【コーヒー上級者向け】国産・錫(スズ)製ドリッパー〈ETHICUS 58 DRIPPER〉をご紹介!おすすめ抽出レシピと美味しく淹れる3つのコツ

2025.07.07
SHERE

今回は、静岡県にあるEthicus Coffee Roasterさんが開発された錫製のドリッパーをご紹介します。

ドリッパーの特徴やおすすめ抽出レシピなどもお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください!

ETHICUS 58 DRIPPER|錫製ドリッパーの特徴

最大の特徴は『錫』を使用した金属製のドリッパーということ。

静岡県にあるEthicus Coffee Roasterさんが開発されたたのですが、細かい点にかなりこだわりを感じられる商品です。

特徴1,熱伝導率が高い「錫 スズ」を使用している

錫という金属は非常に熱伝導率が高く、金・銀に次ぐ高級品として知られています。

融点が低く柔らかい特徴もあるため、ドリッパーに加工する際に細かい点まで細工ができるということも利点です。

ドリッパーにおいて、熱伝導率というものはとても重要で、抽出中の温度変化を極力抑えることができます。

温度変化を抑えることができるということは、抽出環境を一定に設定しやすく、湯温の下降を防ぐため、従来のドリッパー素材よりも長時間高温で抽出が行えることにも繋がります。

それにより抽出効率を上げることができるため、高温のお湯で短時間抽出ができるのです。

短時間で抽出を終えられることで、抽出後半に溶け出しやすいえぐみや渋みを抑制し、クリーンな印象のコーヒーを抽出することができます。

また、錫は古来より酒器として用いられることも多く、詳しい成分の働きなどは不明ですが、イオンが大きく関係し、口当たりをまろやかにする効果があるとされています。

特徴2,ドリッパーの角度が58度に設計されている

一般的な円錐ドリッパーの角度は60度ですが、ETHICUS 58 DRIPPERはその名の通り58度に設計されています。

この58度という角度の最大の利点は、『ペーパーフィルターの張り付きを向上できる』という点です。

ペーパーフィルターはドリッパー同様、60度の設計が基本ですが、58度のドリッパーに60度の円錐フィルターをセットすると、紙の浮きがなくかなりぴったり張り付きます。

ペーパーフィルターの張り付きは、ドリッパーとフィルターの間にできる空気の層が原因で、お湯抜けに大きく関わっており、しっかりドリッパーに張り付くことでお湯抜けの安定性、抽出の再現性を高く保つことができます。

特徴3,溝になっているリブが上段と下段で分かれている

多くのドリッパーで見られるのは、リブ部分が突起しているタイプですが、ETHICUS 58 DRIPPERはリブ部分が溝になっており、窪んでいます。

また、ドリッパー全体に均一に加工するのではなく、上段と下段で分かれており、中間層の一部でリブが重なる設計です。

リブの重なりがない部分では、流速を遅めお湯をホールドし、重なる部分で流速を早めるため、1回で注ぐ湯量によって部分的に流速をコントロールしやすくなっています。

例えば、蒸らしの段階では湯量を少なめにし、下段のリブ部分にのみお湯を注ぐことでしっかりと粉とお湯が触れ合う時間を確保、2投目以降は中間のリブが重なる部分までお湯を注ぎ、流速を早めることで、より成分を引っ張る力を強める。といった調節ができるわけです。

抽出難易度は高めでプロ向け!?おすすめレシピと3つのコツをご紹介

そんな様々な特徴のある〈ETHICUS 58 DRIPPER〉ですが、お湯抜けが速いドリッパーはレシピの作成が少し難しく、コーヒーが未抽出に仕上がってしまう傾向が多いです。

今回ご紹介するレシピは、ドリッパーの特徴を踏まえて魅力を発揮できるよに設定しています。

製作者のEthicus Coffee Roasterのおすすめレシピと淹れ比べて味の違いを楽しんでいただくこともおすすめです!

ETHICUS 58 DRIPPER|THE COFFEESHOP抽出レシピ

〈用意するもの〉

・ETHICUS 58 DRIPPER

・Abaca Coffee Paper Filter

・コーヒー豆:15g(中細挽き)〈Option-o P64 #5〉

・お湯:240ml(℃) ※湯温動画から要確認

〈抽出レシピ〉

①ドリッパーにフィルターをセットして湯通しを行う

②粉を計り入れ、タイマースタートと同時に抽出開始

0’00”~0’10” / +40g

0’40”~0’55” / +80g(合計120ml)

1’10”~1’20” / +40g(合計160ml)

1’30”~1’40” / +40g(合計200ml)

1’50”~2’00” / +40g(合計240ml)

2’30” 程度を目安にお湯が落ち切ったら完成!

抽出レシピポイント①|抽出時間は短く設定する

製品の特徴でもあげた通り、錫製のため非常に熱伝導率が高く、長時間の抽出レシピだと過抽出になりやすいです。

抽出終了時間が15秒伸びただけでも、かなり味に変化があるので、特に浅煎りを淹れる場合には後味が暗く、もたついた印象にならないように注意しましょう。

抽出レシピポイント②|必ずホルダーを使用して水平を保ち抽出する

純正のホルダーはないので別に用意する必要がありますが、ORIGAMIドリッパーや、その他円錐型ドリッパーのホルダーを代用して抽出しましょう。

ETHICUS 58 DRIPPEは特にお湯抜けが速いため、ドリッパーが水平ではないと粉とお湯が一定に触れ合わず、抽出ムラが起きてしまいます。

また、熱伝導率が非常にいいため抽出後にドリッパーを素手で持ち上げ外すことが難しいです。

やけどをしないためにも、ホルダーで外しやすくしておくことをおすすめします。

浅煎り好きには特におすすめ|いつもと違うワンランク上の味わいが楽しめる

今回ご紹介した〈ETHICUS 58 DRIPPER〉は特に浅煎りのコーヒー豆を抽出すると、いつもとは全く違った味わいに仕上がることができます。

THE COFFEESHOPおすすめ抽出レシピで淹れたコーヒーは、酸がマイルドになり、以前同じように流速が早いことでご紹介した、Graycano Dripperよりもフレーバーと酸味の角が取れた、甘い印象が強い仕上がりです。

錫の効果なのか、口当たりの粘性も上がり、後味が長く続きやすくなったことで、より一層甘く感じられるのだと思います。

特に浅煎りの場合は、成分が溶け出しにくいということもあり未抽出になりやすいですが、ETHICUS 58 DRIPPERは抽出前の準備をきちんと行えば、浅煎りを失敗することなく抽出できます。

お家で浅煎りをよく飲まれる方や、コーヒー好きの方へのプレゼントとして、商品性能のよさと価格帯を含めてもとてもおすすめです。

THE COFFEESHOPの取扱いはなく、販売元のEthicus Coffee Roasterさんでも予約販売のみとなります。

気になる方はぜひ下記リンクからチェックしてみてください!

THE COFFEESHOP OFFICIAL YouTube Channel

今回は、錫製のドリッパー〈ETHICUS 58 DRIPPER〉の商品紹介、抽出レシピやポイントについて解説しました。

この抽出レシピ解説動画はもちろん、抽出をリアルタイムで見れる”Brew Timer”や、最新コーヒー器具の紹介などをライブ配信を交えて続々更新中です!

ぜひチャンネル登録・高評価をよろしくお願いします。

WRITER

Mayuka Jimbo

THE COFFEESHOPのMAGAZINEコンテンツ、オンライン担当。

スペシャルティコーヒーの知識だけでなく、レシピの改善や、抽出技術の向上にも日々取り組んでいる。

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