9月23日発送のコーヒーについてお知らせ!BDS MAGAZINE vol.164(コーヒー定期便)

2020.09.28
SHERE

多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験をお届けする、コーヒー豆の定期便”Beans Delivery Service“(BDS)。

9月23日発送の2種類のコーヒーについてお知らせいたします!

ごあいさつ

こんにちは!

9月23日発送のBEANS DELIVERY SERVICE MAGAZINEです!

季節がすっかり秋めいてきました。

思えば今年の夏はいつもより短かったような気がしますね。

寂しい気がしつつも、涼しくなってくるといよいよ本格的なコーヒーシーズン到来。

楽しみなオリジンも続々入荷していますので、今年の秋冬も思いっきりスペシャルティコーヒーを楽しみましょう!

それでは、BDS MAGAZINE 9月23日号、スタートです!

Ethiopia/Yirgacheffe Gedeb Washed

まずご紹介するのは、Tamerat Alemayehouという農家からチェリーを購入し、イルガチェフェ・チェレレクツにあるミルで精製したロットです。

チェレレクツ・ドライミルでは、発酵の日数など様々な条件違いのナチュラルコーヒーが作られており、厳密に管理されています。

倉庫の壁に断熱材を貼り、温度と湿度を高く調整して、発酵を促しているそうです。

チェレレクツのドライミルは、花壇に囲まれた美しい場所で、ゲストハウスが併設しています。

コーヒーの森の間に民家が点在しており、コーヒーの木が密集している場所で、お母さんとこどもが一緒にチェリーを摘んでいるシーンが見られるなど、エチオピアにおいてコーヒーは、本当の意味で生活の一部となっています。

ドライミルを運営するエクスポーターのモプラコ社は、エチオピアで最も古い輸出業者の一つ。

エチオピア国内の主要生産地に自社の精製所を構え、独自の品質を追求しています。

また、エチオピア西部のShekaには自社の農園も所有しており、コーヒーの他に蜂蜜やターメリック、黒胡椒なども生産されています。

モプラコ社のみなさんは、穏やかで思いやりの深い方ばかり。

どの精製所もきちんと整理され、隅々まで掃除されています。

品質の高いコーヒーはこのように整った環境から生まれるものだと思います。

モプラコ社は、数多くの小規模生産者からチェリーを購入しており、金額はマーケットプライスに準じて支払われます。

コーヒーチェリー1kgあたり、29Birr(約98円)が支払われ、6kgのチェリーから1kgのウォッシュドコーヒーが作られます。

モプラコ社は、コミュニティへの貢献の方法として、チェリーの購入価格を上げることを選択しません。

購入価格を上げると無用な競争が生まれ、マーケットを乱すことになるからです。

そのかわり、彼らは、Sidamo、Yirgacheffe、Shekaにある小学校に、毎年10,000USD(約100万円)投資しています。

今回ご紹介するのはそんな生産地から届いたウォッシュドプロセス。

エチオピアらしいフローラルな香りとクリーンカップが印象的です。

その魅力を最大限引き出すよう比較的浅めの焙煎度合いで仕上げました。

これくらいの焙煎度の豆にはよくあることですが、焙煎してすぐよりも、1週間程度エイジングさせたほうがフレーバーがはっきりと明るく引き立ってきます。

今回お届けの豆は9月21日に焙煎したものですので、到着してから時間をかけて、ぜひゆっくりとお召し上がりください!

BEANS DATE

【生産者】Tamerat Alemayehou

【ミル】モプラコ・チェレレクツ・ドライミル

【地域】イルガチェフェ・ゲデブ

【標高】1,900m

【品種】Heirloom(エチオピア在来種)

【生産処理】ウォッシュド

Kenya/Karinga

続いてもアフリカ・ケニアより、リッチな甘さが楽しめるコーヒーのお届けです!

カリンガファクトリーは、1983年に近隣の村々によって設立され、現在はギトウェ生産者組合に加盟しています。

メンバーは現在、650の農民が加入し、常時500のメンバーがいます。

とりわけギトウェ農協は、紅茶を生産するエリアを有しているという珍しい農協です。

カリンガファクトリーは、6名のスタッフとマネージャーのサミュエル・ムテティ氏によって運営されています。

スタッフたちの仕事は、コーヒーのグレーディング、選別、支払い、そのほか農園の要望などに応えながら運営をしています。

ファクトリーの運営は、決して安定したものではなく、収穫量も隔年で周期があり、毎年安定した量になりません。

そうした中、現在はアクティブな農家は減少傾向にあります。

これは、このエリアの特徴でもある紅茶の生産を優先する農家が多いためですが、現在はコーヒーの方がより良い対価を得られるようになったため農協ではコーヒー生産への呼びかけを続けています。

生産処理は、ルワブラ川からの水を貯蔵しておき、パルピングに利用しています。

パルピング後は一晩の発酵工程、水洗、ソーキングと伝統的なケニア式の生産処理が行われています。

また、環境保全にも熱心に取り組み、5台所有しているソーキングプールの排水や過剰な水資源の使用に関して制限を設けるなど、少しずつ取り組みを始めています。

農家への農業支援やアドバイスなども積極的に行い、剪定や施肥、敷き藁の使用など行政の助けを借りながら実行しています。

収入の問題から、コーヒーの栽培エリア内で他の農作物も育てがちですが、土壌を健全な状態に保ち、品質や収量に影響するために控えるよう働きかけています。

そうして品質の高いコーヒーを安定的に生産でき、農家が十分な対価を得られるように、今後も積極的に活動を続けていきます。

BEANS DATE

【生産者】ギトウェ生産組合

【精製所】カリンガ・ファクトリー

【代表者】サミュエル・ムテティ氏

【地域】中央州 ティーカ

【標高】1,840m

【品種】SL28, SL34, Ruiru11

【生産処理】フリーウォッシュド

世界中の生産者とロースターを繋げるプラットフォーム”TYPICA”

今回シングルオリジンプランの皆様へお届けするエチオピアのコーヒーは、”TYPICA”というコーヒー生豆輸入のプラットフォームを通じて仕入れたコーヒーです。

2019年にスタートしたこの”TYPICA”、これから先のスペシャルティコーヒーの流通に、大きく関わってくるであろうプロジェクトですので、ぜひご紹介させてください!

“TYPICAは、世界中のコーヒー生産者とロースターをつなげるプラットフォームです。

地球温暖化による気候変動はコーヒーの生育に影響を及ぼし、アラビカ種の生産地は年々減少しています。

一方、コーヒーの消費量は、年平均2%上昇しています。

このままでは数十年後、今と同じようにはコーヒーが楽しめなくなるでしょう。

私たちはテクノロジーとシェアリングエコノミーによって、世界中のロースターと生産者がダイレクトトレードできる世界を実現します。”

(TYPICA HPより)

TYPICAが目指しているのは、生産者とロースターがダイレクトに繋がり、より透明性をもった取引が可能になるシステムです。

通常、コーヒー生豆の輸入は、海外との輸出入を主な事業とする一部の商社によって行われています。

生産国から日本へは、巨大な貨物船に何百個というコンテナが積まれてやってきますので、一度に大量の生豆を輸入しないと、輸送コストと商品価格が釣り合わなくなってしまい、小規模のロースターが生産国からダイレクトに仕入れを行うハードルは、非常に高いというのが常識でした。

また、生産者とロースターの間に仲介する業者や企業が必然的に多くなり、生産者へ支払われる報酬が少なくなってしまったり、ともすると透明性が失われてしまうこともありました。

TYPICAは、生産者と直接の繋がりをもっており、厳選したスペシャルティコーヒーを私たちロースターへ紹介してくれます。

日本中の小規模ロースターから注文を取りまとめ、ある程度まとまった数を同じコンテナで輸送するので、各ロースターは希少な豆を少量から、低コストで仕入れることができます。

また、生豆を契約する際には、生豆の金額のうち、誰ににどれだけの報酬が支払われるのか具体的に提示してくれるので、安心して取引を行うことができます。

実際にTYPICAで購入した生豆は、私たちロースターが購入した代金のうち50%以上が生産者へ支払われることになるとのこと。

通常、ここまでの透明性はなかなか実現できないことなので、これだけでも画期的な仕組みと言えますね。

また、生産者とのダイレクトな繋がりを感じたエピソードとして、昨年開催されたTYPICA主催のカッピング会にて、その場でエチオピアの生産者とzoomを繋ぎ、直接味の感想や質問を伝えることができたことです。

文章や写真で生産国のようすを見聞きすることはありますが、実際に直接言葉で話をする機会は滅多にないので、とても印象的なシーンでした。

2020年中には、オンラインで生産者とコミュニケーションがとれる専用のプラットフォームも公開予定とのことで、今後のさらなる展開が非常に楽しみです。

特に、コロナ禍でなかなか生産国を訪れる機会もない昨今では、こうしたオンラインでのやり取りができるのはとてもありがたいですね。

これまで、スペシャルティコーヒーの理念は高いクオリティとトレーサビリティの担保とされてきましたが、近年の気候変動や、生産者の貧困問題などから、第三のキーワードとして”サステイナビリティー(持続可能性)”ということに注目が集まってきています。

TYPICAの取り組みは、より透明性のあるダイレクトトレードを可能にし、スペシャルティコーヒーの根本である

“クオリティ”

“トレーサビリティ”

“サステイナビリティー”

を、高い次元で実現できるプロジェクトだと思います。

THE COFFEESHOPでは、ぜひ今後もTYPICAを通じていろいろな生豆を購入していきたいと思っています。

すでに契約済みのロットもまだいくつかご用意していますので、またのご紹介をどうぞお楽しみに!

それでは良いコーヒーライフを!

次回発送予定

BEANS DELIVERY SERVICE 次回発送→ 10月14日(水)予定

毎月2回お届け!とっても便利で美味しいスペシャルティコーヒーをお届けするコーヒー豆の定期便。

店舗で販売していない豆もお届けするので、よりマニアックな内容を楽しむことができますよ♪

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THE COFFEESHOP

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