深煎りのコーヒーを美味しく淹れる3つコツ|HARIO V60ドリッパー抽出レシピ

気温が低くなり、ホットコーヒーを淹れる機会が多くなるこの頃。
スペシャルティらしい酸味の明るいコーヒーも美味しいですが、肌寒い季節はしっかりした深煎りのコーヒーを選ぶ方も多いのではないでしょうか?
スペシャリティコーヒー=浅煎り
と捉えがちですが、きちんと深煎りに仕上げると驚くほど後味と香りに甘さがのり、品質の良さをまた違った面から感じていただけると思います。
THE COFFEESHOPのコンセプトは『No Sugar, But Sweet』。
そんなコンセプトを存分に感じていただくために、深煎り用おすすめの抽出レシピをまとめてみました!
深煎りの豆を使ったハンドドリップコーヒーの淹れ方|おすすめ抽出レシピ
コーヒーの抽出はハンドドリップが代表的ですが、お湯を注ぐ回数や抽出時間など、様々な条件で同じ豆でも味わいに変化が生まれます。
そこが奥深く、楽しい部分でもあるのですが、初めから美味しく抽出できれば、それ以上いいことはありません。
特にご自宅で淹れる場合は、失敗すると材料ももったいないので、ぜひプロの力を頼っていただきたいです。
今回は、一般的に広く普及している〈HARIO V60 ドリッパー〉を使用したレシピを考えてみました!

深煎り用ハンドドリップレシピ
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〈用意するもの〉
・HARIO V60 ドリッパー
・Abaca Coffee Paper Filter
・コーヒー豆:20g(中細挽き)
・お湯:300ml(86℃)
〈抽出レシピ〉
①ドリッパーにフィルターをセットして湯通しを行う
②粉を計り入れ、タイマースタートと同時に抽出開始
0’00”~0’10” / +60g
0’40”~0’55” / +80g(合計140ml)
1’05”~1’20” / +90g(合計230ml)
1’30”~1’40” / +70g(合計300ml)
2’40” 程度を目安にお湯が落ち切ったら完成!
深煎りのコーヒーを美味しくするには?|3つのコツをご紹介
出来上がったコーヒーは、深煎りならではの甘さをしっかり感じる仕上がりで、後味に甘さが長く続くため、いわゆる『コク』のある味わいが特徴です。
では、深煎りのコーヒを美味しく抽出するためのコツを3つ解説していきます!

①円錐型ドリッパーを使用する
一般的に、円錐型ドリッパーは平底型ドリッパーに比べ、抽出ムラが起こりやすいとされています。
しかし深煎りのコーヒーを淹れる時は、あえてムラを活かした抽出をすることで味に立体感を持たせ、ボリューム感を補うことがポイントです。
味の立体感があることで、厚みが生まれ味の複雑性が増し、こっくりした味わいに仕上げやすくなります。

②細かめの挽き目でレシピを調整する
細かい粒度の粉を使用すると、成分が溶け出しやすくなるため、ネガティブな味わいを抑えつつ効率のいい抽出が可能です。
特に深煎りのコーヒーの場合、抽出後半に出てくるえぐみや渋みといった、ネガティブな味わいを感じやすくなるため、抽出前半にコーヒー成分を取り出しておくことが大切になります。
浅煎りを淹れる時よりも気持ち細かいかな。くらいに調整してみてください。

③湯温は90℃以下のものを使用する
深煎りのコーヒー豆は、浅煎りに比べ火がよく通っているため、成分が溶け出しやすいとされています。
上記の2つのポイントで味を引き出す調整をした場合、湯温を低く設定し過抽出を防ぐことが大切です。
また、90℃以下のお湯を使用して、約3分程度で抽出したコーヒーは、出来上がりの温度が70℃後半で仕上がる傾向が多く、人間の舌が味を感知できるいい温度帯でもあります。
熱すぎると甘さなどの味覚が感知しにくいため、香りだけの印象が強くなりがちです。
深煎りに限った話しではありませんが、抽出に慣れてきたら、出来上がりの温度にも目を向けてみてください。
深煎りと浅煎りで蒸らし時間は変えたほうがいいのか
よく焙煎度合いで蒸らしの時間を変更した方がいいのかというご質問をいただきます。
個人的には、焙煎度合いではなく、焙煎日からどれくらい日が経っているのか(エイジング期間)に着目していただきたいです。
"蒸らし"の意味は、2投目以降の成分の溶け出しを促進させるため、粉からガスを抜く工程を指します。
このガスは焙煎度合いで含まれている割合が異なりますが、エイジング期間の方が大きく関わっていることが多いです。
使用するコーヒー豆が焙煎から日が経っていないなら、5秒〜10秒程度蒸らしの時間を長く取ることをおすすめします。
焙煎度合い別にレシピを調整する時は、粉量を変化させることが簡単な調整方法だと考えています。
蒸らしの時間を変更させると、全体の抽出時間(抽出終了の時間)が変更してしまうため、本来取り出したくない渋みやえぐみが後半に溶け出しやすくなるためです。
また、普段浅煎り〜深煎りまで幅広く飲まれる方には、時間を変更させる方がかえってややこしくなることも多いので、できるだけ変数は簡単な分量に当てはめていくと、調整の失敗も少ないと思います。
浅煎り〜中煎りベースの粉量で設定しておき、深煎りなら1g減らす調整がおすすめです。
後味のキレ(クリーンカップ)も大切|コクのあるコーヒーに仕上げるためには
ここまで抽出の条件で揃えるべきポイントをご紹介してきましたが、コーヒーの説明でもよく聞く『コク』という観点についてもお話ししておきたいと思います。
スペシャリティコーヒーの評価項目やカッピングコメントには、いずれも『コク』という表現は用いられません。
これは明確な味覚としての表現方法として個人差がありすぎたり、そもそも味覚の定義に入るのか疑問視されているためです。
ですが、深煎りのコーヒーがお好きな方にとっては、どなたにも明確な『好みのコク』があると思います。
あえてスペシャリティコーヒーを販売している立場で評価するならば、『クリーンカップ』と『甘さ』に着目していただきたいです。
クリーンカップの意味合いは、下記のマガジンからご確認ただければと思いますが、簡単にいうと〈雑味がなく後味に甘さの印象を強く感じる〉場合、コクという表現にもつながると思います。
スペシャリティコーヒーの深煎りを楽しんでいただく時は、参考にしていただけると嬉しいです。

THE COFFEESHOP OFFICIAL YouTube Channel
今回は、深煎りのコーヒー豆に焦点を当てて、抽出レシピやポイントについて解説してみました。
ご紹介した抽出レシピ解説動画はもちろん、抽出をリアルタイムで見れる”Brew Timer”や、最新コーヒー器具の紹介などをライブ配信を交えて続々更新中です!
ぜひチャンネル登録・高評価をよろしくお願いします。
WRITER
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Mayuka Jimbo
THE COFFEESHOPバリスタ・ストアサブマネージャー。
富ヶ谷のロースタリーROAST WORKSにてドリンクを提供。フードペアリング担当。レシピの改善や、抽出技術の向上に日々取り組んでいる。
毎週日曜8:45〜はInstagramとYouTubeで15分間のライブ配信中!
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