Monthly Beans Magazine｜2024年2月号 [vol.113]

コーヒー×マグマ×静電気

すっかり冬も深まった2月、空気が乾燥するこの時期は、静電気に悩まされる季節ですよね。

家でコーヒー豆を挽いたことのある方ならば経験があると思いますが、冬場にコーヒー豆を挽くと、静電気のせいで粉が飛び散ったり、ダマになってしまったりすることがままあります。

この静電気を抑制するためのテクニックとしては、挽く前のコーヒー豆に水分を纏わせる＜RDT（Ross Droplet Technique）＞というものがあります。以前にこのmbmでもご紹介していますので、ご存知の方も多いかもしれませんね。

このRDT、バリスタの間では広く知られているテクニックですが、先日オレゴン大学の研究チームによって、改めてその仕組みについての論文が発表されました。

この研究チーム3名は、コーヒーの抽出原理を専門とする計算物質科学者1名と、火山学者2名という、一風変わった組み合わせのメンバー。3人でコーヒーを飲みながらそれぞれの専門に関する話で盛り上がったところ、今回の研究を実施することになったそうです。

研究の結果まずわかったのは、ダマができてしまう原因が、豆と豆の摩擦によって生まれる摩擦電気にある、ということ。

そして、この摩擦電気はコーヒー豆の内外に含まれる水分の量によって抑制できる、という結論に至ります。バリスタにとっては経験的に知られていたことが、改めて研究結果として立証されたわけですね。

このコーヒー豆の摩擦電気、火山の噴火時におけるマグマや火山灰による雷雲の発生と、原理がとても似ているのだそう。

また、空気中の水分量は、火山灰の対空時間・移動距離にも大きく影響するのだとか。コーヒー豆を挽いたときの飛び散り方にも共通する部分がありそうな話です。

今回の研究ではRDTの仕組みが解明されただけでなく、逆にコーヒー粉と水分の関係をより解析していくことで、火山の噴煙についての研究にも活かしていける可能性があるとのこと。まさしく分野を横断してお互いに高め合える、素晴らしい出会いだったんですね。

この異なる分野の人たちが、一緒にコーヒーを飲みながら話すことで繋がる感覚というのは、もしかすると皆さんにも経験があることかもしれません。

コーヒーという飲み物は、物と物、人と人を繋げる媒体としてのパワーを持っているのだと、改めて実感するエピソードでした。

皆さんも友人やカフェで知り合った人と一緒にコーヒーを飲むことで、新しい出会いや発見があるかもしれませんね！

（Roaster / Daito Hagiwara）

アウトドアには欠かせないコーヒー。今回は”釣り”をテーマに、Metropolis Fishing(メトロポリスフィッシング)のお２人に、渋谷区富ヶ谷の店舗 ROAST WORKSにお越しいただきました。

コーヒーが大好きだけど、自分で淹れたことがないというお２人に、ロースター萩原からアウトドアでも簡単に淹れられるコーヒーをレクチャーさせていただくことに。

まずは〈ドリップバッグ＆紙コップ〉を使った簡単な淹れ方。「これは簡単！美味しい」と、自身で淹れたコーヒーを飲みながらゆったり落ち着いた雰囲気に。

次は折りたたみ式のドリッパーを使ったハンドドリップの抽出。これもレシピさえ覚えれば簡単。「中央の粉のくぼみが綺麗だと抽出が上手な証拠ですよ」の萩原のコメントに、熱心にハンドドリップするお２人。

「やっぱり淹れたてのコーヒーは美味しい」と自信がついた様子。

釣り場でも美味しく飲んでいただけているようで嬉しいです！

Chocolate Gift Bag

今年のバレンタインは、ROAST WORKSのご近所でもあるMinimalのBean to Barチョコレートとのペアリングセットを、ロースター萩原が厳選した組み合わせでご用意しました。エチオピア・プレミアムクロップ×フルーティなチョコ。２月限定ミックス×スウィートチョコ。また、ドリップバッグのセットも。タイベック製のオリジナル巾着付きでプレゼントにピッタリです。

次号mbm発行予定

次回2024年3月号は3月1日発行を予定しております。お楽しみに！

それではみなさま、良いコーヒーライフを！

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