2023年10月25日発送のコーヒー定期便は、エルサルバドルとケニアをお届け!BDS MAGAZINE vol.238
多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。
10月25日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!
ごあいさつ
こんにちは!
THE COFFEESHOP ロースター 萩原です。
現在THE COFFEESHOPは、11月のアニバーサリーイベントに向けて準備の真っ最中。
11/8に10周年を迎えるROAST WORKS、皆様への感謝の気持ちを込めて色々な企画を仕込んでいます。
BDS会員のみなさまには、11/8発送分にて、〈11月限定 November Mix〉のドリップバッグをプレゼント予定!アニバーサリー仕様でプレミアムミックスを配合した贅沢なブレンドとなっておりますので、どうぞお楽しみに。
それでは、BDS MAGAZINE〈10月25日号〉スタートです!
10月25日発送のコーヒー①El Salvador/San Andres Pacas Natural(エルサルバドル/サン・アンドレス・パカス・ナチュラル)
今回ご紹介のこのコーヒーは、2023年3月にロースター萩原が訪れたエルサルバドルにて、現地でセレクトしてきたロットのひとつです。
エルサルバドル北部に位置するチャラテナンゴ県は、例年エルサルバドルCOEでもいくつもの入賞ロットが生まれる、良質なスペシャルティコーヒーの産地です。
滞在先だったメタパンから、生産者さんの運転するピックアップトラックに揺られること2時間半、チャラテナンゴに近づくにつれて乾燥していた地面は黒々としていき、車窓に広がる景色も緑が濃く、力強くなっていきました。
農作物であるコーヒーの木は、生育地の土壌や気候の影響を大きく受けますが、チャラテナンゴの風景は一見して植物が育つのに恵まれた環境であることが伝わってきました。
今回ご紹介のコーヒーを作ってくれたサン・アンドレス農園へは、実際に足を運ぶことができました。
農園主のホセ・アルフレッド・レシーノス氏(フレディ)は若い生産者で、彼の父親から農園を引き継ぎました。
農園の面積は広くなく、急な斜面も多いため、年間の生産量は3,500kgほど。
生産量を増やすことには限界があるため、いかにクオリティを上げていくかが重要になります。
彼の農園ではブルボン、パカス、パカマラ、ゲイシャを育てており、嫌気性発酵など特殊プロセスにも積極的にトライしています。
今回のロットはパカス種のナチュラルプロセス。
エルサルバドルといえばパカマラ種が有名ですが、パカスはその親にあたる品種で、フルーティな甘さととろけるような質感が特徴です。
パカマラ種にも似た特性が出やすいですが、それはこのパカスから引き継がれたものだと考えられています。
精製はナチュラルプロセス。フレディの農園は急勾配の山道を登った先にあり、広い乾燥スペースが作れないため、斜面にベッドを作りナチュラルを中心に精製を行なっています。
到着したコーヒーは、温度が高いときには紅茶やカカオニブのような香ばしさがあり、次第にプルーンやブルーベリーのような紫色系のフルーツ感が顔を出します。
また、ナチュラル由来のほのかな発酵感がありますが、ほどよい加減におさまっており、ロゼワインのような爽やかさを感じました。
冷めるにつれて、口の中を転がるようなラウンドな質感と、チョコレートのような甘さを強く感じます。
特に、後味に長く続くリッチな甘さはとても印象的で、先ほどの発酵感と相まってラムが入ったチョコレートのように感じました。
この後引く甘さ、どこかで味わった覚えがあるな、と思い返していたのですが、それは産地で食べさせてもらったベッドで乾燥中のドライチェリーの味そのもの!
レーズンやチョコレート、黒糖のような甘さを感じたチェリーの味わいが、そのままコーヒーの後味として残っているのです。
約半年を経て、地球の裏側で出会ったあの味にこんな形で再開できるなんて、思ってもみませんでした。
一口飲むごとに、あの爽やかな風の中に乾燥中のチェリーの芳醇な香りが漂うフレディの農園の景色が蘇るようです。
個人的にも実にコーヒーという飲み物のロマンを感じる一杯になりました。
今回のファームビジットについては、MAGAZINEにてより詳しくご紹介しております。
この素晴らしい体験を、少しでもみなさんとシェアできれば嬉しいです。
どうぞお楽しみください!
BEANS DATE
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【生産者】ホセ・アルフレッド・レシーノス(Jose Alfredo Recinos)
【農園】サン・アンドレス(San Andres)
【地域】チャラテナンゴ(Charatenango)
【標高】1,700m
【品種】パカス(Pacas)
【生産処理】ナチュラル(Natural)
10月25日発送のコーヒー②Kenya/Karani(ケニア/カラニ)
今回ご紹介のケニア/カラニは、まるでオレンジジュースかと思えるほどのジューシーさが味わえる、ライトローストでのお届けです。
カラニ・ファクトリーがあるのは、ケニア中央州北東部のキリニャガ・カウンティというエリア。
キリニャガは、隣接するニエリ、ムランガ、エンブと並び、高品質なケニア・スペシャルティの生産地として有名なエリアです。
ケニア最高峰・5,199mを誇るケニア山の南側に位置するキリニャガ・カウンティですが、この“キリニャガ”という言葉はケニア山の別名でもあり、“神の山”という意味を持っています。
ケニアのスペシャルティコーヒー、特に浅煎りに適したロットは、しばしば柑橘系のフルーツやカシス(ブラックカラント)に例えられるようなフルーティな風味を持っています。
今回のロットは、まさしくそうしたケニアらしい特徴が、実に素晴らしい品質で表れているロットだと思います。
バレンシアオレンジやカシスのような明るい酸味があり、同時に後味まで長く続く甘さを感じます。
一口、口に含んだときの第一印象はまさしくオレンジジュース!
スペシャルティコーヒーを愛好している方ならばパッと思い浮かぶような、ケニアらしい魅力が詰まったライトローストに仕上がっています。
生産処理はウォッシュド・プロセス。いわゆる水洗式という処理方法をとっていますが、その内容は実は生産国やウェットミルによって微妙に異なっています。
今回のロットを届けてくれたTYPICAからは、詳細なプロセスの内容をシェアしていただいていますので、ご紹介させてください。
収穫されたチェリーは、24時間のドライ発酵を行い、その後洗浄、きれいな水に12時間浸してからフラットベッドで乾燥させます。
ウォッシュドプロセスと聞くと、水にチェリーを浸した状態でチェリーやパーチメントを発酵させるイメージがあるかもしれませんが、このドライ発酵では水に浸さない状態で発酵させます。
よりプロセスに使用する水の量を減らすための工夫です。
コーヒー生産の過程においては、栽培から生産処理まで、あらゆるところで水が必要になり、かつ汚染された排水が発生するリスクがあります。
また、灌漑設備や上下水道が整っていない地域も多く、水を大切に使用することはコーヒー生産における最も重要なポイントの一つです。
ケニアではコーヒー生産が水質汚濁の原因となっている一方で、その影響を緩和し、より持続可能な生産方法を促進するための取り組みが行われています。
今回のロットを届けてくれたエクスポーターのロックバーンでは、特に水の浪費を抑えるための設備投資やプロセスの改善を図り、持続可能なコーヒー生産に努めていると言います。
BEANS DATE
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【ファクトリー】カラニ(Karani)
【生産者】カバレ生産者組合(Kabare Coop)
【地域】キリニャガ(Kirinyaga)
【標高】1,710m
【品種】SL28、SL34、バティアン(Batian)
【生産処理】ウォッシュド
TOKYO GOOD COFFEE FESTIVALに行ってきました!
先週末の日曜日、東京・京橋で開催された『TOKYO GOOD COFFEE FESTIVAL』に行ってきました!
〈TOKYO GOOD COFFEE FESTIVAL〉は、サスティナブルなコーヒー生産を目指す生産者団体、GOOD COFFEE FARMSが主催するコーヒーイベント。
同日、青山で開催されていた〈TOKYO COFFEE FESTIVAL〉とは名前が似ているのですが、別のイベントになります。
イベントを主催するGOOD COFFEE FARMSは、“Coffee Changing The World(コーヒーで世界を変えよう)”をスローガンに、水・燃料・電気完全不使用の自転車でつくるサステナブルで高品質なコーヒーを、産地から直接届けてくれる生産者団体です。
コーヒー生産の大半を占める貧しい小規模な農家の所得向上と、自然環境の保全を目指し、2017年にグアテマラで始まったGOOD COFFEE FARMSは、現在コロンビアやブラジルにも広がっています。
彼らの手掛けるコーヒーは、生産者や環境保護を重視しているだけでなく、そのクオリティの高さも定評があり、今回のイベントに出店していたロースターはGOOD COFFEE FARMSのコーヒーを中心にラインナップされていました。
THE COFFEESHOPとしてGODD COFFEE FARMSと直接のお取引はこれまでありませんでしたが、今年のSCAJで代表のカルロスさんとお会いすることができ、意気投合するような形で話が盛り上がりました。
SCAJ後にはすぐにROAST WORKSにも来ていただいて、取り扱い豆のサンプルを頂戴した矢先の今回のイベント。
彼らのコーヒーを実際に飲んでみる絶好の機会ということで、遊びに行かせていただきました。
当日は飲み比べチケットを購入して、それぞれの出店ロースターのコーヒーを飲み比べ。
GODD COFFEE FARMSの手掛けるグアテマラ・コロンビアのコーヒーは、出店ロースターたちの素晴らしい焙煎も相まってどれも美味しく、THE COFFEESHOPで焙煎したらどうなるだろう、とワクワクした気持ちになりました。
実際に取り扱いたい豆を選ぶのはこれからですが、GOOD COFFEE FARMSのコーヒーはこれからTHE COFFEESHOPのラインナップとしてもご紹介できる予定。
きっとBDSでもお届けさせていただくことになると思いますので、どうぞお楽しみに!
イベントに行ってもうひとつ興味深かったのは、イベントに出店していたスイーツのブース、SOI INCさん。
ここでは、コーヒーの抽出後のカスを原料にした、COLEHAというお菓子をいただくことができました。
このCOLEHAは、抽出後のコーヒーカスを麹によって発酵させてペースト状にし、そこにカカオバター、砂糖を加えて固め、チョコレートのように形成したもの。
齧ってみると、コーヒーらしい香ばしさとカカオバターの香りと甘さが相まって、まさしくハイカカオのチョコレートのような印象がありました。
こういった代替スイーツ、あまり味が美味しくないものも正直たくさんあると思いますが、このCOLEHAはかなり美味しく、違和感なくいただくことができました。
おそらく製造コストの都合などによって価格は決して安くありませんが、こういったアップサイクルの動きがどんどん広がれば、新しいイノベーションも生まれるはず。
これまでと同じようなことだけをしていては、近い将来コーヒービジネスが立ち行かなくなるのは目に見えていますので、THE COFFEESHOPとしてもサスティナブルな取り組みには積極的に関わっていきたいと思います。
みなさんも今回ご紹介したような情報について、ぜひチェックしてみてくださいね!
それでは良いコーヒーライフを!
次回発送予定
BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 11月8日(水)予定
毎月ポストにコーヒー豆をお届け!THE COFFEESHOPのスペシャルティコーヒーのサブスク(定期便)。世界各国の高品質の美味しいスペシャルティコーヒーをお届けします。
THE COFFEESHOPが直接買い付けた日本初上陸のコーヒー豆など、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪
WRITER
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THE COFFEESHOP
THE COFFEESHOPの最新ニュース、イベント情報などをお届け。
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