッチな飲みごたえを感じることができます。
また、ブラウンシュガーやナッツのような甘さと共に、焦しバターのような風味も。とろみ感のある口当たりと合わせて、バタースコッチキャンディのように感じました。
THE COFFEESHOPの定番商品になりつつあるエルサルバドルのパカマラ種。
どうぞお楽しみください!
FLAVOR COMMENT
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中煎り。
グレープフルーツやマカダミアナッツ、バタースコッチのような風味。
とろみのある質感で、ブラウンシュガーのような甘さが長く続きます。
BEANS DATA
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【生産者】ホセ・アルヌルフォ・モンティエル、オヴィディオ・フローレス(Jose Arnulfo Montiel, Ovidio Flores)
【農園】ラ・ホンジュリータ、エル・トロンピーヨ(La Hondurita, El Trompillo)
【地域】ラ・パルマ、チャラテナンゴ(Charatenango, La Palma)
【標高】1,550m
【品種】パカマラ(Pacamara)
【生産処理】ウォッシュト(Washed)
COFFEE BEANS 2|
El Salvador / Ever Diaz Pacas Honey(エルサルバドル / エベル・ディアス・パカス・ハニー)
今回ご紹介するEver Diaz(エベル・ディアス)氏が手がけたFinca Mileydi(フィンカ ミレイディ)という農園は、2021年のCup of Excellenceで1位に輝いた農園です。
とても小さな農園ですが自宅の庭に遮光カーテン付きのアフリカンベッド構えており、ゆっくりとコーヒーを乾燥させることを心掛けています。
この日陰で干すというプロセス、手間と時間がかかる代わりに品質が高く生豆の状態でフレーバーが長持ちする手法。
エルサルバドルではあまり取り入れられていませんが、エベル氏が実に真摯にコーヒー作りに取り組んでいることの現れであり、そうした姿勢が2021年COE優勝という輝かしい成績をもたらしたのだと思います。
しかし実はこのエベル氏、無念にも2022年5月25日に37歳の若さにして、癌により亡くなられてしまいました。
2022年の収穫期はほとんどを闘病生活に費やさざるを得なかったのですが、それでもできる限り農園で暮らし、奥さんのノレルビアさんにこれまでの仕事の全てを伝え、今後も美味しいコーヒーを家族が作り続けてくれるように最後の最後までコーヒーのことを気にしていたそうです。
現在では彼の家族が農園を引き継ぎ、今後もコーヒー栽培を継続していくとのこと。
ミレイディ農園のコーヒーのクオリティが素晴らしいのはもちろんですが、彼の残された家族を微力ながら支えていくためにも、継続して購入したいと思っている農園です。
味わいはパカス種らしい、軽やかで爽やかな甘みと質感、リンゴや柚を思わせるような繊細で丸みを帯びた酸味が特徴。
また、軽快なフルーティさはチェリー、特に糖度の高い日本のさくらんぼを感じさせました。
COE優勝を果たしたのはパカマラ種のロットでしたが、このパカス種も素晴らしい個性とバランスを秘めたコーヒーだと思います。
派手さはないものの、じんわりと続く滋味深い甘さが心地よい一杯。
エベル氏の熱意のこもったコーヒーを、ぜひご賞味ください!
FLAVOR COMMENT
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中煎り前半。
さくらんぼやアップル、柚、グリーンティのような風味。
ラウンドな質感で、爽やかな甘さの余韻が続きます。
BEANS DATA
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【生産者】エベル・ディアス、ノレルビア・ディアス(Ever Diaz, Nolervia Diaz)
【農園】フィンカ・ミレイディ(Finca Mileydi)
【地域】チャラテナンゴ、エル トゥネル(El tunel ,Chalatenango)
【標高】1,300〜1,400m
【品種】パカス(Pacas)
【生産処理】ハニー(Honey)
COFFEE COLUMN|
新世代のドリッパー・April vs Graycano
様々な抽出器具やレシピをご紹介している、THE COFFEESHOPのYouTubeチャンネル。この原稿を書いている6/25、チャンネル登録者数が5,000人を突破しました!
動画の投稿を始めたのが2019年7月。ゆっくりですが、着実に動画を見ていただける方が増え、本当にありがたい限りです。
THE COFFEESHOPチャンネルの人気コンテンツといえば最新のコーヒー器具のご紹介。
グラインダーやスケールをはじめコーヒーに関連するグッズの中から、ロースターの萩原が気になっているものを実際に購入して検証、その使い心地をご紹介しています。
最近では特に、海外のコーヒーブランドからリリースされている新しいドリッパーの紹介動画に、多くの反響をいただいています。
今回のBDSマガジンでは、中でもTHE COFFEESHOPでも販売の取り扱いに至った2つのドリッパー、April BrewerとGraycano Dripperについて、それぞれの特徴を簡単にまとめてみたいと思います。
April Brewerは、デンマークのロースターApril Coffee Roasterのパトリック氏が、コーヒーの抽出技術を競う世界大会・World Brewers Cup 2019に出場するにあたって開発したドリッパー。
その大会でパトリック氏は惜しくも2位となりましたが、カップスコアでは最高得点を記録。
大会を通じてもっとも美味しいコーヒーを抽出したドリッパーとして、一躍注目を集めました。
このドリッパーを実際に使って見て感じる長所は、抽出の安定性があること。
直径の広い平底型の形状からお湯が粉全体に均一に行き渡りやすく、抽出の失敗が少ない印象をもちます。
また、注ぎ方をコントロールすることで狙った味わいを表現できるのもポイント。
シンプルなレシピで安定した抽出が再現性高く行えるので、初心者から上級者まで幅広くお勧めできるドリッパーです。
ドイツで生まれたGraycano Dripperは、Aprilと同じくWBrCで多くの競技者が採用したことで広く注目を集めたドリッパーです。
WBrC 2023ではギリシャ代表のサヴィナ・ジャクギア選手が使用し、見事2位に輝いています。
このドリッパーの最大の特徴は、アルミニウムという素材でできていること。身近にある金属の中で特に高い熱伝導率を誇り、湯通しをするとあっという間に高温に達します。それによりドリッパー内部の温度を保ち、高い抽出効率を維持することができます。
また、内側に施された独特なV字型のリブにより、お湯の攪拌が促されさらに抽出効率が上がるそう。
『高温・短時間抽出』によって、特に浅煎りコーヒーのフレーバーを最大化するのが得意なドリッパーです。
ただ、注意点としてはペーパーフィルターの選択が重要なところ。『高温・短時間抽出』を実現するためには、お湯抜けが早いフィルターを使う必要があります。
実際、Graycanoの公式レシピでは、SIBARIST(シバリスト)というハイスピードなお湯抜けができるフィルターが推奨されているほど。
お湯抜けが詰まりがちなペーパーを使うとすぐに過抽出になってしまうので、使い方に気をつけたいドリッパーでもあります。
総合するとどちらも良いドリッパーであることには変わりなく、納得できる品質ゆえTHE COFFEESHOPでも取り扱っております。
なにか新しいドリッパーを探している方は、ぜひ参考にしてみていただけると嬉しいです!
ちなみにGraycano Dripperですが、世界中で大人気のため製造が間に合っておらず、次回の入荷は11月になるかも、とのこと…。
気になっている方は入荷情報をお見逃しなく!
それでは良いコーヒーライフを!
次回BDS発送予定
BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 7月10日(水)予定
毎月ポストにコーヒー豆をお届け!THE COFFEESHOPのスペシャルティコーヒーのサブスク(定期便)。世界各国の高品質の美味しいスペシャルティコーヒーをお届けします。
THE COFFEESHOPが直接買い付けた日本初上陸のコーヒー豆など、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪
夏の定期便は水出しアイスコーヒーに変更がおすすめ!お届けタイプ変更キャンペーン
早くも暖かい日が増え、アイスコーヒーが飲みたい季節になってきました。
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WRITER
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Daito Hagiwara
THE COFFEESHOP ストアマネージャー・ロースター。
THE COFFEESHOPにて取り扱うすべてのコーヒー豆の仕入れと焙煎・クオリティコントロールを担当。焙煎技術を競う大会であるローストマスターズチームチャレンジ2018に関東Aチームとして出場、優勝。 日々焙煎の研究とコーヒー豆の品質チェックを行う。
毎週水曜日21:00〜Instagram、YouTube、Xスペースでライブ配信中!
PICK UP ITEM
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