【コーヒーの淹れ方改善事例】自分で淹れると味が薄い…もっと美味しく抽出するには

2025.05.26
SHERE

みなさんはご自宅で淹れたコーヒーが、お店で飲んだ時より味がイマイチ。と感じたことはありませんか?

私はかなりあります。

特にコーヒーを自宅で淹れ始めた時は、基本的に味が薄くなってしまうことが多く、改善方法を試してもなかなか上手くいきませんでした。

そこで今回は、実際に店頭や催事でいただいたご質問を紹介しながら、改善方法をお伝えするマガジンです。

ぜひ最後までご覧ください。

コーヒーの味が薄い時の特徴|濃度だけじゃない判断基準を

コーヒーの味がなんとなく薄い。濃度の感覚はどんな方でも感じやすいポイントだと思います。

一般的に濃度が薄いと成分を取り出せていない〈未抽出〉という判断になるのですが、単純に濃度だけで判断し、味を改善しようとするとなかなか上手くいきません。

理由としては、”どの味”が取り出せていないから濃度が薄いと感じるのかを掴めていないことが多く挙げられます。

ここで言う”どの味”というのは、コーヒーの味わいの内で酸味なのか、甘さなのか、苦味なのかということ。

自分の淹れたコーヒーがどの味が薄く感じるのかを把握していくことが大切です。

ポイントは”舌”で感じること|味の残り方で判断できる未抽出の特徴

①舌の先端に刺激ににた酸味を感じる

未抽出かつ酸味が優位に取り出せていて、甘さが足りない時の味の印象です。

後味の余韻も短く、シャープな味に感じることが多いです。

②舌の真ん中で味は感じるものの、余韻が短い

甘さと酸味のバランスが悪く、抽出後半に取り出せる雑味が足りない時の味として多く感じます。

雑味は一般的に出さない方がいいとされていますが、味の立体感には多少必要です。

失敗事例①|抽出時間はちょうどいいはずなのに味が薄い

ハンドドリップ、抽出時間は3分以内でお湯が速く落ち切ることもないのに味が薄いです

→挽き目も粉量も正しいのになんか味が薄いと感じるとご相談いただいた例です。

この場合見直していただきたいのは1投目で注いだお湯の量と、蒸らしの時間になります。

改善方法

1投目を注いでから2投目のお湯を注ぐまでの時間は蒸らしに当てられますが、その蒸らしは2投目以降の成分が溶け出しやすいようにする役割もあります。

そのため蒸らしの時間が短いと、総体的に取り出せる成分が少なくなりやすく、味が薄く感じてしまうというわけです。

粉の分量にもよりますが、蒸らしの時間は30秒〜45秒程度確保しておくことがおすすめになります。

また1投目で使い過ぎてしまうと抽出後半で使用できる湯量が減るため、成分の溶け出しのバランスが悪くなる原因になります。

粉の分量と使用する湯量によりますが、粉18g:お湯300mlで抽出を考えている場合、1投目のお湯は40ml〜50mlくらいの設定がおすすめです。

失敗事例②|エアロプレスの抽出だと同じ豆でも味が薄くなってしまいます

同じ豆を使用してエアロプレスで抽出するとどうしても薄くなりがちです。
器具の特徴であるはずの口当たりや甘さがイマイチ感じられません。

→エアロプレスの抽出方法に関してご質問いただく中で、意外と多いお悩みです。

スタンダード方式とインバーと方式の2種類で抽出方法が分かれますが、それぞれの淹れ方で特徴的な味が異なります。

改善方法

今回のように、口当たりや甘さをしっかり感じたいとなった場合は、スタンダード方式で加水なしのレシピを使用することがおすすめです。

もともとメーカーが推奨しているのはスタンダード方式で、インバート式はよりフレーバーや酸味を取り出したいとなった時に考案された抽出方法。

上記のような背景を知っておくだけでも、より美味しく抽出する時にどっちのレシピで淹れればいいのか、イメージがつきやすくなると思います。

スタンダード方式であっても何か物足りないと感じた時は、挽き目を中細挽き程度に細かくすることがおすすめです。

ペーパーフィルターによって微粉の混入も少ないですし、細かい挽き目の方がより甘さを引き出すことができます。

失敗事例③|アイスコーヒーを淹れた時に深煎りであっても酸味がキツくなってしまいます

しっかりした苦味とキレのあるアイスコーヒーが飲みたくて深煎りを買いましたが、自分で淹れると酸味があり飲みにくいコーヒーになってしまいます

→ホットコーヒーとアイスコーヒーを同じ豆で抽出すると、味の印象が結構違うと感じることが多いと思います。

改善方法

抽出方法で改善できるとすれば、蒸らしの時間を少し短くし、お湯の投入回数を5〜6回くらいに分けて注いでみてください。

一般的に酸味の成分は抽出の前半に溶け出しやすいです。

抽出前半と後半で同じくらいのお湯を注ぐことで、苦味成分を取り出す時の湯量をしっかりと確保することができます。

注意点としては、湯温を少し低めに設定すること。

そうすることで過度な成分の抽出を抑え、適正な味わいに仕上がりやすくなります。

まとめ

ここまで、淹れたコーヒーの味が薄いと感じた場合の改善方法をいくつかご紹介しました。

せっかく買ったコーヒー豆なので、美味しくご自宅でも飲んでいただけるよう、今後もマガジンやYouTubeなどのコンテンツでお伝えしていきます。

店頭でのご質問も大歓迎なので、ぜひお気軽にスタッフへお声がけください!

WRITER

Mayuka Jimbo

THE COFFEESHOPバリスタ・ストアサブマネージャー。

富ヶ谷のロースタリーROAST WORKSにてドリンクを提供。フードペアリング担当。レシピの改善や、抽出技術の向上に日々取り組んでいる。

毎週日曜8:45〜はInstagramとYouTubeで15分間のライブ配信中!

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