ハンドドリップ用電気ケトル比較|使いやすいケトルはどれだ?

2019.06.14


コーヒーを入れる際、必要不可欠な道具のひとつ『ケトル』。最近は、ハンドドリップ用に作られているものも多々あり、便利である一方でどれを選んだらいいかわからない状態に。そこで今回は、人気機種3つについて、比較検証してみたいと思います。

ハンドドリップ用電気ケトル比較|比べたのはこの3つ

では早速、今回比較検証した3つの電気ケトルについて、ざっくり見ていきましょう。

↑ 上から時計回りに『ビタントニオ アクティ』『ドリテック アラビカ』『ハリオ ヴォーノ』です。

デザインが異なることはもちろんですが、今回はハンドドリップでの検証なので、【操作性】に関わる違いを先に見ておきたいと思います。

まずは注ぎ口側の角度。

電気ケトル

もっとも角度がきついのは最手前の『ビタントニオ アクティ』。次いで真ん中の『ドリテック アラビカ』。そしてもっとも角度が緩いのが最奥の『ハリオ ヴォーノ』です。

ここの角度は、どれだけ傾けるとどのくらいのお湯が出る、という直接的な操作性に関わるポイントなので、結構重要です。

電気ケトル検証

続いて、お湯が沸くまでの時間を計測してみました。

湯沸かしの条件は、下記の通りです。

1、汲みたての水道水を使用 (水温 : 23℃)
2、沸かし始めたタイミングで計測開始
3、器具は冷えた状態のものを使用
4、水量は全て500ml
5、気温 : 24℃
6、湿度 : 64%

湯沸かし結果ですが、沸騰までがもっとも早かったのは『ビタントニオ アクティ』で3分ジャストでした。次いで『ドリテック アラビカ』で4分15秒。もっとも時間がかかったのは『ハリオ ヴォーノ』で4分28秒でした。

せっかちさんには『ビタントニオ アクティ』が良さそうですね。笑

では、ここからはひとつひとつ、実際に使ってみたインプレッションをお送りします。

ハリオ パワーケトル・ヴォーノ|自在性の高さが魅力

ハリオ パワーケトル・ヴォーノの基本スペックは以下の通り。

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  • ポット部分重量:638g
  • モード①:沸騰のみ
  • モード②:保温モード
  • 最大湯量:800g

アルミとステンレススチールを組み合わせた素材ですが、やや重たい。最大湯量800gを沸かすとなると、結構重たいです。

モード①は、100度まで沸いたら自動で電源OFFになるので、空焚きの心配はありません。

モード②の保温モードは、60度~96度の範囲で1度刻みで設定でき、15分間保温可能という機能。豆を挽く前にお湯が先に沸いてしまった時などには便利ですね。

ハリオケトル

形は名器「V60ヴォーノ」の形状を引き継いでいるので、流石の注ぎやすさ。細すぎず太すぎない注ぎ口は、優しく注ぐこともできるし勢いをつけることもできます。

湯量をコントロールすることで、多彩なレシピにチャレンジし始めた、コーヒー中級者以上の方には特におすすめのケトルです。

スイッチ操作もわかりやすくシンプル。ただ、他の2台と比べてしまうと、価格の割高感は否めません。ドリテックの3倍近い金額を出してまで、どうしてもこれが必要かと言われると、、、どうでしょうね。

ビタントニオ アクティ|バリスタモード搭載のおしゃれケトル

続いて ビタントニオ アクティ。基本スペックは以下の通りです。

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  • ポット部分重量:632g
  • モード①:沸騰モード
  • モード②:温度設定モード
  • モード③:バリスタモード
  • 最大湯量:800g

持った時の重さの感じは、ハリオとさほど変わりません。重量感のある作りです。

ビタントニオ アクティ

モード①の沸騰モードは、100度までお湯を沸かし、モード②の温度設定モードは、50~100度の間、設定した温度までお湯を加熱します。どちらも、設定温度まで達したところから、自動的に30分間保温してくれます。

で、ハリオにはなかった機能が、モード③のバリスタモード。これは、②で設定した温度まで、ケトルを一度外しても台に戻せば再加熱されるという機能です。

これによって、例えばハンドドリップの注ぎの間、終始同じ温度で抽出ができるようになります。

ロースター萩原コメント:
ハンドドリップの場合だと、エグ味の出やすい抽出後半には湯温は下がった方が良い、と萩原は考えており、THE COFFEESHOPの抽出レシピもその前提で作っています。ただ、設定した温度まで再加熱するという機能に対して、それ用の抽出レシピを作ればいいわけですよね。ケトルの機能に合わせて、抽出レシピ側を柔軟に変えてみるというのもアリだと思います。

萩原コメントの通り、メリットデメリットはありますが、抽出レシピを作るときに不確定要素の変数を減らす、という意味ではメリットは大きいかもしれません。

ロースター萩原コメント:
通常のTHE COFFEESHOPのV60ハンドドリップレシピの様に、最初94度程度の湯温から抽出をスタートする場合には、抽出後半も94度で注いでしまうと湯温が高すぎてエグ味が出てしまう場合が多いのですが、最初から80度台の湯温で抽出を始める低温抽出レシピの場合には、抽出温度をキープした方が都合が良い、ということもあるかもしれません。(ちゃんと検証したことないので予想ですが)

電気ケトル比較

元ブルーボトルのバリスタ監修というだけあって、ハンドドリップ時の操作性はGOOD。

ハリオ ヴォーノ と比べると、注ぎ口はやや狭く、ノズルの曲がり具合も急なので、より慎重にゆっくり注ぐのには向いているかと思います。

湯温が一定にキープできるバリスタモードと合わせて、非常にゆっくりと時間をかけて抽出するネルドリップなどにも向いているかもしれませんね。

価格の割に高級感があり、ハンドル部分には天然木が使われていたりしてスタイリッシュです。ただ、見た目をすっきりさせるためなのか、ケトルの蓋部分に取っ手などがなく、非常に開け閉めがしづらいのが難点か、、、

3、ドリテック アラビカ

3つ目は、ドリテック アラビカ。基本機能は以下の通りです。

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  • ポット部分重量:544g
  • モード①:沸騰のみ
  • モード②:保温モード
  • 最大湯量:800g

実測の通り、他の二台に比べるとやや軽い。

ドリテック

モード①は、沸騰のみ。100度まで沸いたら自動で電源OFFになります。

モード②は保温モード。40度~100度の範囲、1度刻みで設定でき、15分間の保温が可能です。

ドリテック電気ケトル

注ぎ口は、今回の三台の中で一番細口。優しくゆっくり注ぐのには向いていそうですね。逆に勢いをつけて注ぎたい場合には、不向きとなります。

湯量コントロールに慣れていない初心者の方や、ゆっくりと抽出するレシピがお好みの方におすすめです。

ハンドルの形はいわゆる「Dハンドル」。傾けた時に力が逃げてしまうので、少し注ぎにくい印象でした。

しかし、無駄のないフォルムと操作性の良いボタン、コンパクトなサイズ感と、トータルの見た目の印象はGOODです。

5,000円台という価格を考えると、機能も込みでかなり良い商品だと思いました。ハリオ ヴォーノ の1/3の価格でこの性能であれば、ご自宅用に購入するのは大いにアリだと思います。

まとめ

以上、電気ケトル3モデルについて見てきましたが、今回の検証では、急騰性能とモード、形状についての比較検証に留まりましたので、また後ほどもっと深掘りしていきたいと思います。

実際に使い続けてみないと、防水性や耐久性まではわかりませんからね。何年か使ってみて、壊れた時点でまたご報告いたします。

最後に、これ結構重要なポイントかと思ったので追記します。

コードの長さですね。

短い順に、ハリオ(約0.7m)、ドリテック(約1.1m)、ビタントニオ(約1.2m)です。

ご参考まで。

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