話題のSteep Shot(スティープショット)をご紹介!ホット&アイスコーヒー使用レビュー

2021.09.17
SHERE

バリスタ世界王者監修で話題のコーヒー抽出器具「スティープショット」。クラウドファンディングから誕生した新しい器具なのですが、2020年末頃から日本でも手に入るようになりました。

今回は使用レビューということで、スティープショットの基本的な使い方をご紹介。THE COFFEESHOP オリジナルレシピも探ってみましたので、お伝えしていきます。

これからご購入される方はもちろん、既にお使いの方もぜひ参考にしてみてください。

Steep Shot(スティープショット)とは

Steep Shot(スティープショット)とはノルウェー発のコーヒー抽出器具です。キックスターターというアメリカ企業を介し、クラウドファンディングによって資金調達を実施、商品開発が進められました。

さらに元バリスタ世界チャンピオンのティム・ウェンデルボーが監修したことでも注目されています。

本体の構造

本体:

ステンレス製ダブルウォール式。

フタ:

ステンレスフィルター付属。密閉構造。

フィルター:

エアロプレスと同サイズで互換性あり。ペーパーフィルターも使用可。

使い方・抽出方法

スティープショットでの抽出の仕組みは、器具内にコーヒー挽き豆(粉)とお湯を入れ、そこに内圧をかけてフィルターを通すというもの。

内圧をかけ、挽き豆内部までお湯を行き渡らせることで、より効率的な抽出を可能にしています。具体的な抽出方法は以下の通り。

・本体へ粉、お湯を入れる。

・フィルターをセットしたフタを閉める。

・内部でお湯が気化し、水蒸気によって内圧が高まる。

・規定時間まで豆を漬け込み、逆さまにして抽出口部分のバルブを開ける。

メーカー推奨レシピでのコーヒー抽出

それでは実際に公式レシピに従って、コーヒーを抽出してみましょう!ちなみに、ノルウェーのメーカーと日本代理店では、抽出推奨レシピが異なります。

▼メーカー推奨レシピ

粉:14g

挽き方:細挽き

お湯:200ml

漬漬け時間:30 秒

▼日本代理店推奨レシピ

粉:14g

挽き方:中挽き

お湯:200ml

漬漬け時間:1 分

まずは日本代理店の推奨レシピで、付属のメタルフィルターで淹れてみましょう。

用意するもの|メーカーレシピ

・スティープショット本体

・コーヒー豆:中挽き 14g(今回はエチオピア/ベンティネンカ浅煎りを使用)

・お湯:200ml(100℃程度)

・タイマー

・サーバー

作り方|メーカーレシピ

まずは本体を余熱します。気化した水蒸気の内圧が大事なので、最初にしっかり余熱しておきましょう。余熱が出来たら、挽いたコーヒー豆を入れていきます。

タイマースタートと同時にお湯を一気に注ぎます。ゆっくり注ぐ必要はなく、むしろ勢いをつけて全体がしっかり混ざるように注ぐことが大事。

注ぎ終わったらすぐにフタをして待機。60秒たったらサーバーの上にひっくり返し、さらに10秒ほど待ちます。

バルブをひねり、リリースして完了です。

ジューシーでしっかりとしたフレーバーのコーヒーに

メタルフィルターでの抽出らしくオイル分がしっかりと出ており、色合いはやや濁って見えます。味はジューシーで、フレーバーがしっかりと明るく出ている印象です。

今回使用したエチオピアのコーヒー豆は、特徴としてクリーミーな質感があります。その質感も活きており、口当たりは濃厚です。

微粉が出ている分、好みは分かれるかもしれませんが、普段メタルフィルターで飲んでいる方には気にならないレベルかと思います。

内圧が生む 他のコーヒー抽出器具との差

スティープショットの抽出原理ですが、コーヒー抽出方式でいうところの「浸漬式」と「圧力式」の2通りの抽出が行われているようなイメージでしょうか。

圧をかけて押し出すという点でエアロプレスと似た仕組みなので、比較されることが多いのですが、実際には異なります。というか、その他どの器具とも違ったものですね。

特に大きく異なるのは、「内圧」という要素が関わってくる点。 内圧とは、密閉された空間の中で体積が膨張するときに、跳ね返すようにかかる圧力のことです。

圧がかかると、その分コーヒーから成分が出てくるのが早くなります。より短い時間で、効率的に抽出できるというわけです。

ここがスティープショットの大きな特徴であり、他の抽出器具で淹れたコーヒーとの違いを生んでいる部分です。

ペーパーフィルターを使って淹れてみる

前述の通り、スティープショットにはエアロプレス用のペーパーフィルターを使うこともできます。

基本的にはメタルフィルターと同じ作り方ですが、最後にリリースするときの圧の感じが変わります。メタルフィルターの方が目が粗い分、勢いよく噴き出ます。ペーパーフィルターの場合、吹き出しが少なく穏やかでした。

仕上がりの見た目は、先ほどのメタルフィルターより透明感があるものの、ペーパーフィルターを使ったハンドドリップよりはやや濁っている印象。

飲んでみた感じは、クリーンかつフレーバーの凝縮感があり後味も長い。メタルフィルターよりペーパーフィルターの方が、リリースしたとき豆に対し、グッと圧ががかかることで、その分凝縮されたような味わいになっているのかもしれません。

他の淹れ方ではあまり感じなかった、ストロベリーのような甘さがあったのも驚きでした。個人的にはこちらのペーパーフィルターレシピの方が、より美味しく淹れられたと思います。

THE COFFEESHOP版レシピを探る

ここからは、公式レシピを応用したオリジナルレシピを紹介しようと思ったのですが、日本代理店の公式レシピを超えられませんでした…。

このスティープショット、構造自体はシンプルですが、抽出の仕組みは意外と複雑。粉量・湯量・時間を変更すると、同時に内圧のかかり方が変わってきそうです。

ブリューレシオ(コーヒー粉とお湯の比率)を固定しても、分量が変わると味が変わります。いろいろ試してみましたが、結局日本代理店の公式レシピ(ペーパーフィルター使用)が一番良さそうだったので、THE COFFEESHOPとしてもそちらをおすすめします。

ただ、もしスティープショットを手に入れて、いろいろレシピをいじって遊びたい!という方がいたら、おすすめなのはメッシュ(挽き目)の変更です。メッシュを粗くすれば、フレーバーが明るく出やすくなりますし、挽き目を細かくすれば、甘さがしっかりと出やすくなります。

ただし、粉量・湯量・湯温・浸漬時間を変えると、同時に内圧のかかり方も変わるので、調整が難しい印象でした。

スティープショットでの急冷式アイスコーヒーの作り方

ホットコーヒーのオリジナルレシピは断念しましたが、せっかくなので公式レシピにはない、アイスコーヒーの淹れ方を考えてみました!

作り方は、氷の上に濃いコーヒーを落とす、いわゆる急冷式にて。急いで冷やすことで風味の劣化が抑えられ、美味しく仕上がります。

用意するもの|アイスコーヒー1杯分

・スティープショット本体

・コーヒー豆:中挽き 28g(エチオピア/ベンティネンカ浅煎り使用)

・お湯:200ml(100℃程度)

・氷:150g 程度

・タイマー

・サーバー

・エアロプレス用ペーパーフィルター

作り方|アイスコーヒー1杯分

ホットコーヒーの時と同様、まずはスティープショット本体をしっかり余熱してから、コーヒー挽き豆を投入。

タイマースタートと同時にお湯を一気に注ぎます。粉量が多いため、しっかり全体が混ざるように注いでください。

すぐにフタをして、タイマーが2分になるまで待機。内部では水蒸気が発生し、内圧が高まっていきます。

2分経過したら氷を入れたサーバーの上にひっくり返し、さらに10 秒ほど待ちます。

バルブをひねって圧を解放。コーヒーが落ち切ったら、氷とよく混ぜて完成です。

クリーミーな質感と華やかなフレーバーのアイスコーヒー

ペーパーフィルターらしいクリアな見た目です。エチオピア/ベンティネンカのもつクリーミーな質感、ラベンダーやブルーベリーを思わせる華やかなフレーバーがしっかりと抽出でき、美味しいアイスコーヒーに仕上がりました。

ぜひスティープショットをお持ちの方はお試しください!

スティープショットの使用感を正直に語る

見た目もクールで独特な抽出方法を楽しめるスティープショット。ここからは実際に使用して感じたことをお伝えしていきます。

特徴的なのに作り方は簡単!見た目も良い!

何より抽出が早くて美味しい。ハンドドリップやエアロプレスに比べて、抽出技術が要らず、短時間で抽出できる点が大きなメリットだと感じました。

加えて、他の抽出方法では出ないような味わいを楽しめるのも魅力です。圧力のかかる浸漬、という今までにない抽出原理によって、独特の凝縮感のある仕上がりになります。

そして何より作っていて楽しい。見た目もクールで、アウトドアで使っても盛り上がるのではないでしょうか。

後片付けは面倒。そして豆を選ぶ器具でもある。

イマイチな点は、後片付けのしにくさ。抽出後の粉を捨てるのに手間がかかり、やや面倒かも。

使用した粉をシンクにこぼさないよう、三角コーナーは必須ですね。

そしてもう1つ。この器具、深煎りの豆には向きません。

スティープショットは高温・短時間で圧をかけて抽出するので、深煎りの豆の場合、苦味が強くストロングな印象になることが多いです。(浅煎り~中煎りくらいのフレーバーや酸の明るいスペシャルティだと良い感じです。)

構造上、豆自身が持つ炭酸ガスの量で、内圧のかかり具合が変わるというのもありそう。焙煎からどれくらい日が経った豆なのか。そのエイジング状態によって、抽出の感じも変わってくると思います。

これはメリットともデメリットとも取れますね。味の変化という意味楽しむ分にはプラス。しかし、味が安定しない、という意味ではマイナスに捉えられるのではないでしょうか。

まとめ

ノルウェー発のコーヒー抽出器具スティープショット。シンプルな見た目、そして浅煎りのスペシャルティ中心にとても美味しく抽出できるという点、非常に魅力的な器具だと思います。

反面、味わいや抽出の様子などはかなりピーキー。簡単に使えるけれども、拘り出すと奥が深い。レシピ探索で沼にハマってしまいそう。

新しいガジェット好きな方はもちろん、特に浅煎りでフレーバーの明るいスペシャルティコーヒーがお好きな方には、もってこいかもしれません。

興味のある方は、ぜひお試しください!

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