プロが検証!【コーヒーに合う水とは part2】酸性とアルカリ性を飲み比べ おすすめはどっち?

2023.08.28


先日、THE COFFEESHOPのYouTubeチャンネルとマガジン記事にて、”硬水と軟水で淹れたコーヒーにはどんな違いがあるのか”、という内容が公開されましたが、その検証に使用する水を買いにスーパーに行ったところ、また面白そうなテーマを見つけてしまいました。
というわけで、今回は【酸性とアルカリ性】どちらがコーヒーに向いているのか。検証していきます。

▼前回の検証記事はこちら
『硬水と軟水で淹れたコーヒーにはどんな違いがあるのか』
https://www.thecoffeeshop.jp/how-to-brew/water-for-coffee/

酸性とアルカリ性とは?硬度だけじゃない水の性質

今回検証では、硬度ではなく水の酸とアルカリに着目し検証していきたいと思います!
一番身近に手に入るアルカリ性の水は【キリン・アルカリイオンの水】。よくスーパーなどで見かける方も多いのではないでしょうか。

水の酸性・アルカリ性を表す指標はph(ピーエイチまたはペーハー)ですが、これは水分中に含まれる水素イオン濃度を指しています。
phの数値が低いと酸性、高いとアルカリ性に分類され、ph1〜6:酸性・6〜8:中性・8〜14:アルカリ性となります。
基本的に自然界にある水は大体が中性です。

酸性とアルカリ性の水で淹れたコーヒーを飲み比べ!味の違いはあるのか?

酸性とアルカリ性の水で淹れたコーヒーを飲み比べ!美味しいのはどっち?

では早速検証してみたいと思います。
酸性とアルカリ性の水、それぞれコーヒーの味にはどのように反映されるのでしょうか。

検証内容

南アルプスの天然水(ph:7 中性)とアルカリイオンの水(ph8.8〜9.4 弱アルカリ性)を使用し、カッピング形式で味の違いを確認。
※酸性の水は飲料には向かないため、できる限りph数値の低い中性の水を使用しました。

酸性とアルカリ性の水で淹れたコーヒーを飲み比べ!味の違いはあるのか?

コーヒー豆は前回検証時と同じ、Nicaragua(ニカラグア)/ El Bosque NA(エル・ボスケ・ナチュラルアナエロビック)を使用します。

酸性とアルカリ性の水で淹れたコーヒーを飲み比べ!味の違いはあるのか?

検証結果:南アルプスの天然水(ph:7 中性)で淹れたコーヒー

クラスト:
香りが明るくやや華やかな印象が強い。

ブレイク:
フレーバーの明るさや、フルーティーな香りを感じる。

味わい:
普段の飲み慣れた味わい。酸味・フレーバーと甘さのバランスがよく飲みやすい印象に。
温度が下がったとしても、曇りが少なく明るいフレーバーは健在。
スペシャルティコーヒーならではの奥行きやコンプレックスな味わいが長く続きました。

酸性とアルカリ性の水で淹れたコーヒーを飲み比べ!味の違いはあるのか?

検証結果:アルカリイオンの水(ph8.8〜9.4 弱アルカリ性)で淹れたコーヒー

クラスト:
中性の水に比べ、やや香りが弱い印象。
お湯を注いだ時点で泡立ちなどの見た目は同じだったため、硬度別の結果とは異なる形に。

ブレイク:
中性の水に比べ、やはり全体的な香りの印象が薄く弱い結果に。
よく言えば落ち着いている香りが特徴的。

味わい:
思ったよりも中性の水と変わらない結果に。酸の角が取れて丸みがかったような印象が強いです。
ただ冷めてきた時の違いははっきりしており、全体的に落ち着いて甘さのしっかりしたコーヒーになりました。
フレーバーも感じますが、質感がやや硬めのため、酸味よりも甘さ優位の味わいになった印象です。

酸性とアルカリ性の水で淹れたコーヒーを飲み比べ!味の違いはあるのか?

なぜ味の違いが生まれたのか?コーヒーの弱酸性に適した水とは

検証結果では、アルカリイオン水を使用したコーヒーがより丸みがあり、酸味が控えめで甘さを強く感じる結果になりました。
ではなぜこのような結果になったのでしょうか。
大きな理由として、コーヒーがもともと弱酸性であることが挙げられます。

実は中性の水を使って抽出したとしても、出来上がったコーヒーはph5程度の弱酸性に出来上がります。
つまり、コーヒーには酸性の成分が含まれており、そこにアルカリ性のイオン水が合わさった時「中和」が起こったと考えられるわけです。

絶対的な相関関係ではありませんが、概ね酸性であればあるほど、味覚として酸味を強く感じ、アルカリ性に近づくほど苦味を感じやすいとされています。
そのためアルカリイオン水を使用した時には、コーヒーの弱酸性が中和され、酸味が軽減されたのでは。という考察にいたりました。

酸性とアルカリ性の水で淹れたコーヒーを飲み比べ!味の違いはあるのか?

使い分けるのもアリ!コーヒーの甘さを引き出しやすいアルカリイオン水

今回の検証で、アルカリイオン水は中和によってコーヒーの甘さを感じやすくなることがわかりました。
手軽に購入できる商品ですので、ご自宅で実験感覚に楽しみたい時や、購入した豆の酸味が強すぎると感じた時の緩和方法として、覚えておくと活用できそうです。
興味がありましたらぜひお試しください!

酸性とアルカリ性の水で淹れたコーヒーを飲み比べ!味の違いはあるのか?

コーヒー豆のご購入はONLINE SHOPから

THE COFFEESHOPでは個性豊かなシングルオリジン、月替りのマンスリーブレンドなど、様々な淹れ方で楽しみたいスペシャルティコーヒーを数多く取り揃えております。> ONLINE SHOP

「種類が多すぎてなにを買えばいいかわからない!」という方には、診断に応えるだけで自分好みのコーヒーが見つかる『BEANS NAVI』がおすすめです↓

BEANS NAVIバナー記事下

世界中からセレクトした旬のコーヒーが楽しめる、スペシャルティコーヒーのサブスク”Beans Delivery Service”

THE COFFEESHOP・ロースター萩原が、セレクトした旬のコーヒー豆を、豆の個性にあわせロースト。
定期便でしか飲めないコーヒー豆の入荷や、マニアックな情報もお届けします。
多種多様なコーヒーの違いとその個性、そしてなによりそのコーヒーの美味しさに夢中になれる、そんなコーヒー体験を毎月お届けするサブスクリプション(定期便)サービスです。

Beans Delivery Service
THE COFFEESHOPのレシピブック〈BREW GUIDE〉プレゼント中!

THE COFFEESHOP OFFICIAL YouTube Channel

抽出をリアルタイムで見れる”Brew Timer”や、最新コーヒー器具の紹介、定期便でお届けしたコーヒー豆の内容をライブ配信でご紹介など、続々更新中!

THE COFFEESHOPチャンネル YouTube


SERVICE