2018.08.30ニュース

メキシコ エルエストリーボ農園 コーヒー生産者インタビュー【農園の歴史編】

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メキシコ現地駐在スタッフより、エルエストリーボ農園の生産者インタビューが届きましたので、3回にわたってご紹介。第2回目は農園の歴史についてです。(以下、メキシコスタッフ大善筆)

エルエストリーボ農園 アルタミラノ一家は何世代にも渡り農園を所有し、2012年から日本との取引を開始、2014年にはCOE カップ・オブ・エクセレント という中南米を中心に開催している、その年に収穫したコーヒーの中で最高品質のものを選ぶコンテストで、メキシコ大会で1位となった。

第2回目ではCOEで優勝するまでに紆余曲折した、アルタミラノ一家の歴史について伺った。

困難はあるけど、それを一度受け入れるしかない

メキシココーヒー

S: この袋は2012年に私たちが初めて日本へ輸出した時の袋で、僕たちのコーヒーが世に認められるようになった瞬間です。

D:ここまで至るに、色々紆余曲折あったと別のインタビューで拝見しました。

S:僕たちの農園の歴史は1850年から始まっています。1850年に「ホセ・エスタミスラド・アルタミラノ」という、僕たちの祖先に当たる人がソンゴリカのこの土地に到着し、ここの土地を所有したとあります。ここから、僕たち「アルタミラノ」家は始まりました。
余談ですが、その当時フランスがメキシコに干渉し、1866年オアハカでカルボネーラの戦いが勃発。僕の曽祖父は革命家だったため、フランス軍と闘った歴史があります。非常に偉大な人で、当時のソンゴリカ自治区の司令官だったんです。ちょっとした我が家の自慢ですね(笑)。

メキシココーヒー

↑アルタミラノ家先祖の方々の写真

実際に、コーヒー農園を運営し始めたのは、僕の祖母の代からです。しかし1960年頃、世界的にコーヒーの市場価格が大幅に下落してしまい、僕たちの農園にも多大な影響を及ぼしました。
僕の父は家計を助けるために、別の仕事を探し、例えばワインセラーやコーヒーショップで働き、最終的には社会保険庁IMSSに落ち着き、28年間働き続けました。その間、パルピングマシンや乾燥機を購入したりして、徐々に状況を立て直してきました。
僕はここの農園で生まれ育ち、両親の離婚もあり、2005年から渡米。その当時、コーヒーに関わる仕事をして、2010年にはベラクルスに戻ってきて、農園に投資をして、2011年に家業の手伝いを本格的に始めました。

D:渡米された時にコーヒーの基礎を学ばれたのですね。

S:結構アメリカでの経験が僕の基礎となっていて。今の僕たちの当たり前になっているのが、仕事する場所を綺麗に保つということ。これが良いプロセスや良質のコーヒーに繋がるんです。
そして、2012年にはCOEで輸出用公募があり、その時から日本のお客さんとお付き合いするようになりました。

D:2011年からサムエルさんが加わってから、2014年にはCOEで優勝。となると、すごいスピードで成長されていますよね!

S:当時は一気に投資、一気に実践、という感じでした。その時は父と僕がメインだったのですが、今はコーヒーの営業担当のアブラハムがいます。僕の古くからの友人で、同僚であり、カタドール(コーヒーの品質専門家)なんです。

メキシココーヒー

↑左端サムエルさん、右端が営業担当のアブラハムさん

しかし2014年のCOE優勝で認められてきた頃、その直後の6月、7月にさび病にかかり、生産量が激減。立ち直りが厳しく、植物に多大な影響を及ぼしました。今でも一番苦労した経験です。でもそこから少しずつではありますが、適応していけるようになりました。

コーヒー農家にとって、仕事が僕たちの暮らしそのものなんです

メキシココーヒー

↑自宅兼倉庫。嬉しそうに自慢の工程を語る農園主のアダン氏。

D:最初に出していただいた「※カフェデオジャ」がとても美味しかったのですが、サムエルさんたちは生活の中でも、頻繁にコーヒーを飲まれたりするんですか?
※コーヒーとシナモン、お砂糖で煮出したメキシコ独自の飲み方

S:僕たちにとってコーヒーは、朝昼晩の食事のシーンと重なっていて、日常的に強く結びついています。僕たちは生産者だし、毎日パンに卵にトルティーヤに…それとコーヒーというように、どんな組み合わせでもコーヒーは必須です。

D: さらに自宅がコーヒーの工房でもあることもあって、仕事と生活が一体化しているように思えます。

S:僕たちコーヒー農家の生活は農園次第で左右されることもあって、仕事が僕たちのそのものの暮らしです。僕たちは自然と共存していて、常に植物が何を必要としているかを、なんとなく肌で感じるんです。 植物がしょげているようであれば、大丈夫と言って周りを綺麗にしてやる。変化が必要であれば、植物の場所を変えてやるというように。農園の外でもコーヒーのことを考えて、今どんな好みがブームなのか、プロセスや風味、淹れ方まで。そういう世間の動向をキャッチすることで、僕たちの働きが決まり、製品の品質はさらに良くなっていきます。

(エルエストリーボ農園インタビュー3回目に続く)

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