【本当は教えたくない】HARIO「V60ドリッパー」でのハンドドリップレシピを解説!定番アイテムでも差がつくコーヒー抽出のコツとは?

2025.10.17
SHERE

今回はハンドドリップの抽出レシピ紹介です!

ご自宅でも馴染みの深い抽出方法だと思いますが、注ぐ回数や湯温、抽出時間の組み立てかたによって、様々な味わいを表現できることが大きなメリットの一つ。

ドリッパーの種類も数が多いですが、今回は日本を代表するコーヒーツールメーカーの看板商品〈HARIO V60〉を使用したレシピをご紹介します。

今まで何種類かのレシピをご紹介していますが、現状一番気に入っている最新版のレシピです。

ぜひ最後までご覧ください!

定番のドリッパーだが実は扱いが難しい|HARIO V60 Dripper

雑貨店をはじめ様々なお店のコーヒーコーナーでも多く見かける〈HARIO V60 Dripper〉。

入手しやすく、気軽にコーヒーの抽出ができるため、とても人気の高い定番アイテムです。

が、実はシンプルな設計だからこそ、抽出が難しい面があります。

個人的にレシピを作成する上で難しいと感じた点は2つ。

①お湯抜けが速いので、狙った味わいを出すのが難しい
②円錐型で粉の層が厚くなるため、ドリッパー内で粉が縦に攪拌されやすい

何度か他の器具や抽出レシピでもお伝えしていますが、お湯抜けが速いということは利点でもあります。

お湯の落ちる力で抽出も促進されやすく、液溜まりを防ぎやすくもなるためです。

しかし、それによって1投ごとに計算しながらお湯を注がないと、狙った味わいを取り出しにくいということにもなります。

粉の層に関しては、平底型と比べ円錐型は縦に粉の層ができるため、お湯を注いだ時、ドリッパー内での粉の動きが変わります。

より攪拌の力が強まっている印象で、お湯を注ぐ時にどのくらいの勢いで注ぐのか(1投に何秒かけるのか)が味に大きく影響するため、個人的に湯量はもちろん、秒数間隔により気を配ることが多いです。

ジューシーな味わいに仕上げる|HARIO V60 Dripper 抽出レシピ

抽出で難しいポイントを把握した上で、レシピをご紹介していきます!

今まで中粗挽き程度の粉を使用するレシピが多かったため、今回は中挽きよりも細かい粒度を使用することを前提にレシピを組み立てました。

元々の器具のコンセプトに『ペーパーフィルターであってもネルドリップのような味わいを取り出す』ことがあることと、お湯抜けが速い構造のため、どちらかというと深煎り程度の豆を使用して、しっかりとしたボディ感とフレーバーを楽しむ印象があったのですが、今回は浅煎り〜中煎り程度の豆をより美味しく抽出できるように意識しました。

HARIO V60 Dripper 抽出レシピ

〈用意するもの〉

・HARIO V60 Dripper-02

・ペーパーフィルター(円錐型)

・粉:18g(中細挽き) Time moreC2 #17

・お湯:300g(88℃)

〈抽出レシピ〉

①ドリッパーにフィルターをセットして湯通しを行う

②粉を計り入れ、タイマースタートと同時に抽出開始

0’00”~0’15” / +50g ※サークルプア

0’35”~0’50” / +50g(合計100g)※サークルプア

1’10”~1’25” / +60g(合計160g)※サークルプア

1’45”~2’20” / +140g(合計300g)※センタープア

3'30"を目安に落ち切ったら完成!

細かい粉を使用するため、1投ごとの間隔を少し開けて、しっかりと成分を取り出すことを意識しました。

また最後の1投は濃度調整のようなイメージでセンタープアで注ぎ、抽出後半の雑味成分の溶け出しを抑えつつも、味に立体感を持たせるため湯量を多くして1エネルギーの働きを強くしています。

出来上がったコーヒーはフレーバーと甘さに厚みがあり、適度に酸味も感じられるため、ジューシーな印象がある仕上がりです。

深煎りを淹れる時は、粉量を1g程度減らし味のボリュームを調整と美味しく抽出できます。

プロのコツを伝授!味の組み立て方で大事なポイント

コーヒーの抽出において、個人的に大事にしているポイントは『後味がきれいなこと・甘さが長く続くこと』です。

特に浅煎り〜中煎り程度のコーヒーを淹れる場合はしっかりと甘さを感じること、深煎りのコーヒーを淹れる時には後味がきれいで雑味がでないことを意識しています。

コーヒーの甘さというと、コーヒー成分の中の糖分をより多く取り出せばいいのか?と思う方もいると思いますが、焙煎後のコーヒー豆には味覚として甘さを感じる糖分がほぼ含まれていません。

〈フレーバーと口当たり〉の総評価が、コーヒーを飲んだ時に甘いと感じる要因になります。

そのため、フレーバーと口当たりの強度を調節することで、甘さの印象も変化し、特に浅煎り〜中煎りの場合、この2つをどのようなバランスで抽出するレシピにするのかを考えることが多いです。

深煎りの場合は飲んだ時の口当たりと、雑味のなさが重要だと思っているので、投入回数を増やして成分をバランスよく抽出しつつ、粗めの粉を使用して雑味を抑えたりする工夫をすることが多いです。

コーヒーは熱を加えて焦がすことで、初めて飲めるようになるため、苦味を感じることは当たり前にあります。

ただ、その苦味の質がいいのか悪いのかが重要で、特に深煎りの場合は心地のいい苦味でないと、個人的にあまり美味しいとは感じません。

抽出後半に出る雑味や渋みの成分を取り出すバランスが、後味のきれいさにつながっています。

下記マガジンで、コーヒーの甘さや後味のきれいさ(クリーンカップ)、投入ごとの味わいの変化についてご紹介しているので、ご興味ありましたらぜひ合わせてご確認ください!

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今回は、身近な抽出器具である〈HARIO V60 Dripper〉の抽出レシピやポイントについて解説してみました。

ご紹介した抽出レシピ解説動画はもちろん、抽出をリアルタイムで見れる”Brew Timer”や、最新コーヒー器具の紹介などをライブ配信を交えて続々更新中です!

ぜひチャンネル登録・高評価をよろしくお願いします。

WRITER

Mayuka Jimbo

THE COFFEESHOPのMAGAZINEコンテンツ、オンライン担当。

スペシャルティコーヒーの知識だけでなく、レシピの改善や、抽出技術の向上にも日々取り組んでいる。

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