【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

2023.02.17


コーヒー豆を挽いた際、少なからず生じる『微粉』。
皆さんはどのようなイメージを持っていますか?
今回は、コーヒー豆の微粉が抽出に与える影響、味や風味への影響など、検証していきます。

コーヒー豆の『微粉』とは

コーヒー豆を挽いた際に出る微粉は、一般的に〈400μm以下の大きさの粉〉のことを指します。
刃の形状やグラインド方法によってその発生割合は変化しますが、どんなに高性能のグラインダーを使っても必ず発生します。

微粉の発生が少ないことを売りにするグラインダーもあり、「微粉=取り除いた方がいいもの」と認識している方も多いのではないでしょうか。

実際、微粉が入ることによって味にどのような変化があるのか。
微粉はネガティヴな味わいを引き出す原因になっているのだろうか。
早速検証していきます。

【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

挽き豆から微粉を取り除く方法|セパレーター・パウダーコントロールなど

今回はパウダーコントロールの〈KRUVE(クルーブ)〉を使用して微粉除去を行います。
KRUVEは3つの層で目の異なるフィルターをつけ、粉の粒度を分類することができる製品。

プロ仕様なのでややお高めですが、ご自宅で日常使いするならばもう少しシンプルなパウダー・コントロールがおすすめです。

【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

検証では400μmのフィルターを使用し、微粉のみ取り除いていきます。
実際に30秒程度揺らし、取り除けた微粉がこちら↓

【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

微粉あり?なし?抽出器具別にコーヒーの味の変化を確認

それでは実際にコーヒーを抽出して、微粉あり・なしの味の違いを確認していきましょう。
検証内容は下記の通りです。

検証内容

焙煎度合いの異なる、浅煎りと深煎りのコーヒー豆を使用。
微粉ありと除去したものを、それぞれHARIOスイッチとフレンチプレスで抽出して、落ちきりの時間や味の変化をみていきます。

【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

HARIOスイッチを使用した微粉の影響

まずはHARIOスイッチを使用して、微粉の影響を確認していきます。

粉:18g 中挽き
お湯:250g
抽出時間:2分でスイッチを下げる

【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

浅煎り豆|微粉あり

落ちきりの時間は約3分10秒。
甘さのある飲み慣れた味わいになりました。

浅煎り豆|微粉なし

落ちきりの時間は約2分45秒。
すっきりとした印象でティーライクのフレーバーを強く感じましたが、微粉ありの方が甘さを取り出せている結果に。

深煎り豆|微粉あり

落ちきりの時間は約3分05秒。
浅煎り同様、豆本来の甘さをしっかり感じる味わいに。

深煎り豆|微粉なし

落ちきりの時間は約2分55秒。
すっきりしていて、濃度もやや薄め。
微粉ありと落ちきりの時間に大きな差はないものの、味はかなり違っていました。
ただ、浅煎りよりは深煎りの方が、必要な成分は取り出せている印象です。

HARIOスイッチの場合 微粉の影響が大きい結果に

スイッチの抽出では、微粉あり・なしで味にかなり変化を感じました。
微粉ありは後味が長く甘さの強いコーヒーに、微粉なしの方は競技会などで出てくるようなクリーンな印象に仕上がりやすいです。

【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

フレンチプレスを使用した微粉の影響

続いてフレンチプレスを使用して、微粉の影響を確認していきます。

粉:18g 粗挽き
お湯:300g
抽出時間:4分

【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

浅煎り豆|微粉あり

スイッチの結果と同じく、浅煎りらしい甘さのあるコーヒーに仕上がりました。

浅煎り豆|微粉なし

微粉ありよりも色が薄めで、青臭いフレーバーを強く感じる結果に。
アフターも短いため、典型的な抽出不足のコーヒーが出来上がりやすい印象です。

深煎り豆|微粉あり

こちらも甘さがあり、深煎りらしい安定した味わいのコーヒーに。

深煎り豆|微粉なし

若干色味が薄くなるものの、フレーバーや甘さはしっかり抽出できていました。
フレンチプレスで出やすい、ざらっとした口当たりは控えめ。
飲みやすく理想の抽出とも言えそうです。

フレンチプレスの場合 口当たりにも大きく影響

フレンチプレスの抽出でも、微粉の有無で仕上がりの結果に差がつきました。
もともと深煎りは火の通りが進んでいることで、豆から成分が取り出しやすいため、微粉を除去しても残りの粉で、十分な抽出が行えたと考えられます。
逆に浅煎りは豆が硬く、成分を取り出しにくいという性質上、抽出不足に拍車がかかった印象でした。

【コーヒー豆】微粉は必要?抽出方法や味・風味に与える影響とは

微粉は結局悪者なのか?

前述した通り検証の結果から、〈微粉がコーヒーの仕上がりに与える影響は大きい〉ということがお分かりいただけたと思います。まとめて確認していきましょう。

①微粉=悪いものではない

浅煎りの結果からもわかるように、微粉=悪ではなく、微粉ありのほうが美味しく抽出できる器具と豆の組み合わせもありました。

②微粉(粒度の細かい粉)は甘さと質感を抽出しやすい

浅煎り・深煎りの共に、微粉を除去した時は、すっきりとした軽いコーヒーに、ありの場合は甘さの印象が長く続くコーヒーに仕上がりました。
甘さやしっかり口当たりを取り出したい時は、微粉ありの方が向いていると言えます。

③微粉を除去するなら、レシピを再構成する必要がある

当然といえば当然ですが、もともと微粉ありきで考えている抽出レシピをそのまま使用すると、抽出不足になりやすいです。
成分が溶け出しやすい細かい粉を除去しているため、抽出時間を伸ばす・湯温を上げて抽出するなど微調整を行う必要があります。

とはいえ、細かすぎる粉はペーパーフィルターの目詰まりや、金属フィルターで抽出したコーヒーの粉っぽい口当たりの原因になったりもするので、多いより少ない方がいいと言えます。

毎回毎回、微粉を取り除く必要はないと思いますが、微粉の発生を抑えているグラインダーを使うなど、使う器具ごとに工夫してみるのもいいですね!

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