2022年9月14日発送のコーヒー定期便はエルサルバドルとコロンビア!BDS MAGAZINE vol.211
多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。
9月14日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!
ごあいさつ
こんにちは!
2022年9月14日発送のBEANS DELIVERY SERVICE MAGAZINEです!
いまの時期の楽しみといえば、瑞々しい梨が旬真っ盛りですね!
毎年ご贔屓にしている農園からダンボールで送ってもらっています。
梨は収穫後に追熟しないフルーツですので、採ったあとすぐが美味しさのピーク。
みなさんもスーパーで見かけたら、できるだけ早く食べきってしまうのがオススメです。
この季節だけの味覚を思いっきり楽しみましょう!
それでは、BDS MAGAZINE 9月14日号、スタートです!
9月14日発送のコーヒー紹介
El Salvador / Mauricio Salaverria BH(エルサルバドル / マウリシオ・サラベリア・ブラックハニー)
フィンカ・ヒマラヤ農園は、マウリシオ・A・サラベリア氏が所有する60ヘクタールの農場で、氏はフィンカ・ディビサデロと呼ばれる農場も所有しています。マウリシオ氏の農場で加工されたハニーコーヒーは、熟したものを摘み取り、翌日パルプを取り除き、20時間乾式発酵させます。
その後、レイズドベッドで23~25日間乾燥させ、パーチメントコーヒーに仕上げます。彼の農場には、ブルボン、パカマラ、マラゴジッペ種のほか、ヒノキやマツといったシェードツリーが植えられています。
今回お届けのロットは、そんなヒマラヤ農園から届いたブラックハニープロセスのコーヒー。ハニープロセスとは、コーヒーの精製の過程で、粘着質(ミュシレージ)という果肉の一部を残した状態で乾燥を行う処理方法で、ブラックハニーは特にミュシレージの残存率が高い手法になります。
特に今回のコーヒーは、このミュシレージの発酵によってワインのようなフレーバーが生まれていることが特徴。同時に力強いアシディティもあり一口で他にはないユニークな風味を感じることができます。
おすすめの飲み方は、ミルクと合わせるカフェオレやカフェラテ。発酵感のあるコーヒーはミルクとの相性が抜群です。残暑の厳しい日にはアイスで、涼しくなってきた夕方にはホットのカフェラテもいいですね。
ぜひお楽しみください!
【農園】フィンカ・ヒマラヤ
【生産者】マウリシオ・A・サラベリア氏
【地域】アワチャパン
【標高】1,500m
【品種】アナカフェ14
【生産処理】ブラックハニー
Colombia / La Soledad Castillo(コロンビア / ラ・ソレダ・カスティージョ)
ラ・ソレダ農園はCatuche一家が経営しており、Mauricio氏は父のMaximino氏と共にコーヒーを栽培し始めました。そうして経験を積むうちに、高品質なコーヒーを生産するために新しい品種を植えることを考えはじめ、土壌の分析をして自分の農園にはどのような品種が適しているか、肥料はどのように与えていけばよいか等の実験を重ねました。
そして、当ロットであるカスティージョ種を植えるのに適した農地を見つけ、自宅からは離れた村に通って日々仕事に励んでいます。 収穫期は9月から12月にかけてチェリーが深い赤色になるまで待ってから摘み取られます。
生産処理はWashedで、チェリーを12時間発酵させ、パルピングしてタンクの中でさらに48時間発酵させてから水で洗い流します。 その後、1週間ほど生豆を乾燥させますが、この時も水分値を図りながら慎重に作業を進め、最後に生豆を袋に入れて4日間休ませます。
栽培から生産処理、出荷準備まですべての工程において実験を重ねたおかげで、ベストな品質のコーヒーをつくることができました。
届いたロットは、フローラルな香りと甘さが印象的な、素晴らしいコーヒーでした。焙煎の途中、明るいフルーティな酸の気配を感じたので、もっと浅煎りにしようかとも思ったのですが、同時にやや青い香りも感じたため、焙煎を中煎り程度まで進めることにしました。
結果、オレンジのような果実味は残りつつ、同時にキャラメルや花の蜜のような甘さがより際立つ仕上がりに。
滑らかな質感で心地よい余韻が長く続く、素晴らしいバランスのコーヒーになっていると思います。
抽出の仕方によって、フローラルで明るい印象にも、キャラメルのような甘さを強調した印象にも変化するコーヒーです。ぜひいろいろな淹れ方でお楽しみください!
【農園名】ラ・ソレダ
【生産者】Mauricio、Maximino Catuche
【エリア】ピタリート、ウィラ
【標高】1,400m
【品種】カスティージョ
【生産処理】ウォッシュド
コロンビアコーヒーを支える品種・Castillo
今回、シングルオリジンプランの皆様へお届けしているコロンビア/ラ・ソレダ農園のロットは、Castillo(カスティージョ)種という品種の単独ロットです。
このCastilloという品種は、世界第3位の生産量を誇るコロンビアにおいて、現在最も主要な品種の一つとなっています。今回は、そうなるに至った背景を少し振り返っていきたいと思います。
コロンビアにアラビカコーヒーが伝わったのは1730年ごろと言われていますが、盛んに栽培が行われるようになったのは19世紀に入ってから。特に、1927年に生産者組合である「FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)」が結成されて以降、飛躍的な発展を遂げます。
高品質なコーヒーを安定的に生産することを目的としたFNCの活動は多岐に渡りますが、中でも重要な役割なのがコーヒー品種の研究。FNCは国の研究機関であるCENICAFEを運営しており、60年以上にわたって様々な栽培品種を発見、開発しています。
1950年代ごろ、コロンビアの主要品種はブルボンの変異種であるCaturra(カトゥーラ)種でした。明るい酸質で、地理的にもコロンビアの土壌にあった品種でしたが、コーヒーにとって致命的な病害である「さび病」や病害虫に弱いという特徴も持っていました。
そこで、CENICAFEはこのCaturraに、病害に強い品種を掛け合わせて新しい栽培品種を作る試みを行います。60年代から80年代にかけて研究を進めていった結果、Caturra種とTimor Hybrid種との交配に成功。Colombia(コロンビア)という名前のハイブリッド種が誕生します。このColombia種は、1986年に国内で蔓延したさび病を乗り越える救世主となり、まさしくコロンビアのコーヒー産業を救うことに成功しました。
その後、このColombia種にさらに改良を加えていったのが、今回お届けのCastillo種になります。Castillo種はさび病に加え、生豆を食べる虫による虫害「CBD(Coffee Berry Disease)」やその他の菌類に耐性を持ち、カップクオリティも優れた品種として、華々しくデビューを飾ります。
2008年には、コロンビア政府を挙げて国内のコーヒーの木をCastillo種に植え替えるという計画が掲げられ、およそ30億本ものコーヒーの木が植え替えされました。結果、現在ではコロンビア国内で最も主要な品種として栽培されるに至ったのです。
コーヒー品種の歴史は、病害との戦いの歴史でもあります。いま美味しいコーヒーが安定的に栽培できて、僕たちの手元に届いている背景には、生産者や研究者たちの献身的な努力があるに他なりません。
知らなければただの美味しいコーヒーとして終わってしまいますが、そうした背景にも興味を持ってみていただけると、嬉しく思います。もっと深く知りたい方は、FNCのサイトを見てみるときっと面白いと思います!
それでは良いコーヒーライフを!
次回発送予定
BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 9月28日(水)予定
毎月1〜2回(※)お届け!とっても便利で美味しいスペシャルティコーヒーをお届けする、コーヒー豆の定期便。
THE COFFEESHOPが直接ホンジュラスで買い付けた、日本初上陸のコーヒー豆など、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪
(※プランによって異なります。)
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