ESPRO フレンチプレス|2重フィルターが作り出す、芳醇でクリアなコーヒー

2019.10.25
SHERE

正規での日本上陸を果たしていないコーヒー器具には、興味深いものがたくさんあります。今回ご紹介する【ESPRO フレンチプレス】もその一つ。通常のフレンチプレスと比較して、微粉が少なく、口当たりの良いコーヒーが出来る優れものです。

ESPROフレンチプレスとは

ESPROは、カナダのコーヒーツールメーカー。先日レビュー致しました『コーヒーテイスティングカップ』もこちらの商品です。

↑ ESPRO コーヒーテイスティングカップ。形状によって、コーヒーの味や風味の感じ方が異なる。

↑ そしてこちらが今回ご紹介するESPROフレンチプレス。(メーカーサイトより引用)

一見すると通常のフレンチプレスとなんら変わりないように見えますが、実はプランジャーのフィルター部分の構造が大きく異なります。

このように、2重構造になっており、なおかつふたつのフィルターの間には小さな空間が出来るようになっています。

メーカー公式サイトでは、チャンバー(小部屋)と呼ばれているこの構造。これにより、通常のフレンチプレスでは避けることができない、コーヒー挽き豆微粉のカップ混入を、大幅に減らすことが出来るとのこと。

実際にどのくらい減るのか。そして、出来上がるコーヒーの味は、どのようなものになるのか、試してみました。

ESPROフレンチプレスでの抽出方法

抽出方法は、通常のフレンチプレスと同じです。

以下、レシピ部分抜粋にて。

(コーヒー豆18g:お湯300g での抽出。)

・豆を測り、ミルで挽く

・挽き豆をプレス容器に入れる

・お湯を半分入れタイマーを4分にセットしてスタート

・30秒蒸らす

・残りのお湯を入れる

・タイマーが鳴ったらプランジャーをゆっくり押し沈める

↑ 抽出後、プランジャーを沈めた状態のESPROフレンチプレス。

あとは、カップに注げば完成です。

が、ここで構造上のデメリットを発見。フィルターが2重構造で、しかも間に空間まであることにより、歩留まりが良くありません。プレス下部に、かなりの量のコーヒーが残ってしまいました。

↑ 2重構造フィルター付きプランジャーには、シリコーンパッキンが付いており、それが真空状態を作り出し、傾けても上手いこと注げないようになっている。

ただ、デメリットとは言ったものの、プレス底の部分には微粉が多くあり、コーヒーを飲んだ時の舌触りを悪くしてしまうのも事実です。

なので、これはこれで良い構造、というか狙い通りの構造なのかもしれませんね。

出来上がりのコーヒーは

さて、出来上がったコーヒーですが、味や風味は通常のフランチプレスとほとんど変わりない結果に。フレンチプレスらしい、豊かなボディ感のあるコーヒーに仕上がりました。

そして、問題の微粉の量。注意深く感じてみると、たしかに質感が少し異なることに気づきます。が、言われないとわからないレベルかもしれません。圧倒的に異なるというものではなく、わずかに違うくらいの印象でした。

というのも、一口に微粉といっても、液中を漂う細かい微粉と、底に沈む大きな微粉があるのです。

コーヒーをカップに注いだ際、舌触りに影響するような大きめの微粉は、カップの底の方に沈んでしまいます。一度沈んだ微粉は、よほど振ったり混ぜたりして飲まない限り、飲み口の方には思ったほど流れて来ません。

通常のフレンチプレスは、たしかに微粉の量は多いのかもしれませんが、質感や舌触りに大きく影響する大きめの微粉はカップ底に沈んでいるため、大きな差として現れなかったものと思います。

とはいえ、微粉の量は確実に差があります。下の写真を見比べていただければお分かりいただけるかと思います。

↑ 通常のフレンチプレスで淹れたコーヒーをペーパーフィルターで濾過。濾過後のフィルターの写真。

↓ ESPROフレンチプレスで淹れたコーヒーをペーパーフィルターで濾過。濾過後のフィルターの写真。

微妙な差といえば、微妙な差ですが、ESPROフレンチプレス(写真下側)の方が、フィルターに残った微粉は少量でした。

まとめ

ESPROフレンチプレスは、フランチプレス抽出のコーヒーがお好きで、より舌触りを気にされる方向けのツールであるという結果でした。

フレンチプレスならではの、コーヒー豆をまるごと抽出した重厚な感じや、オイル分が生み出す舌触りを、よりクリアな飲み口で味わいたいという方は、ぜひお試しあれ!

WRITER

THE COFFEESHOP

THE COFFEESHOPの最新ニュース、イベント情報などをお届け。

PICK UP ITEM

関連記事

関連記事はまだありません。