たった15分!? サンコー 超高速水出し珈琲ボトル2 短時間で美味しいと話題の商品をレビュー！
2022.07.22
すっきりとした飲み口でゴクゴク飲める水出し（コールドブリュー）は、もはや夏の定番といってもいいコーヒーの楽しみ方ですよね。ご家庭でも簡単に作れるので、この夏も水出しをたくさん作って楽しまれる方も多いのではないでしょうか。
どなたでも簡単に作れるのが水出しコーヒーのいいところですが、ネックになるのは抽出にかかる時間が長いこと。水を使ってじっくりコーヒーの成分を取り出すために、水出し用のパックで漬け込む場合には短くても6〜8時間くらいかかります。ポタポタと水を落として抽出する滴下式でも2~3時間はかかりますね。
そんな中、様々な小型家電や生活雑貨を発売しているサンコーより、「15分で美味しい水出しコーヒーが作れる！」という謳い文句の商品が発売されたというリリース記事を発見。それが今回ご紹介する『超高速水出しボトル2』です。今年6月に発売されたばかりのこちらの商品、サンコー様にご提供いただきましたので、レビューしていきたいと思います！
サンコー 超高速水出しボトル2 商品詳細
▼製品仕様
サイズ：幅102mm× 高さ277mm× 奥行162mm
重量：約1,050g
サーバー素材：強化ガラス(耐熱：120℃、耐冷：-10℃)
バッテリー：リチウムイオン 3.7V 2000mAh
稼働時間：2.5時間 (満充電)
容量：800ml
ケーブル長：約770mm
内容品：本体、ガラスサーバー、マグネットUSB ケーブル、蓋、日本語取扱説明書
短時間で水出しコーヒーを作れる仕組みは、コーヒー粉の層に何度も水を透過させる、というもの。ガラスサーバーの内側に、製品本体（ポンプ部）・インナーカップ・上下にフィルターのついたコーヒーカップ（粉入れ）がひと繋がりになっています。ポンプのバキュームによってインナーカップにサーバー内の水を組み上げ、またそれを押し出して、を繰り返します。
水が何度もコーヒーの層を透過することによって効率よく成分を取り出せるので、短時間での抽出が可能、というわけですね。
フィルターはメッシュフィルターを採用。
見たところ割と粗めのメッシュになっているので、そこまで細挽きの粉は使えないかもしれません。
動力は充電式。満充電で2.5時間稼働でき、コードレスに使うことができます。
マグネット式なのも良い感じですね。充電しながら稼働させることも可能です。
サーバーの容量は最大800mlまで。
粉入れの容量は説明書等に特に記載はありませんでしたが、深煎りではかり入れてみたところ約50gといったところでしょうか。
※後述しますが、粉入れに50gくらいまで入りますが、そこまで入れるとうまく抽出できない原因になります。
短時間で水出しコーヒーが作れる？実際に抽出してみました
抽出手順は以下の通り。
1. 本体を逆さにして、コーヒーカップに粉を入れてフィルターを取り付ける。
2. サーバーに使用する水を計量し、粉の入った本体をセット。
3. 抽出時間（15分・30分・45分）を設定して稼働させ、抽出完了まで待つ。
粉と水の比率は特にメーカー側での推奨はなし。実際には使うコーヒー豆の焙煎度合い・挽き目でかなり変わるはずなので、細かく指定するのは難しいのでしょう。
抽出時間に関しては、味わいの好みで設定することをおすすめしています。
さっぱり飲みたい方は15分、程よくすっきり飲みたい方は30分、バランス良く味わいたい方は45分をおすすめ致します。濃さが足りないと感じた場合は、追加でお好みの時間を設定して再抽出してください。（説明書より）
そこで、まずはTHE COFFEESHOPで発売中のCOLD BREW COFFEE（水出しコーヒーパック）と同じ豆・同じ分量で試してみたいと思います。抽出時間は15分、薄そうであれば追加で稼働します。挽き目はメーカーでは細挽きを推奨していますが、メッシュフィルターの目がそこまで細かくないため、一旦中細挽き程度でテスト。
検証レシピ
今回の検証レシピは以下の通りです。
コーヒー豆：ICED COFFEE MIX 2022（浅煎り〜深煎りのミックス）
粉量：35.5g
挽き目：ditting#5.5（中細挽き程度）
水：500ml 15分モードで抽出
結果：15分で美味しい水出しコーヒーが完成
普通に美味しく飲めるコーヒーに仕上がりました。
割とざっくりしたレシピで試してみたのですが、十分美味しく作ることができたと思います。
若干濃度が濃いような印象だったので、水の分量をもう少し増やしてもよかったかもしれません。
ただ、出来上がった液体を見るとかなり微粉が入ってしまいました。
これはメッシュフィルターの目がそこまで細かくないので、致し方ない点かと思います。
そのため、苦味や酸味は穏やかながら、口当たりはややもったりと、粉っぽい印象に。透明感のあるコーヒーが好きな方には気になってしまうかも。
浅煎り豆でも検証してみた
メーカー推奨の焙煎度合いは、コーヒーの成分の取り出しやすい深煎り。中深煎り程度のICED COFFEE MIX 2022でも十分風味を出すことができたので、続いては浅煎りのPeru／Emilio E.Gutierrezでも淹れてみました。
結果、全体的に薄味な印象ではあったものの、浅煎りのフルーティな甘さを感じるコーヒーを作ることができました。
稼働時間15分ではかなり薄かったので、最終的には45分間かけて抽出しています。また、粉っぽい口当たりになってしまうという点は、中深煎りと同じ印象でした。
一度にたくさん作ってみた
サーバーの容量は最大800mlということで、試しにMAXの容量で作ってみることに。
先ほどの検証と同じ比率で計算すると、水800mlに対してコーヒー粉量56.8gが必要になるのですが、粉入れの容量的に入りきらないサイズ。
そこで、まずは中深煎り程度のICE COFFEE MIX 2022（中細挽き）で、すり切り入れられた約50gでテストしてみることにしました。
すると、インナーカップに水が途中までしか吸い上がらないという事象が発生。
45分かけてもうまく抽出ができませんでした。
おそらく、コーヒーカップ（粉入れ）の中でコーヒー粉が水を吸って膨らみ、パンパンになってしまったために、圧力が強くなりすぎて水が吸いあがらなかったものと思われます。何度か検証してみたところ、コーヒーカップ（粉入れ）の容量は40g程度が限界のようでした。
40gのコーヒー・800mlの水を使って水出しを作るには、挽き目をかなり細かくする必要がありそう。
試しにDittingのエスプレッソ目安の挽き目でテストしてみましたが、濃度感はまだ薄めの仕上がりに。
かつ、口当たりの粉っぽさには拍車がかかってしまいました。
800mlの最大容量で抽出するには、フレンチローストなどかなり深い焙煎のコーヒー豆を使うなど、他の手立てが必要かもしれません。
時短レシピの水出しコーヒー｜メリット・デメリット
ここからは、実際にいろいろと抽出をテストしてみてわかったメリット・デメリットをご紹介していきます！
メリット
・短時間で十分美味しい水出しが作れる。
・いろいろなコーヒー豆、抽出レシピを試すことができる。
・コードレスで場所を選ばずに使用可能。
・稼働中の音が静か。
・作った水出しコーヒーをそのまま冷蔵庫に保管できる。
デメリット
・800ml仕込むのは難しい
・粉っぽい口当たりになってしまうのは避けられない？
・微粉が多く入ってしまうので、出来上がったコーヒーの長期保管には向かない？
その名の通りの時短アイテム！
「15分で美味しい水出しコーヒーが作れる！」というコンセプトがキャッチーな『超高速水出しボトル2』。
その名の通り、短時間でちゃんと水出しコーヒーが作れる、とても良い商品だと思いました。
ただ、やはり粉っぽい仕上がりになることは避けられないので、気にいるかどうかは好みがわかれるかもしれません。
普段からフレンチプレスや金属フィルターでの抽出に慣れている方ならば、そこまで気にならないかも、とも思います。
この夏のアイスコーヒーライフに、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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