ペーパーフィルターの違いを知ればコーヒーはもっと美味しくなる!CAFEC 焙煎度別フィルター検証 ハンドドリップレシピ開発編
コーヒー豆の焙煎度によって使い分けるペーパーフィルター・CAFEC 焙煎度別フィルター。
紙の違いでコーヒーの味にそんなに違いが出るのだろうか。ということで検証してみましたが、たかが紙と侮るなかれ、結果は『違いアリ』でした。
今回はその検証続編です。
前回の検証おさらい
前回、焙煎度別ペーパーフィルターについて、1種類のコーヒー豆を使って同じレシピで抽出、それぞれのフィルターの違いを確認しました。
使用フィルター:
三洋産業CAFEC 焙煎度別ペーパーフィルター 3種類
使用豆:
コロンビア/エル・プラン
シトラスやアップル系の爽やかな酸味があり、グリーンアップルや洋ナシ、ハーブのような風味を持つ。滑らかな質感で、ビターキャラメルのような甘さが長く続く。
結果、同じ豆・同じレシピで淹れた場合でも、フィルターの違いによって出来上がりのコーヒーの味に違いが生じました。
フィルターに合わせたハンドドリップレシピを開発する
今回の検証では、各フィルターごとの特徴を把握した上で、それぞれの焙煎度合いのコーヒーを抽出。各々の専用レシピを開発していきたいと思います。
ロースター萩原コメント:
-
前回の検証で、フィルターごとに異なる表面のクレープ加工(表面の凸凹)によって、抽出途中のお湯の抜けるスピードが異なるということがわかっています。そこを考慮し、豆の特徴を最大限生かせるよう、チャレンジですね!
使用するコーヒー豆は、THE COFFEESHOPで発売中のラインナップの中から、焙煎度合いでセレクト。カッピングで捉えた個性を踏まえて、最適な抽出ポイントを探っていきます。
浅煎り用ペーパーフィルター用レシピ
まず検証するのは、浅煎り用ペーパーフィルター。3種類の中では、最もクレープ加工(表面の凸凹)が少なく、お湯の透過スピードが遅いフィルターです。
使用したコーヒー豆は『ルワンダ/レメラ・ナチュラル』。
焙煎度合いは浅煎り後半。アプリコットやのような明るいフレーバーがあり、アップル系の酸味、ブラウンシュガーのような甘さが印象的なコーヒーです。
検証の結果、完成した抽出レシピは以下の通り。
抽出レシピ
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粉量:15g
挽き目:中挽き
湯量:230g
湯温:93℃
蒸らし:40秒 +30g
第2投:40秒~55秒 +60g
第3投:1分5秒~1分20秒 +70g
第4投:1分30秒~1分45秒 +70g
→ 2分~2分15秒あたりでお湯が落ち切ったら抽出完了。
一般的に焙煎の浅いコーヒー豆は、成分がお湯に溶け出しにくく、抽出不足になりがち。93℃と高い湯温で抽出することで、抽出前半に引き出せるフレーバーやアシディティをしっかりと取り出します。
完成したレシピで淹れたコーヒーは、ジューシーで活き活きとした果実味があり、『ルワンダ/レメラ・ナチュラル』の個性を明確に引き出すことができました。
ロースター萩原コメント:
-
浅煎り用ペーパーフィルターはお湯の透過スピードが遅く、フィルター内で豆とお湯が触れる時間が長くなります。その特徴が、抽出の促進に貢献したものと考えられますね。
中深煎り用ペーパーフィルター用レシピ
次に検証するのは、中深煎り用ペーパーフィルター。3種類の中では、最も表面のクレープ加工が大きく、お湯の透過スピードが早いフィルターです。
使用するコーヒー豆は『ブラジル/セーハ・ダス・トレス・バハス』。
焙煎度合いは中煎り後半。チョコレートやナッツのような落ち着いた風味があり、滑らかな質感、キャラメルのような甘さ、ほのかにパッションフルーツのような酸味があります。
検証の結果、完成した抽出レシピは以下の通り。
抽出レシピ
-
粉量:15g
挽き目:中挽き
湯量:230g
湯温:88℃
蒸らし:40秒 +30g
第2投:40秒~50秒 +30g
第3投:1分00秒~1分10秒 +30g
第4投:1分20秒~1分30秒 +40g
第5投:1分40秒~1分50秒 +50g
第6投:2分00秒~2分10秒 +50g
→ 2分30秒~2分45秒あたりでお湯が落ち切ったら抽出完了。
中深煎りのコーヒー豆は、酸味や甘さ、苦味など、コーヒーのもつ複雑な風味を、バランス良くもっています。今回の完成レシピは、ナッツやキャラメルのような甘さが引き立ち、ブラジルコーヒーらしいバランスの良さを、そのまま出してあげるような抽出に設定しました。
ロースター萩原コメント:
-
中深煎り用ペーパーフィルターは、お湯の透過スピードが早いため、この他にも探り甲斐がありそう。注ぎのレシピの組み立て次第で、コーヒーのどの特徴を引き出すのか、調節できるのが面白いですね。
深煎り用ペーパーフィルター用レシピ
最後は、深煎り用ペーパーフィルター。3種類の中では中間の厚みです。抽出の前半はスムーズにお湯が抜け、後半は少しホールドするような透過スピードになっています。
使用するコーヒー豆はTHE COFFEESHOPのシグネチャーブレンド『ダークミックス』。
焙煎度合いは深煎り。ダークチョコレートやビターキャラメルのような印象で、しっかりとしたボディ感と甘さが特徴的。酸味は控えめなコーヒーです。
検証の結果、完成した抽出レシピは以下の通り。
抽出レシピ
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粉量:14g
挽き目:中挽き
湯量:230g
湯温:85℃
蒸らし:40秒 +30g
第2投:40秒~50秒 +30g
第3投:1分00秒~1分10秒 +30g
第4投:1分20秒~1分30秒 +40g
第5投:1分40秒~1分50秒 +40g
第6投:2分00秒~2分10秒 +60g
→ 2分30秒~3分あたりでお湯が落ち切ったら抽出完了。
深煎り用フィルターがお湯をホールドしてくれる抽出後半に湯量を増やすことで、『ダークミックス』のボディ感をより明確に引き立てるレシピに設定しました。
ロースター萩原コメント:
-
一般的に深煎りのコーヒー豆は、明るいフレーバーや酸味ではなく、しっかりした質感や甘さに特徴が出るもの。ハンドドリップの場合、抽出の後半にその質感に影響する成分が出てきますので、そこ着目して完成レシピとしました。また、湯温を低めに設定することで、過抽出を防ぎ、バランスを整えたのも大切なポイントです。
まとめ|フィルターの特徴を知ることでコーヒーはもっと美味しくなる
今回検証した3種類の焙煎度別ペーパーフィルターは、クレープ加工の強度によってお湯の透過スピードをコントロールするもの。それぞれのコーヒー豆の焙煎度合いにあった抽出を、サポートしてくれる便利な商品です。
そのため、同じレシピを使って抽出しても、フィルターごとに違う特徴のコーヒーが抽出できますから、これだけでも十分に使うメリットはあるかと思います。
今回の検証では、さらに楽しむための追加施策ということで、それぞれのフィルター適した抽出レシピを設定。より明確にコーヒー豆ごとの個性を引き出すことができました。
スペシャルティコーヒーには、産地や生産処理、焙煎度合いなどの違いによって、多種多様な風味をもった個性豊かなコーヒーがたくさんあります。それぞれの個性にあった抽出をすることで、スペシャルティコーヒーのユニークな世界を、より奥深く楽しむことができますね!
焙煎度別ペーパーフィルター|商品のご案内
今回の検証、非常に面白かったので、みなさまにもぜひ味わっていただきたい!ということで、焙煎度別ペーパーフィルターとコーヒー豆のセットを発売したいと思います!
3種類のペーパーフィルターごとに、そのときのTHE COFFEESHOPのラインナップの中から最適なコーヒー豆をセレクト。
専用レシピとともに、ぜひご自宅でお試しください!
WRITER
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THE COFFEESHOP
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