Monthly Beans Magazine|2026年2月号 [vol.137]

2026.02.01
SHERE

現在発売中のコーヒー豆の情報や、特集記事、BDS発送カレンダーなどを掲載した毎月発行のmbm(Monthly Beans Magazine)。

2026年2月号の内容をご紹介いたします!

Short Story|
何のためにコーヒーを作るのか

SNS等でもお届けしていたとおり、今年1月のはじめにロースター萩原はインドへ視察に行ってきました。渡航前はいろいろと不安もあったインドツアーですが、実際には非常に得るものの多い、素晴らしい旅になりました。

特に印象的だったのが、ツアーの最後に行ったRATNAGIRI農園で見た特殊発酵・乾燥プロセスの現場です。この農園では世界に3箇所にしかないと言われる巨大なバイオリアクターを使って特殊な発酵プロセスを行っています。収穫されたチェリーは選別を終えたあと、オゾン殺菌にかけられて表面の常在菌が取り除かれ、任意のイースト菌や乳酸菌と共にリアクター内で発酵。リアクターの内部は温度や圧力が完璧にコントロールされ、発酵の進行は随時モニタリングされながら、厳格な管理体制のもとプロセスが進んでいきます。結果的に作りだされるコーヒーは常に安定したクオリティで、意図したとおりのフレーバープロファイルに仕上がるのだと言います。

この農園、というよりもはやラボで説明を聞いたときに最初に頭に浮かんだのは大きな疑問符でした。「これは果たしてスペシャルティコーヒーといえるのだろうか?」自分がこれまで触れてきたスペシャルティの多くは、その土地ならではのテロワールを大切に味わうという文化。人為的に作り出され風味をコントロールされたこのコーヒーは、その定義に反するのではないか?と率直に思いました。

しかし、同時にこの技術は生産国のコーヒー文化を救うものでもあります。気候変動の影響によって農業であるコーヒー生産はまさに大きな変化を余儀なくされています。この農園を訪れた日も雨が降っていましたが、本来であれば乾季にあたるこの時期では普通ではないことなのだそうです。実際、収穫期に雨が降るとチェリーが水分を多く取り込んでしまい、果皮が割れて品質低下に直結します。そうした状況でも、このラボの設備ならば安定したクオリティを維持できるのだと言います。

スペシャルティコーヒー生産にとって、クオリティの低下は収入の低下を意味します。ピッカーさんや農園で働くスタッフ、物流や輸出に関わる仕事など、非常に多くの人々が関わるコーヒービジネスにおいて、コーヒーの品質維持は彼らの生活を守るということに他なりません。ここでの特殊発酵プロセスの試みは、コーヒーが気候変動時代を生き抜くための武器だったわけです。その努力を、誰が否定できるでしょうか。

そのことを目の当たりにしたとき、自分は何のためにコーヒーを作るのだろうか、ということを考えました。ただテロワールを大切にする、ではそのテロワールが失われてしまったら?もうその人からは買わないなんて、そんな無責任なことがあるか?はっきりとした応えはまだ出ませんが、ロースターとして色々なことを考えさせられる機会だったことは間違いありません。

インド訪問記はこれ以外にも話したいことが山ほどあります。随時HPのMAGAZINEでお届けして参りますので、どうぞお楽しみに!

(Roaster / Daito Hagiwara)

Feature|
インド訪問ツアーを終えて 旅の記録

2026年1月8日から8日間、ロースター萩原はYettu(Kaapi&Culture)が主催するインドツアーにご招待いただき、コーヒー生産の現場を視察・コーヒー豆の買付に行ってきました。今回はそのインド訪問での旅のストーリー・前編をご紹介します!

(筆者:THE COFFEESHOP ロースター 萩原)

1. インドはとにかく人と車とバイクが多くてパワフル!北部は紅茶、南部はコーヒーを良く飲むそう。

2. これこれ!と言わずにはいられない、バナナの葉に乗せられて出てきた南インドのカレー・ミールス。

3. 宿泊先のホテルでカッピングセッション。毎日お世話になったyettuのViggnesh(ヴィグネシュ)。

4. 通訳で帯同してくれたギータさん。全部で7言語喋れるらしい。

5. ジープに乗って山道を進む!

6. Balmadi農園へ。元々生えている木にはいっさい手をつけず、森を守りながらコーヒー栽培を行うオーガニック製法。女性のピッカーが多めで、舗装されてない山道を毎日通勤しているそう。

7. 収穫に使用する豆袋、デザインがインドっぽい!

8. 収穫したチェリーは水と一緒にタンクへ入れ浮力を利用して選別。

9. Balmadi農園の責任者の方と。

10. 道中立ち寄ったカフェ。現地の人が飲んでるコーヒーはほぼ深煎りでミルク入り。

11. アッツアツで出てくるコーヒー。

12. 自分で何回も高さをつけて注ぎ直しながら冷ます&泡を作って飲む!

13. 毎日通った人気のカフェ。朝早くからたくさんの人がコーヒーやチャイを飲んでいる。

The Monthly Beans Line Up|
今月のコーヒー豆ラインナップ

Information|
YOKOSUKA COFFEE FESTIVAL

2月7日(土)・8日(日)は横須賀コーヒーフェスティバルに出店いたします!今年は横須賀中央駅から徒歩5分の、市役所前公園にて開催。

THE COFFEESHOPの焙煎所、ROAST WORKSもある横須賀。ぜひハシゴしていただきたいです!事前に購入できる飲みくらべチケットは、各店舗のこだわりの一杯を飲みくらべる事ができます。ぜひチェックしてみてください!

YOKOSUKA COFFEE FESTIVAL

日時| 2月7日(土)、8日(日) 10:00〜17:00

場所| 市役所前公園(神奈川県横須賀市小川町9)

アクセス| 横須賀中央駅 徒歩5分

入場料| 無料(飲みくらべチケットあり) ※雨天決行

Pick up Movie|
【ベスト5】2025年バリスタが買ってよかったコーヒー器具5選をご紹介します!

THE COFFEESHOP 富ヶ谷店 ストアマネージャーの塩谷がおすすめする、2025年に個人的に買ってよかったコーヒー器具ベスト5をご紹介します!

今後はスタッフも積極的にYouTubeに登場しますので、ぜひあたたかい目で見守っていただけると嬉しいです。

高評価&チャンネル登録もよろしくお願いします!

Calendar|
今月のカレンダー

Next mbm|
次号発行予定

次回2026年3月号は3月1日発行を予定しております。お楽しみに!

それではみなさま、良いコーヒーライフを!

mbmは店頭やオンラインストアで商品をご購入の際に無料でお入れしております。ぜひゲットしてくださいね!

WRITER

Saori Oyamada

THE COFFEESHOPデザイナー・PR担当。元代官山店でバリスタを務める。

趣味はアート、釣り。現在は石垣島在住。

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