変わり種ドリッパー検証まとめ
それでは、変わり種ドリッパーの検証をまとめていきます。今回の検証は、『このドリッパーがおすすめです』ということではなく、それぞれの個性を楽しんでいただければと思います。
使い分けポイント1、抽出時間
コーヒードリッパーはいろいろな種類が発売されていますが、大まかには素材と形状に違いがあり、抽出されるコーヒーの味は、ほぼ形状に依存しています。
形状に依存する理由ですが、まずひとつはコーヒーの抽出時間に違いが出ることです。今回検証した6つのドリッパーの抽出時間を下図にまとめました。
違いがわかりやすいように、共通のレシピを用いて、湯の注ぎ終わり時間を固定。そこからドリッパー内のコーヒーが落ちきるまでの時間を計りました。短いものでは13秒、長いものでは70秒と、かなり幅のある結果になりました(ちなみに一般的によく使用されるハリオV60ドリッパーは37秒です)。
落ちきる時間が短いドリッパーは、酸味が前面に出る傾向があり、すっきりと爽やかな印象のコーヒーになりやすいです。一方、落ちきるまでに時間がかかるものは、酸味以外の成分も抽出されるため、甘さを感じることができますが、時間をかけ過ぎてしまうとバランスが悪くなってしまう可能性があります。
使い分けポイント2、粉の厚み
ドリッパー形状の違いによって生じる差は、もう一点あります。それが粉の厚みです。
同じグラム数のコーヒー粉を使用した場合、ドリッパー(フィルター)が台形型なのか、円錐型なのか、ウェーブ型なのかで、粉層の厚みが変化します。
ドリッパー形状による粉の厚みの差は、抽出時間と同じようにコーヒーの味に変化をもたらしました。今回の検証でいうと、リバーズ・ケイブは60度よりも若干鋭角になっているため、抽出時間はハリオV60よりも12秒ほど短いのですが、出来上がったコーヒーはバランス良くしっかりとした味わいになりました。
また、フェニックス70はその名の通り70度とかなり鋭角の設計なので、さらに粉層が厚くなり、しっかりとした濃い味のコーヒーが出来上がりました。
まとめ
かなり個性的なドリッパーを用いた今回の検証ですが、前回のハリオV60やコーノ名門などの検証と合わせて考察してみます。
傾向として、抽出速度のコントロールが容易なドリッパーは、酸味前面のすっきりとしたコーヒーからボディ感のあるコーヒーまで、幅広く楽しむことが可能です。その反面、毎回同じ味にするためには、ある程度の練習が必要となります。コントロールが容易なドリッパーの形状は、円錐型もしくは台形型3つ穴です。
ハンドドリップのやり方は、こちらの記事をご参照ください。(記事ではメタルフィルターを使用していますが、ペーパーフィルターでも要領は同じです。)
ハンドドリップは、スペシャルティコーヒーを楽しむのであれば、ぜひ習得していただきたいところです。理屈がわかってしまえば、どんなドリッパーでも美味しいコーヒーが淹れられるようになりますので、ぜひご自分のベストドリッパーを探してみてください。
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