Monthly Beans Magazine｜2024年1月号 [vol.112]

Hello Ethiopia！

先日、〈Hello Ethiopia〉と銘打たれたコーヒー飲み比べイベントに行ってきました！

このイベントは、3名のロースターが同じ銘柄を焙煎して持ち寄り、それぞれがプレゼンテーションを合わせながら抽出して飲み比べができるというトークショー。

主催は熊本県のEndelea Coffee（@endeleacoffee）宮﨑さん、宮崎県の恋史郎コーヒー（@renshiro_coffee）田中さん、東京都のCoffee Wrights（@coffeewrights_kuramae）堺原さんの3名。

同様のイベントは以前に宮﨑さん、田中さんのホームである九州で開催されたそうで、今回はVol.2として東京・蔵前にあるCoffee Wrigthsさんで開かれました。

結論から言って、とても面白く勉強になるイベントでした。

単純に同じ銘柄を3ロースターの焙煎で飲み比べる、しかも焙煎や抽出のアプローチの説明を踏まえた上で、という機会は滅多にないこと。

3者3様の仕上がりはどれも美味しく個性が出ていて、改めてスペシャルティコーヒーの面白さを実感しました。

ここ最近では焙煎や抽出アプローチの情報をオープンにするお店も増えていると思いますが、直接会ってじっくり話を聞けるのはロースター同士であっても貴重な機会。

もちろん、使用する焙煎機や抽出に使う水の硬度など諸条件が違うので、そのまま流用することはありませんが、それでもヒントになることがたくさんあったと思います。

もうひとつ、すごく良いなと思ったのは、違うロースターが同じ銘柄のコーヒーを取り扱うことを、ポジティブに捉えていることです。

ここ10年ほどでスペシャルティロースターの数は飛躍的に増えましたが、生豆を取り扱うインポーターや商社の数は限られているので、必然的に取り扱うコーヒーの銘柄が他店と被ることがよく起こります。

それはロースターとしては、どちらかといえばネガティブなこととして考えられがち。ネガティブとまでは言わないまでも、日本で唯一無二のロットという方が望ましい、と思っている人は多いはずです。

スペシャルティコーヒーの楽しみ方のとても大きな要素のひとつは“多様な個性を楽しむこと”だと思います。

今回の【Hello Ethiopia】では、その“多様な個性”を生豆ロットの違いではなく、焙煎や抽出のアプローチ、もっといえば”どんな人がどんな想いで作ったのか”、というポイントで提案したわけですね。

このことは、スペシャルティコーヒーというものを、単なる嗜好品からすこし上のレイヤーに押し上げたのでは、とまで思っています。

そういう視点は、コーヒーの飲み手がロースターを選ぶときにはもちろん、僕らロースターが取り扱う生豆を選ぶときにも大切になってきます。

どんな人がどんなふうに作ったコーヒーなのか、そのことに目を向けたとき、スペシャルティコーヒーはより奥深いカルチャーになっていくのだと思います。

何を隠そう、今回の【Hello Ethiopia】で提供されたエチオピア／サキチャというコーヒーは、THE COFFEESHOPでも在庫しているロット。

すでにアドベントカレンダーではお届け済み、予定では1月最初のBDSでもお送りいたします。

どうぞお楽しみに！

（Roaster / Daito Hagiwara）

@endeleacoffee

@renshiro_coffee

@coffeewrights_kuramae

2024年のマンスリーミックス。アートワークはpen public

Instagram: @pen_public

2024年のマンスリーミックスのパッケージはpen publicの描き下ろしイラストでお届けします。

pen publicは、福岡を拠点に活動しているアーティスト。

HIGHTIDEに置いてあった作品に一目惚れし、その後、INHERIT GALLERYで個展をしていた際にお声がけさせていただきました。コーヒーが大好きというpen publicくんの、“Drip. Trip”と題したPOPでちょっぴりダークなテイストのキャラクター達。毎月季節のテーマに合わせて変わるスペシャルティコーヒーの味わいと共にお楽しみください。

マンスリーミックスにはポストカードをお付けしています。こちらもぜひ毎月コレクションしてくださいね。